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貿易統計:20年5月のスポンジチタン輸出量、ボーイング減産の影響からか、両社との減少だが東チタ大幅減

2020.06.29 09:00

 6月26日に財務省が発表した20年4月の貿易統計から、わが国のスポンジチタンメーカーである(大阪チタニウムテクノロジーズ(以下大チタ)と東邦チタニウム(以下東チタ)の、それぞれのスポンジチタン輸出状況を推測する。両社ともスポンジチタンの輸出は、ほとんどが航空機向けであり、米国のTIMET社、ATI社、RTI社に販売している。このため、大チタの尼崎工場は神戸税関、東邦の茅ヶ崎工場は横浜税関、若松工場は門司税関として、ユーザーの工場がある米国向けと、英国向けの輸出状況から推測した。

 

 まず、両社合計の5月のスポンジチタン輸出量は、前年同月比30.0%減の1,847トンと、2ヵ月続けて減少した。各社別の状況は以下の通り。

 

 

図表1、国別スポンジチタン輸出量と伸び率の推移(トン、%)
グラフ
注意:横浜、神戸、門司税関から米国向けと英国向けの合計
出所:貿易統計よりIRU作成

 

 

 大チタはと東チタの数字を元にグラフ化したのが図表2、3になる。両社の輸出量がともに減少となってり、ボーイングなどの減産による影響のためだと思われる。なお、スポンジチタンの輸出量は暦年ベースの年間契約で行われが、四半期毎に分けられる。

 

 

図表2、大阪チタニウムテクノロジーズの国別スポンジチタン輸出量と伸び率の推移(トン、%)
グラフ
注意:神戸税関から米国向けと英国向け
出所:貿易統計よりIRU作成

 

 

図表3、東邦チタニムの国別スポンジチタン輸出量と伸び率の推移(トン、%)
グラフ
注意:横浜税関及び門司税関からの米国向けと英国向けの合計
出所:貿易統計よりIRU作成

 

 

 大チタの輸出量は前年同月比9.4%減の1,566トンと、2ヵ月続けての減少となった。一方、東チタも、同69.1%減の281トンと3ヵ月続けて2ケタ減少となった。東チタの工場別の状況は図表4、5のとおり。

 

 

図表4、東邦チタニウム茅ケ崎工場の国別スポンジチタン輸出量と伸び率の推移(トン、%)
グラフ
注意:横浜税関から米国向けと英国向け
出所:貿易統計よりIRU作成

 

 

図表5、東邦チタニウムの若松工場の国別スポンジチタン輸出量と伸び率の推移(トン、%)
グラフ
注意:門司税関から米国向け英国向け
出所:貿易統計よりIRU作成

 

 

 最後に、スポンジジチタンの輸出価格の動向を図表6に示した。スポンジチタンは年間契約であるため、月別の価格変化は、為替要因とミックスの差によるもの。一般的にジェットエンジンの回転系の部材向けは価格が高く、航空機本体向けは安い。東邦チタニウムは若松工場で主に航空機本体向けや民生品向けなど量産品を生産し、茅ケ崎工場で航空機の回転系向けや高純度チタンなど量産品でないものを生産している。なお、20年の契約価格について、スポンジチタン各社は、原料高を理由に、価格転嫁を目指しているが、前年比1割弱の上昇にとどまった可能性が高い。これは、輸出の6割程度を長期契約で占めているため、かつてのような2割以上の上昇は期待しがたい。

 

 

図表6、スポンジチタン価格動向(千円/トン)
グラフ
注意:神戸は大阪チタニウムテクノロジーズ、門司及び横浜は東邦チタニウム
出所:貿易統計よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

 

 

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