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東京製鐵 12月度契約売出会見 3か月連続全品種 価格据え置き

 小松﨑裕司取締役常務執行役員営業本部長は、11月21日(月)の記者会見にて、足元の国内外のマーケット状況を鑑み、3か月連続全品種据え置くとした。9月契約において2年と5か月ぶりに、コイル類4品種8,000円、カットシート(熱延鋼板・縞鋼板・酸洗鋼板)、角形鋼管及び異形棒鋼をそれぞれ5,000円値下げして、底値を示して以降、同価格を継続している。

 

 今月の据置について小松﨑裕司取締役常務執行役員営業本部長は「足元の国内外のマーケット状況を考慮したことが一つのポイント。付け加えるしたら、エネルギーコストである。これが電力・ガスを併せると、上期は前年同期比で7割上昇、下期は、上期比でも4割〜5割上昇する見込みとなっている。当然、製品の需給環境次第にはなるが、製品への価格転嫁を図りたいところではあるということは付け加えさせていただき、今月は全品種据置きという判断とさせていただきます。」と、説明した。

 

<東京製鐵の基調コメント>

 「海外マーケットにおいては、エネルギー価格の高騰と各国の金融引締め政策による消費減退への不安感から、鋼材の購入意欲は低下した状態が続いており、市況の反転には好材料が乏しい状況です。中国では共産党大会終了後、ゼロコロナ政策の緩和の動きはあるものの、一部地域での感染再拡大を受け、ロックダウンが継続していることから、人流や物流の停滞により、景気回復への期待は先送りとなっています。

 

 然しながら、世界各国の鉄鋼メ-カ-では、更なる収益の悪化から、減産が一段と進んでおり、製品の価格は採算を下回る水準なっていることから、改善に向け、底値を探る動きが出てくると予想されます。今後も鉄鋼需給及び原材料関連の動向を注視してまいります。


  国内マーケットですが、建材品種については、全国的に鉄骨加工及び関連業種では繁忙な状況が継続しており、生産設備やデータセンター等の大型工事案件を中心に、来年度に着工予定の新規引合いも増加傾向にあります。

 

 また土木工事向けの鋼材手配も徐々に進みつつあり、大形サイズを中心にメ-カ-へのロール問い合わせも多くなっています。今後、年末にかけて、来春までの鋼材手配の動きが本格化すること期待されますが、一方で、流通の在庫量に過剰感は無いものの、人手不足による図面作成、施工や加工の進捗遅れもあり、荷動きにはバラつきが生じているため、足元の市況は上伸力に欠ける状況となっています。


  鋼板品種ですが、自動車関連需要において現行は緩やかな回復に留まっており、全国の市中在庫は漸減傾向にあるものの、適正水準までの減少には至っていないことから、国内市況は盛り上がりに欠ける状態が続いております。

 

 一方で、造船、建機、産機、建設等の需要分野は引き続き堅調に推移しており、また、鉄鋼メーカーの供給抑制の姿勢が継続している為、今後の荷動きの増加に伴う需給バランスの改善と製品市況の回復に期待したいと思います。

 以上のような状況の下、今後もエネルギー価格の上昇によるコストアップは避けられない状況にあるため、製品価格への転嫁を図りたいところでありますが、足元の国内外のマーケット状況を考慮し、今月は全品種据置きといたします。


  引き続き、需要に見合った生産を継続し、需給の調整に努めます。」

 

<小松﨑裕司取締役常務執行役員営業本部長追加コメント>

 価格については、全品種据え置く。前月に続いて三か月連続の据え置きとさせていただきました。

 海外は、経済全体の減速感及び先行きの不透明感から、足元、購入意欲が低く、慎重な姿勢が多くみられ、引き合いレベルとしては、低調である。

 

 マーケット価格は、メーカーが継続して販売できる価格を下回ってきていると言えます。その為、各国でもう一段の減産、生産調整の動きとなってきていると思います。

 

 中国にフォーカスすると、8月及び9月と景気対策を見込んだ増産であったと思うが、共産党大会が終わって、どうしても内需が振るわないといったところで、鋼材市況も下がって、結果として収益が悪化し、減産の動きが出てきたと見ている。10月は8,000万トンを割る(7,976万トン:8か月ぶり)生産調整となってきて、世界全般に需要面では好材料が乏しいため、製品市況の潮目の変化には、もうしばらく時間を要すると思われる。

 

 とはいえども、メーカーの減産、それに伴って下値の抵抗感から、マーケットでは底値を探る動きがでてくるのではないかとう風には思っています。引き続き世界の鉄鋼需給の動向を注視していきたいと思っています。

 

 国内の建材については、全国的に一次加工の繁忙状態は継続している。年明け着工の再開発案件の基礎工事及び鋼材手配が進んできていることと、来年着工予定の新規の大型案件の引き合いも、確実に増えてきている状況です。今後とも、全体的にはバランスの取れた需給環境で推移していくと東京製鐵では想定している。H形鋼のロール状況については、1月ロールは目途が立っております。

 

 鋼板関係については、自動車の生産、サプライチェーンの問題がまだ収まっていないこともあって総じて、足元では緩やかな回復に留まっている。ただ、造船、建機、産機は堅調に推移しており、自動車中心のもう一段の拡幅が必要と思っていますが、今後の需給バランス及び市況の好転に期待しております。

 

 現行の海外市況の停滞感から、輸入鋼材の安値オファーが増加傾向にあります。為替レートによっても変わるところもあると思うが、継続性の有無を含めて動向は注視したいと思っています。

 

 足元の国内外のマーケット状況を考慮したことが一つのポイント。付け加えるしたら、エネルギーコスト。これが電力・ガスを併せると、上期は前年同期比で7割上昇、下期は、上期比でも4割〜5割上昇する見込みとなっている。当然、製品の需給環境次第にはなるが、製品への価格転嫁を図りたいところではあるということは付け加えさせていただき、今月は、全品種据置きという判断とさせていただきます。

 

<H形鋼とホットコイルの販売価格推移比較>

 2022年9月契約において、コイル4品種(ホットコイル・縞コイル・酸洗コイル・溶融亜鉛コイル)を、8,000円の値下げ、カットシート(熱延鋼板・縞鋼板・酸洗鋼板)、角形鋼管及び異形棒鋼は5,000円値下げとし、12月契約も、引き続き全品種据え置くとした。

 

 2022年5月契約において、異形棒鋼が10万2,000円となったことで、全品種10万円超えとなったが、9月契約の5,000円の値下げにより、9万7,000円と10万円を再び割った。 全品種の10万円超えは、2008年9月契約で異形棒鋼が10万をつけた時以来であった。

 

図1 H形鋼とホットコイルの販売価格推移比較

 

 図1に示すように、2021年5月契約において16年振りにホットコイル販価がH形鋼を上回る逆転現象が発生したが、その6か月後の2021年11月に戻した。2022年4月契約の値上げにより、H形鋼(12万1千円)とホットコイル(12万円)との販売価格差は、再び1千円に縮まった。 2022年9月に、2020年4月(2年と5か月ぶり)以来の値下げを実施したことにより、販売価格差は再び、9,000円差となった。12月も販価差9,000円を継続した。

 

12月契約の品種別販売価格(O/T NET ベース価格)トン当たり円

<品種別販売価格>

全品種販価据置

  H形鋼=12万4,000円

  縞H形鋼=13万4,000円

  I形鋼=12万5,000円

  溝形鋼=12万円

  角形鋼管=12万8,000円 (2022年9月契約にて5,000円値下げ)

  U形鋼矢板=13万6,000円

  異形棒鋼=9万7,000円(2022年9月契約にて5,000円値下げ)

  厚 板=12万8,000円

  ホットコイル=11万5,000円(2022年9月契約にて8,000円値下げ)

  縞コイル=11万8,000円(2022年9月契約にて8,000円値下げ)

  酸洗コイル=12万円5,000円(2022年9月契約にて8,000円値下げ)

  溶融亜鉛メッキコイル=14万4,000円(2022年9月契約にて8,000円値下げ)

  熱延鋼板12万2,000円(2022年9月契約にて5,000円値下げ)

  縞鋼板=12万5,000円(2022年9月契約にて5,000円値下げ)

     酸洗鋼板=13万4,000円(2022年9月契約にて5,000円値下げ)

   [申込締切日:11月24日(木)12時まで]

  

<輸出環境>

 輸出の環境は、現在成約済みのものが、ホットコイルでFOB 590ドル~671ドル。H形鋼がFOB 810ドル~820ドル。ともに前月比60ドルダウン。

 

<生産量について>需要に見合った生産体制を継続

 12月の予定:全体として27万5千トン(前月比1万トン減)。H形鋼が10万トン(前月比1万トン減)、ホットコイルが12万トン(前月比5千トン減)[内 輸出は3万トン(前月比同量)]、厚板4万トン(前月比5千トン増)

 

 岡山工場は2015年4月に岡山の熱延ラインを止めた。その後は、田原工場から母材を岡山工場に送って、酸洗と溶融亜鉛メッキコイルを製造していた。岡山工場が12月に動き始めれば、母材を岡山工場で製造することとなるので、サービス向上、コスト競争力の改善が図れる。

 

物件価格及び在庫販売価格について

下記の価格で11月21日午後より販売

価格はいずれも建値と同額

H形鋼 12万4,000円

異形棒鋼  9万7,000円

厚板 12万8,000円

 

<11月初旬の中国市況を振り返る>

 上海ホット先物3500元割れ。中国の鉄鋼メーカーの国内販売価格及び輸出価格に影響力を持つ上海先物市場の熱延コイル取引価格(来年1月限定)が31日、2020年5月以来となるトン当たり3500元(約480ドル)を割り込んだ。共産党大会開幕後、早期の景気回復は期待し難いという失望売りが広まった。実際の販価は、増値税、海上運賃(フレート)が加わるが、中国勢がホット輸出でCFR500ドル台半ばでのオファー攻勢を続ける可能性が高まった。

 

国内鉄スクラップ(特級)購入価格について

 田原工場のスクラップ購入価格は、2022年1月は53,000円台からスタートし、2022年度は更に高値の65,000円台からのスタートとなった。2月の10日から2回、3月に5回、4月13日までに2回と約2か月間に田原の建値で計9回、トータル12,000円値上げが実施され、4月19日に65,500円とピークを示した。その後、5月14日より値下げに転じた。7月は8回の値下げを実施し、7月29日を底値に8月に岡山工場(海上)、九州工場及び宇都宮工場で値上げに転じ、9月下旬から値戻しとなっている。

鉄スクラップ(特級 H2)価格の変化    単位:円

 

<10月17日以降のスクラップ価格の値動き>

 東京製鐵、各工場の価格変動を下記に示す。10 月19日は、円安が進んだことで、500円の値上げとなったが、その後、値下げを継続した。

・田原工場(海上・陸上)のスクラップ調達価格は、1回(10月19日)500円値上げ、4回(11月10日、12日、16日及び18日)2,500円値下げトータル2,000円の値下げが実施され、海上47,000 円/トン 陸上 47,000円/トンとなった。

・岡山工場のスクラップ調達価格は、1回(10月19日)500円値上げ、6回(11月2日、8日、10日、12日、16日及び18日)3,000円値下げトータル2,500円の値下げが実施され、海上47,000 円/トン 陸上 47,000円/トンとなった。

・九州工場のスクラップ調達価格は、1回(10月19日)500円値上げ、6回(11月2日、8日、10日、12日、16日及び18日)3,000円値下げトータル2,500円の値下げが実施され、海上47,000 円/トン 陸上 47,000円/トンとなった。

・宇都宮工場(陸上)のスクラップ調達価格は、1回(10月19日)500円値上げ、5回(11月2日、10日、12日、16日及び18日)2,500円値下げトータル2,000円の値下げが実施され、47,500円/トンとなった。

・高松工場(陸上)のスクラップ調達価格は、1回(10月19日)500円値上げ、2回(11月16日及び18日)1,000円値下げトータル500円の値下げが実施され、46,000円/トンとなった。

 

<小松﨑裕司営業副本部長による鉄スクラップ価格への補足説明>

 海外の軟調な製品相場、それに伴う減産の動きから、日本からのスクラップ輸出可能な地域が限定的となってきている。そのような中で、国内のスクラップ価格が海外市況に比べ、まだ、割高感がある。ゆえに、もう少し下げ余地があると見ているが、大きく下がることは想定していない。

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

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