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自動車リサイクル現場探訪④  ”社員ありきの会社“ 会宝産業

2020.09.09 09:32

 石川県金沢市に本社を置く会宝産業。創業は1969年5月。有限会社近藤自動車商会を設立し、初代社長に近藤典彦氏(現会長)が就任。1992年2月に会宝産業株式会社に社名を変更。現在は近藤高行氏が代表取締役社長に就任している。

 

 総面積は6,000㎡。本社工場の横に国際リサイクル研修センター「IREC(アイレック)」があり、日本国内で解体業に携わる人、および海外でリサイクル業に携わる外国人向けに研修を行っている。JICAと提携し行っている研修には様々な国籍の方が参加、リサイクル業のノウハウを学んだのち巣立っていく。

 

 

写真

 

 

 主な事業内容は海外輸出(中古部品を買い付け、海外へ販売)で、売り上げの75%を占めている。残りの25%が国内における素材の販売(12%)および部品・スクラップ販売(13%)と圧倒的に海外輸出比率が高い。海外のネットワークは90か国にも及ぶ。

 

 海外ではロシア、UAEを含めた中東、南米のボリビアなどと取引が多く、中古部品の販売はロシアだけで37社ほどあるという。

 

 UAEにおいて世界初となる中古自動車部品のオークション会場を開設。全国72社のネットワークと連携し、コンテナ20本分の中古パーツを毎月UAEへ送っている。

 

 

写真

(解体作業後、部品ごとに保管される)

 

 

 コロナの影響でメインである海外輸出はダメージを受けた。特に南米などは完全にストップしてしまい、4月5月の売り上げは半減。本来であれば自動車リサイクル業界は繁忙期のはずだ。企業の黒字化を視野に入れ、社員のシフト制、予算の見直し、経費削減などありとあらゆる策を取ったものの、一向に黒字化の目途が立たないでいたという。しかし、2か月後の6月には黒字化し、売り上げはほぼ通常通りに戻ったというから驚きだ。

 

 事業体制は全く変えていない。

 

 黒字化に至った経緯、および会宝産業がビジネスを行う上で大切にしていることなど代表取締役社長の近藤高行氏にお話を伺った。

 

 

社員が黒字化に向けて一致団結

 経費削減など試みても黒字化が見えない中、黒字化にするべく計画書を作り、「黒字化していくぞ」と社員に周知徹底を図ったという近藤氏。

 

 「我々本位で利益を追求すればお客さんは減っていく。利益というのはお客さんが喜んだ結果。社員全員が黒字化に向けて“どうやったらお客さんが喜んでくれるか”ということを考えて動いてくれたんです。それが大きい」

 

 会宝産業では月に1度社内全体会議を開き、数字を社員全員にオープンにしている。会社の経営を心配する社員の家族にも近藤社長自ら「黒字化に向けて動いている」旨手紙を書き、安心してもらうよう心掛けたという。社員のことを考える“風通しの良い職場”だからこそ、窮地に立った時に社員が黒字化に向けて一致団結するのではないか。実際、離職率も低いという。

 

 “雰囲気がいい”。工場を見学させていただいている時真っ先に感じた。

 

 猛暑の中、懸命に作業に取り組む社員が皆気持ちよく挨拶をしてくれ、表情が生き生きいているのが印象的だ。皆が仕事と会社に誇りを持っているに違いない。

 

 

写真

(“社員ありきの会社です”と語る近藤取締役社長)

 

 

正直者が得をする時代になる

 コロナは海外マーケットに大きな打撃を与えている。力のある大手は購買力を止めないにせよ、購買量は減り、日本の買い付け先も当然限られてくる。海外輸出がダメージを受ける中、会宝産業は限られた買い付け先として顧客から選ばれ続けている。

 

 「“会宝さんのエンジンの価格は高い。他の会社は安いのに”とお客様から言われることがありますが、我々は品質チェックをきちんとしているから高いんです。売ったら売りっぱなしではない。もし何かあった場合もクレームを受ける体制がある。昔からアフターフォローをしっかりやってきました。大切なのはお客様との信頼関係です」

 

 

写真

(部品を厳しくチェック後、バーコードを付けて管理)

 

 

 日頃から「いいフィードバックがあったら社内の皆にシェアし、逆にクレームはすぐに対応するよう徹底している」という。

 

 自分本位に利益を追求せず、顧客が喜ぶことをする。透明性の高いビジネススタイルは揺るぎない顧客との信頼関係を生む。

 

 「私自身何とか儲けてやろうと駆け引きをするタイプではない。

“正々堂々とやっていけ、”正直者が得をする時代になる“とう会長の教えのもと実践しているだけ」

 

 他人に正直であれば他人も正直を返してくる。”正直者が得をする“とは極めてシンプルなあり方だが、日常生活において我々はつい”正直者は損をする“とひねくれたものの見方をしていまいがちだ。”損をする“と考えてしまう時点で、実は正直に生きていないからなのかもしれない。

 

 オープンに社員と向き合う姿勢が一致団結する社員を生み、正々堂々とビジネスをやる姿勢が顧客の信頼を得る。

 

 今回の取材を通し、我々が日々生活をしていく上で“大切にするべきこと、実践すべきこと” を改めて考えさせられた。

 

 

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山根江理子 (Eriko Yamane)

 フリーライター兼JBAA認定日本文化/日本ビジネスマナー講師、フリーランス通訳/翻訳者(日‐英)。通訳/翻訳の得意分野はエンターテインメント系およびインタビュー、取材など。海外5か国 (イギリス、オランダ、シンガポール、マレーシア)に滞在経験がある。2020年9月よりオランダに移住予定。

 趣味は、旅行、水泳、読書、ドライブ。

*通訳、翻訳および講師に関するご用命は→ info@iruniverse.co.jp(担当窓口:川合)

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