6月のアルミ概況および7月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2100-2400ドル ↓
スクラップ -5~ -10円(前月最終価格より) ↓
為替 133-139円 (一か月間TTM) 円安
■国際概況
前半は在庫の減少が続くなか需給引き締まり懸念が強まったことから買いの手が広がるなどのプラス材料もあったが、5月の米消費者物価指数(CPI)の強気な内容がFRBによる大幅利上げ観測を強めたことでリスク回避の動きが続いたを嫌気しDOWN
6月15日時点で2588ドル(セツル)と月初価格から228ドルDOWNの前半締めとなった。
後半はこれまでの下落の後で修正のための買い戻しが先行したこと、米株式市場の堅調な足取りなどのプラス材料あったが米商品者信頼感指数の弱気な内容や、これを受けた米株安、大幅利上げ継続の姿勢が米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長による議会証言で示されるとの見方などを嫌気しDOWN。
6月末日 現在、後半スタート価格から128ドルDOWNの2452ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
129.93 → 137.68(円)
出典 MIRU
【国内指標】
◆自動車生産台数
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比-16%の39万6433台
輸出は前年同月比-24.5%の18万7391台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-15.8%の19万7530台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,貸家は増加したが,持家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比4.3%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比6.5%の減少となった。
新設住宅着工戸数は 67,193 戸。
・前年同月比 4.3%減, 15か月ぶりの減少。
出典 国土交通省統計
◆ 貿易指標
【輸出】
新地金 -3.1%の126t
2次合金 +37.8%の1718t
スクラップ -9.6%の2万6593t
アルミ缶 -3.2% 6664t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 +7.1% 12万4829t
二次合金 -2.7%の8万9968t
スクラップ +102.3%の605t
合金スクラップ +133.7%の8227t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -1.2% 15万3141t 2カ月連続マイナス
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -12.4% 5万2564t 9カ月連続マイナス
出荷は -13.4% 5万2312t 9か月連続マイナス
出典 日本アルミニウム合金協会
■国内概況まとめ
【自動車】
【自動車生産】
生産動態統計によると5月の自動車生産台数は前年比-16%の39万6433台
輸出は前年同月比-24.5%の18万7391台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると6月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-15.8%の19万7530台
内 乗用車 -14.3%
貨物 -23.5%
バス -50%
【住宅着工戸数】
5月の新設住宅着工は,貸家は増加したが,持家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比4.3%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比6.5%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 67,193 戸。
・前年同月比 4.3%減, 15か月ぶりの減少。
○新設住宅着工床面積は 5,564千㎡。
・前年同月比 4.9%減, 14か月ぶりの減少。
○季節調整済年率換算値では 828千戸。
・前月比 6.5%減, 2か月連続の減少。
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -1.2% 15万3141t 2カ月連続マイナス
板 類 10万2128t +0.0% 7か月ぶりマイナス
押出類 5万1015t -3.6 % 5か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -12.4% 5万2564t 9カ月連続マイナス
出荷は -13.4% 5万2312t 9か月連続マイナス
いまだ回復の道筋の見えない自動車生産につれてアルミ合金需要も足踏みが続いている。
【輸出】
新地金 -3.1%の126t
2次合金 +37.8%の1718t
スクラップ -9.6%の2万6593t
アルミ缶 -3.2% 6664t
【輸入】
新地金 +7.1% 12万4829t
二次合金 -2.7%の8万9968t
スクラップ +102.3%の605t
合金スクラップ +133.7%の8227t
【見通し】
【自動車】
5月の自動車生産が-16%。6月国内販売台数が前年比-16%
6カ月連続生産、販売共に大幅減少! 前月に続き上海のロックダウンによる半導体以外も中国からの部品供給の遅れとのこと 先日一部解除されたため挽回生産に期待!
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -1.2% 15万3141t 2カ月連続マイナス
コロナによる巣篭り需要減少で今後マイナスが続くかの動向に注視
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -12.4% 5万2564t 9カ月連続マイナス
出荷は -13.4% 5万2312t 9か月連続マイナス
いまだ回復の道筋の見えない自動車生産につれてアルミ合金需要も足踏みが続いている。
・アルミ輸出は自動車生産の減少や円安を受けて2次合金が増加
・アルミ輸入は自動車生産減の影響を受けた二次合金以外は増加
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は欧米の金融引き締め策からLME価格が2800-2400ドルと急落したが自動車生産減から売りにくく さりとて入荷も少なそう。
需要面に関しては上海のロックダウン解除の時期が不透明なことからスソ物に関しては需給は緩みそう。上物に関しては巣篭り需要一服から需給が緩みそう
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
① 米欧の金融政策
② 中国の動向【ロックダウン再開中】
① に関しては
米国に続いて英国でも利上げが決定となり、利上げの幅が米国を上回る1.25%だったことやFRB議長やECB総裁のタカ派発言からまだまだ利上げスタンスは続く。
② に関しては
6月1日上海のロックダウンが解除されたものの一部で再開するなど先行き不透明。また季節はずれのインフルが流行するなどロックダウンは続きそう。
これらを踏まえた3月のアルミ価格は 2100―2400ドル(セツル)との予想。
ドル円値は133円~139円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては -5円~―10円程度と予想している。
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