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月には我々や専門家が想像以上の金属が存在する

2020.07.09 09:04

 NASAの才能豊かな月偵察機オービター(LRO)は、月の地表下に鉄とチタンの酸化物が豊富にあるという証拠を発見した。これは、地球の初期の歴史と密接な関係があるようだ。

 

 科学者たちは月がどのように形成されたについて何十年も議論している。有力な説としては、火星サイズの天体が数十億年前に地表に衝突したというものだ。衝突した天体は衝撃で粉々になり、地表の一部を宇宙空間へと飛ばし、その破片が地表をリング状に囲んでいる。今日私たちが見る月は、そのリングが重力によってゆっくりと崩壊していくものである。

 

 しかし、月の化学的な組成は前述の理論に対する明確な証拠とはなっていない。明るく見える月の高地にある岩には、地球よりも金属含有量は少ないのだ。

 

 地表がすでに層状になっていて、重金属が核部分に沈んでいるのならば理にかなっている。ただし、月の暗い平面が同時に形成され、地表よりも金属の存在量が多い場合は当てはまらない。

 

 月探査機オービター(LRO)の新しい調査結果によって矛盾が明らかになった。ここではミニチュア無線周波数(Mini-RF)機器と呼ばれる装置を使っている。これは、月の地質をマッピングし、氷河を探し、通信技術をテストするために設計されたレーダープローブである。

 

 この機器では、月の北半球の地形を誘電率と呼ばれる電気的特性を使って地表の起源を探っている。この定数では、物質が電界を伝達する誘電率と真空誘電率を比較している。(物質ごとに固有の誘電率をもち、この値は外部から電場を与えたとき物質中の原子または分子がどのように応答するかによって定まる。)

 

 電界伝達媒体が電極に触れた場合に限って通信を行う方法(Electric-field transmission)では、太陽の熱から守られているクレーターの影の中から氷を見つけるのに有用であるが、酸化鉄や酸化チタンなど、より多くの金属が表面に露出している領域を特定することもできる。

 

 誘電率はクレーターのサイズとともに増加したが、特定のポイントまでしか増加しなかったことがわかった。直径1〜3マイル(2〜5 km)のクレーターは、クレーターが大きくなるにつれて誘電率が着実に増加したが、幅が3〜12マイル(5〜20 km)のクレーターの場合は一定だった。

 

 「存在を信じない理由がないほど、これは驚くべき相関性だ」南カリフォルニア大学ロサンゼルス校のMini-RF実験の共同研究者であり、新しい研究の筆頭著者であるEssam Heggy氏はNASAでの声明で明らかにした。

 

 専門家チームの間では、月面の数百フィート(メートル)にはこれらの酸化物はほとんどないが、地下にはより豊富な金属源があるという結論に行きついている。流星が月の表面に衝突して上層部を引っ掻くと、金属が露出するというのだ。これで月の高地では金属埋蔵率が低く、月の表面下に近い暗い平野では多いことも説明できる。

 

 研究者たちは自分たちの研究を検証するために、Mini-RFの火口床レーダー画像をLRO広角カメラ、日本のJAXA月収回衛星(カグヤ)、NASAの月探査船ルナ・プロスペクターによる画像と比較した。カグヤとルナ・プロスペクターはもう機能していないがデータは残っている。

 

 NASAによると、クレーターが大きいほどより多くの金属を含んでいたことがわかり、流星により発掘された金属堆積物が埋蔵されているという仮説を裏づけるものである。

 

 NASAのグレイルGRAIL(月探査機)によって2019年に月に報告された不可解な現象を考慮すると、結果はさらに興味深いものとなる。月の重力測定によって、月の巨大な南極エイトケン盆地の地下に数十から数百マイル(またはキロメートル)の高密度な物質が豊富に存在していることが明らかになった。GRAILの結果は、LROの新発見と共に金属が月の特定の領域に集中している可能性があることを示唆している。

 

 LROの結果では、月の北半球の下に酸化鉄と酸化チタンがどのように分布しているかが観察されていることから、月がどのように形成されたかを理解するための小さな一歩といえよう。次に、研究者たちは南半球のクレーターの表面を調べて、そこにある金属の量を調べることになる。

 

 

(Shiba)

 

 

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