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趙 嘉瑋のふるさと山西省だより 太原鋼鉄(TISCO)見学記 その1

 太鋼(山西省の太原鋼鉄TISCO)は一般市民や社会団体に太鋼のことをもっと知り、知ってもらい、社会により良いサービスを提供することを推進するため、毎月1回「市民開放日」活動を組織している。「市民開放日」は事前予約をして、グループで見学する方式で行われる。現在までに数万人近い市民が太鋼に足を踏み入れ、現代工業文明と太鋼のグリーンな発展ぶりを身をもって体験している。この市民開放日に筆者(趙 嘉瑋)は参加した。筆者のふるさとがこの山西省の太原鋼鉄の近くである。

 

1、第一製鋼工場

 

 まず訪れたのは太鋼第一製鋼工場だ。太鋼第一製鋼工場は元第一製鋼工場と元第三製鋼工場からなり、元第三製鋼工場はすべて電気炉でステンレス鋼を製錬していた。太鋼第一製鋼工場は中国初のステンレス鋼生産工場であり、中国で最も長いステンレス鋼生産の歴史を持つ。中国初のステンレス鋼、中国初のステンレス鋼連続鋳造スラブはいずれもこの工場で生産された。中国が独自に改造開発した中国初のAOD精錬炉もこの工場で稼働した。

 

 

 1980年から、太鋼第三製鋼所は製造技術、設備レベルなどの面で急速な発展を遂げた。現在、国際先進水準の45トンAOD精錬炉3基と垂直型連続鋳造機1基が装備されている。2007年に90トンの現代国際先進レベルの省エネ型環境保護型超高出力電気炉を新設して操業を開始し、もとの6基の20トン電気炉をリプレースし、同時期に45トンのLF炉を新設し、太鋼・ステンレス鋼製鋼システムに高エネルギー消費、重度汚染の生産歴から完全に決別させた。

 

※工順:原料→電気炉(EAF)→AOD炉→LF炉→縦型連続鋳造機

 

 アーク炉製鋼法では、原料の前処理、精錬前の予備処理、スクラップ溶解に始まり、酸化精練を経て還元精練に至る一連の作業を行う。電気炉鋼はスクラップを主原料とするが、スクラップの一部(30~70%)を直接還元した海綿鉄で置き換えるアーク炉もある。スクラップを何回も循環して精錬すると、鋼に有害であり、精錬過程で除去できない一部の元素(例えば銅、鉛など)が鋼中に蓄積し含有量が高くなる。海綿鉄はスクラップよりも純度が高いので、混ぜて使うことで有害元素の希釈の役割を果たす。また、合金鋼を精錬する際には、合金スクラップを使用して、高価な合金鉄を節約し、不足分は精錬中に合金鉄で補充する。

 

 前の炉の溶鋼とスラグがきれいに出た後、すぐに浸食されたライニングを補修する。炉内の残留高温を利用して、炉材と元のライニングを一緒に焼結し、熱損失を減らして電気エネルギーを節約できるように、炉の補修動作を速くしなければならない。炉の補修が完了した後、炉蓋を外し、原料かごを使用して炉頂部から炉内に原料を投入する。ニッケル、モリブデン等の難酸化性、難溶融性の合金材をスクラップと同時に投入することができる。

 

 投入原料のカサ密度を制御するための重原料、H2ヘビー、ビレット屑、等は適宜配合し、炉密度は1.6〜2.0t/m^3とすることが好ましい。原料を投入して、炉蓋を閉じた後、電極を原料の近くまで下げて、自動制御位置に入れて、電圧自動制御をオンにし、通電して溶解を開始する。約5~10分で、未溶融の原料を、溶融を開始した「湯溜まり」に溶け込ませて溶融した後、最高電圧に切り替えて、入力変圧器の最大有効電力に達して、原料の溶融を加速する。

 

 アークが溶鋼に接触するまで徐々に降下し、その後、溶鋼面の上昇に伴って引き上げられる。大部分の原料が溶融すると、アークは完全に溶融池の表面に露出する。その際、アークによる炉頂への強い放射に伴う天井耐火物の著しい損耗を減らすために、原料が完全に溶融するまで低い電圧に切り替える必要がある。炉の投入エネルギーの制御は、炉の容量、精錬鋼の種類と精錬技術によって異なる。

 

 投入原料の2/3程度が溶融したところで酸素吹き込みを開始し、残った未溶融原料の均一溶解を促進することができる。酸素圧力は6〜10kg/cm^2である。酸素吹込みは早まってはいけない。さもなければ、生成した金属酸化物、主として酸化クロム、酸化マンガン、等はまだ温度の低い溶融池の上のスラグ中に蓄積し、温度が上昇すると急激な溶融金属中の炭素とスラグ中の金属酸化物との酸化還元反応が起こり、溶鋼中の炭素の酸化、ガス化に伴う爆発的な大沸騰を引き起こし、大事故を引き起こすことになりかねない。

 

 

→その2に続く「趙 嘉瑋のふるさと山西省だより 太原鋼鉄(TISCO)見学記 その2 製鋼~熱延~スラグ処理まで

 

 

(趙 嘉瑋 編集:IRUNIVERSE SUSteam)

 

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