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趙 嘉瑋のふるさと山西省だより 太原鋼鉄(TISCO)見学記その2 製鋼~熱延~スラグ処理まで

 その1「趙 嘉瑋のふるさと山西省だより 太原鋼鉄(TISCO)見学記 その1」からの続き

 

 精錬工程は、各段階の鋼サンプルとスラグサンプルの分析、温度測定により調整制御される。精錬期間中、炭素の酸化物がガス状となって逃げる以外は、他の元素の化合物が固体または液体であり、それぞれスラグ中に浮上するか、溶鋼中に残留する。精錬とは、鉄鋼に有害な一部の元素と化合物を、できるだけ溶鋼から排除し、目的とするステンレス鋼の化学組成に成分調整することである。

 

 AOD精製法はアルゴン酸素脱炭素法(argon oxygen decarburization)の略称である。ステンレス鋼の二次精錬において、溶鋼に標準大気圧で酸素を吹き込みながら不活性ガス(Ar,N2)を吹き込むことにより、CO分圧を低下させて擬似真空効果を得ることにより、鋼中のクロムの酸化を抑制して、低炭素域にいたる脱炭を行うことを特徴とするステンレス鋼の精錬方法である。AOD精錬法の登場で、高効率に炭素の除去が可能となり、安価な高炭素フェロクロムの大量使用による安価なステンレス鋼の大量生産が可能になった。AODはプロセス操作、設備構成及びプロセス設計の各方面で個別の製鋼所ごとに具体的な特殊性を持っている。

 

※AOD炉

 

 取鍋精錬炉であるLF炉(LADLE FURNACE)は、鉄鋼生産における主要な炉外精錬設備である。主な役割は脱硫、温度調節、精密な成分微調整、溶鋼清浄度の改善、造滓である。

 

 太鋼ステンレス鋼縦型連続鋳造機は1985年に完成し、操業を開始した。縦型連続鋳造における鋳造及び鋳片凝固の全工程が垂直状態で行われる鋼の連続鋳造タイプ。このような溶鋼鍋から最初に溶湯を受け取るタンディッシュ、鋳型、二次冷却ゾーン、引抜機、切断設備、スラブの受け入れなどの一連の設備と操作は、垂直な中心線上に配置される。

 タンディッシュから溶鋼を鋳型に注入した後、二次冷却帯でスラブを加速凝固させ、二次冷却帯通過後のピンチロールによる引抜き、切断後、定尺のスラブはダンプバケットに入り、ダンプバケットは鋳片を受け入れた後、水平状態にして搬送ローラーテーブルから搬出する(ピット式鋳造機はホイストが鋳片を床面に引き上げた後、床ローラーテーブルから搬出する)。または、鋼バケットを転倒させて傾斜式クローラコンベアに傾倒させ、クローラコンベアにより鋳片を地上に送り、地上のローラテーブルにより鋳片を搬出するようにしたことを特徴とする。

 

2、太鋼スラグ場

 

 次に訪れたのは太鋼のスラグ場だ。スラグの開発管理は環境基準に準拠したスラグ管理、総合利用と多種経営」の発展の道を歩み、「自己蓄積、自己発展、自己完備」を通じて設備レベルを絶えず高め、産業廃棄物の処理と総合利用レベルを絶えず高めている。88台の大型機械輸送設備を持ち、日量3000tのスラグ処理能力を持ち、太鋼の年産300万トンの特殊鋼建設に堅固な基礎を築いた。そして前後して5000万元を投資し、スラグ処理場の改造を行い、これまでの13本の混合スラグラインを6本の専用スラグ投入ラインに改造し、鉱滓、製鋼スラグを原料とする東山セメント工場、無燃焼レンガ工場を建設した。また、製鋼スラグ混合肥料を開発し、排出スラグの生産を解決するために新しい道を切り開いただけでなく、中国の冶金企業が製鋼スラグを工業化して管理するために、総合的な開発・利用の新しい道を切り開いた、とのこと。

 

※スラグ公園

 

 スラグダストによる太原市市街地の汚染を根治するため、かつての2平方キロメートルの大スラグ山の5分の4を移設した。空いた土地に新しい工場やオフィスビル、学校、公園、社宅などが建設され、貴重な土地資源が有効に開発利用されている。埋め戻し土の代わりに廃棄物を利用し、自作のスラグセメントタイルで周長2500m、高さ13m、頂幅l0mの防塵法面を整備した。内外に10000株余りの植樹と草花の植樹を行い、ゴミを防いで汚染を抑え、環境を美化した。

 

3、焼結工場

 

 次に訪れたのは焼結工場だ。焼結は準備した各種の原料(精鉱、鉱粉、燃料、フラックス、返鉱および鉄を含む生産廃材など)を一定の割合で配合し、混合し、造粒して、要求に合う焼結材を得ることである。焼結材は、点火により炭素の燃焼と鉄鉱物の酸化により高温となり、焼結体中の成分の一部が軟化溶融し、化学反応を起こして一定量の液相を生成し、冷却すると互いに結合して塊となる。

 

※焼結工場

 

4、第二製鋼工場

 

 次は第二製鋼工場だ。第二製鋼工場は太鋼の主要製鋼所であり、製鋼に用いるさまざまな設備を基本的に有しており、かつ技術は国内をリードしている。太鋼が年間生産するステンレス鋼300万トンのうち、第二製鋼工場が約250万トンを占める。現在第二製鋼工場は南と北の2つのエリアに分かれており、両エリアにはそれぞれ2本の生産ラインがあり、それぞれ炭素鋼とステンレス鋼を生産している。南エリアの歴史は古く、40年の歴史がある。北エリアは新たに建設されたステンレス生産ラインで、「新製鋼区」とも呼ばれる。

 

※南エリア4×80t転炉湿式電気システム

 

※南エリアけい素鋼転炉

 

 ステンレスライン:溶銑前処理+電炉→K-OBM転炉→VOD炉→LF炉→角スラブ対応連続鋳造機

 

 炭素鋼ライン:溶銑前処理→転炉吹錬→RH精錬→連続鋳造

 

5、熱間圧延工場2250熱間タンデム圧延ライン

 

 最後に熱間圧延工場2250熱間タンデム圧延ラインを見学した。熱間タンデム圧延には1549と2250の2ラインがあり、年間800万トン以上の鋼板コイルを生産している。うち2250mm熱間タンデム圧延ラインは現在、国内最先端の生産ラインとなっている。太鋼2250mm熱間タンデム圧延生産ラインは太鋼が150万トンステンレス鋼を新設するシステムプロジェクトの重要なプロジェクトであり、2006年6月30日に生産を開始した。この製造ラインは1つ熱間タンデム圧延ライン、1つ平坦化ラインと1つのクロスオーバラインとから構成されている。設計生産規模は年間400万トンで、その中炭素鋼は200万トン、ステンレス鋼は200万トン、最大巻重は40トンである。

 

 熱間圧延作業場は、スラブバンク、加熱炉装入スパン、加熱炉スパン、主圧延スパン、鋼コイルバンク、主電室、ミルロール間などから構成される。

 

 工順:素材→加熱→デスケーリング→粗圧延→テーピング→冷間制御→矯正→縁取り→頭尾切り→熱処理→ 焼入れ→冷間矯正→平らにする→酸洗→磨き上げ、ラッピング

 

※熱間圧延工場2250熱間タンデム圧延ライン

 

 

(趙 嘉瑋 編集:IRUNIVERSE YT&FY&AF)

 

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