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世界の銅産業の現状と今後の動向 日本メタル経済研究所報告

2019.07.16 08:12

 中国の銅地金消費量は、ここ7年間で460万トン(2018年消費量、2011年比788万トン)増加し2018年は1,248万トンに達した。これは世界のシェアを53%占めている。この中国の銅消費に牽引され、各国は増産対応に追われているという。日本メタル経済研究所の主任研究員、馬場久光氏が過日に行われたメタル経済研究所の報告会で語った。

 

 中国の銅地金生産については、中国の増産が圧倒的で、2018年は895万トン。7年間(2011年比516万トン)で378万トン増加したという。これは世界シェアの38%を占めるという。

 

 逆に、チリ、インドでは7年間で減産しているところを見ると、銅の地金生産についても、中国が世界の中心にいることがわかる。

 

 続いて、中国の銅地金輸入は、2018年は375万トンとなり、2011年比(284万トン)で91万トン増加している。

 

 中国の鉱石輸入は、2018年で494万トン。2011年比(160万トン)で334万トン増加となった。

 

 銅鉱石生産については、チリが伸び悩んではいるものの2011年の526万トンから583万トンで微増。対して中国は11年の130万トンから比べ18年は151万トンと増えているものの、2016年から減少傾向にあるという。

 

 べルーは、11年の124万トンから18年は244万トンと120万トンの増産。DRコンゴは11年の48万トンから、18年は74万トン増の122万トンと大幅増産となっている。

 

 しかし、注目は、大幅増産のペルーにしてもDRコンゴにしても、ペルーは増加した鉱山の1/2、DRコンゴは生産の1/3はいずれも中国企業出資鉱山となっているという点。消費から鉱石生産まで、中国が圧倒的な存在感を表しているという。

 

 

中国の非鉄金属発展政策の内容とは

 中国が打ち出した、非鉄金属発展政策は、「有色金属工業発展計画2016-2020」によると、

 

 銅地金の消費量と生産量については

 ・消費は年3.3%成長、2020年に1,350万トン

 ・生産は年4.2%成長、2020年980万トン

 ・年成長率は高速から中高速へ減速

 

 資源の確保

 ・国内:銅鉱石埋蔵量800万トン増加させる

 ・海外:一帯一路の理念の下、南米、アフリカの資源国と協力して生産基地建設を推進

 

 産業構造の調整

 ・都市部の工場は地方へ移転させる

 ・政府基準に達しない中小製錬所は淘汰

 ・新規精錬所は政府が生産量を徹底管理し、需給バランスをコントロールする

 

 環境対策

 ・中小湿式精錬所を淘汰し汚染物質排出を減少させる

 ・連続製錬技術を積極的に利用、転炉は改造する

 ・二酸化炭素排出量を制限

 ・重金属やヒ素の固形処理センター設立

 

 技術革新

 ・技術革新能力と品質管理能力を強化

 ・スマート工場の普及率を30%、生産効率

 

 リサイクル

 ・スクラップ由来原料の割合を挙げる。2016年25%→2020年27%

 ・貴金属回収率を増加させる

 

 以上のような施策を打ち出し、結果としては

第12次5か年計画では、実績が計画よりも大幅に上回り推移。しかし、13次では実績が計画をわずかに下回ったという。

 

 資料によると、消費の年増加率では12次実績では8.9%だったのに対し、13年計画では3.3%。生産は12次実績で11.9%に対し13次計画では4.2%となっている。

 

 

世界の銅産業の企業別動向

 馬場氏は、今度は世界の銅産業企業別の動向を紹介した。

 

 企業別の銅鉱石生産量の推移について、

 「上位10社のシェアは、51%から現在は46%まで減少した。背景には資産売却、中国資本企業の台頭が挙げられる。」と話す。

 

 ここでの上位10社は、コデルコ、FCX、グレンコア、BHPB、リオティント、FQM、KGHM、AAC、GrupoMexico、Antofagasta,にあたる。

 

 馬場氏は

 「銅の価格は2011年にLME銅が1万ドルを超え史上最高値を更新した。この時に大規模投資が進んだ。グレンコアのエクストラ―タ買収や、FCXの石油天然ガス2社買収なども行われた。しかし、2015年末に銅価格が下落し、各社ともに大幅な損失を計上。経営の再建が迫られることとなった」という。

 

 

グラフ

 

 

 各社の動向は

  FCX

  ・Tenke Fungurmeを27億ドルで中国Moへ売却

  ・Morenci権益13%を10億ドルで住友グループへ売却

  ・石油、天然ガス開発事業から撤退

 

  BHPB

  ・鉄鉱石、銅、石油、石炭をコア事業資源集中

  ・ノンコアアセットを分社化

  ・従業員1万5,000人を削減

 

  グレンコア

  ・LasBambasを59億ドルで中国五鉱集団へ売却

  ・TampakanをIndopil Resoucesへ売却

  ・豪州鉄道Grailを11億Aドルで売却

 

  AAC

  ・銅、ダイヤ、PGM以外のアセットを売却

  ・8万5,000人の人員削減

  ・Pebble、Norte、RustenBurg、Foxleigh等を売却

 

  コデルコ

  ・2013~2015年に4,300人の人員削減を実施

  ・プロジェクト投資額の見直し

 

  リオ・ティント

  ・鉄鉱石、アルミ、銅をコア事業に資源を集中

  ・ノンコアアセットは77億ドルで売却

 

 という動きを取っている。この結果、大手10社の決算は、15~16年を底に売り上げは右肩上がりで回復。ただ、純利益は、鉱物価格の下落時に多額の損失を計上するという業界構造になっているという。

 

 また全体として、各社とも銅事業は、鉄鉱石に次ぐ高収益事業となっており、今後も銅事業が重視されていくことになるだろうと馬場氏は語る

 

 ただ、銅資源の探鉱率が悪化していると馬場氏は語る。

 

 2005年までは、少額の予算でも多くの銅資源を発見できたが、2009年以降は、多額の予算でも多くの銅は発見できていないという。大手10社の探鉱予算も銅価格下落で経営が悪化し、探鉱に充てる予算が減少、17年以降は銅価格が回復傾向になっても、各社共に探鉱費は抑制しているという。

 

 そのような中で、大手は既存の鉱山を拡張し量産を開始しているという。

 

 馬場氏は

 「2019年の10社の合計生産量は、2018年よりも20万トン減少見込みで、2020年には生産量回復見込みも旺盛な消費にキャッチアップできない。FCXのGrasdergの坑内掘り転換や、BHPBの銅品位低下などの要因もあるが、地元の鉱山でストライキや、鉱業用水の不足、中国勢の台頭など、様々な要因が吹き荒れている。資源メジャーに取って、銅は残された高収益事業。ここをどう生かすか、そして中国勢に対抗するが注目される」と語った。

 

 

(IRUNIVERSE Hatayama)

 

 

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