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全く新しい金属アプローチ  MAZELLOY 日本タングステン株式会社

 2021年12月8日から10日までの3日間、千葉市美浜区中瀬の幕張メッセにてRX Japan株式会社主催の「第12回 高機能素材Week」が開催された。今回の展示会は実地開催となっており、合計で520社のブースが所狭しと会場内を埋め尽くす様に出展を行っている。

 

 今回の記事では出展者のうち日本タングステン株式会社の新規開発パーツを取り上げていく。

 

 

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タングステンというマテリアル

 

 

 タングステンは高い耐熱性を誇り、これまで超硬チップ、ドリルやプラズマアーク溶接、プラズマ切断機に用いられてきた。

 

 この傾向は合金となっても失われず、鉄タングステン合金や炭化タングステンは高硬度かつ摩擦熱に強い特性で各種の機械工具、切削工具などにも使用されている。

 

 またその比重の大きさと硬度の高さから徹甲弾等の弾芯に用いられるほか、高密度である為X線の遮蔽材としても使用される事がある。

 

 しかしながらタングステンの主な産地が中国に偏っている事から、戦略的資源としてリスクを抱えている素材でもある。

 

 そういった中で日本タングステン株式会社は、既存の事業に用いられている押出機の構造材に着目をし、新製品の開発にこぎつけたのである。

 

 

いいとこ取りを実現してしまう新材料、MAZELLOY

 今回日本タングステンが打ち出したのは「MAZELLOY®」と名付けられた二軸押出機用のパーツ群である。

 

 それぞれ現在はスクリューエレメントとバレルライナーという形で提供されている。

 

 この製品のコンセプトは「コンパウンドの未来へ挑戦する 常識を超えた新たな選択肢」と同社が謳うだけあって非常にいいとこ取りを可能とする素材となっている。

 

 まずは高い耐摩耗性を特徴とする。元々耐摩耗性に優れたダイス鋼(SKD11)を3ヶ月稼働させた結果継続使用が不可能となるポリアミド+ガラス繊維のコンパウンド生産環境下で27ヶ月使用しても継続使用が可能なレベルの頑強さを持っている。

 

 次に耐衝撃性もさることながら耐腐食性も高いレベルで確保。硫酸でも塩酸でもそう簡単に劣化させられるレベルではない。

 

 そして何よりも比重が特徴であり、なんと7.1という軽量さを実現。超硬合金の半分ほどでありながら、破壊耐性や硬度は超硬合金と変わらない数値を叩き出す。つまるところ現状この用途においてほぼ完璧とも言える材料で形成されていると言える。

 

 もちろんこれ以外の環境で使用する事は現状想定されていないため、他用途に対して求められる耐熱性等は必要となれば確認する状況ではある。

 

 しかしこれだけの長所を備えたパーツは早々実現出来るものではない。

 

 会場内でもクリスマスシーズンが近い事もあり、赤と緑のモールで可愛らしく飾り付けを施されていた。

 

 

写真

 

 

 製品の長寿命化というのは一概にユーザーに対して損か得かという事は価格面も含めて言い切る事は難しいが、少なくとも短期間で多くのパーツが損耗し交換する必要が迫られる界隈にとっては朗報と言えるだろう。

 

 メンテナンスに掛ける時間の分だけ本来の業務に従事できる以上にメリットとなるのは、交換するパーツの数が減る事による予備パーツ生産時の環境負荷を低減できるという事である。

 

 抜本的な次元とはいかないまでも、製品が製造されれば必ず環境負荷は大なり小なり発生する。

 

 パーツを交換する行為がどうしても必要となってくる製造業界においては、予備パーツの調達コスト、生産時の環境負荷とともに廃棄されたパーツの処理に掛かる諸々も纏めて低減できるのである。

 

 環境に対する意識が叫ばれている昨今はなおのこと大きなメリットとなるのではないだろうか。

 

 日本タングステンが敢えてタングステンという名を持たせず、また今回この製品のみで大々的にブースを出しているという事から同社の自信の程が伺える。

 

 今後も製造業界に新たな変革を巻き起こす製品を第一線で作り続けて欲しいものである。

 

 

(IRUNIVERSE ICHIMURA)

 

 

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