1月の銅の概況及び2月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 8000-9500ドル ↓
建値 109万-132万円 ↓
為替 130~135円 (1か月間TTM) 円安
■国際概況
前半強気な米雇用統計とこれを受けた米金融引き締め政策の長期化観測などのマイナス材料もあったが2月の米雇用統計は強気な内容ながら、平均時給が事前予想を下回る伸びにとどまりインフレ懸念が和らいだこと、2月の米利上げ見送り観測を受けてのドル安を好感しUP
1月15日時点で9107ドル(セツル)と月初価格より717ドルUPの締め。後半はFOMCなど重要イベント控えてのドル高などのマイナス材料あったが米弱気経済指標を受けた利上げペース縮小観測を好感しUP
月末日 後半スタート価格から82ドルUPの9227ドル。
2月スタート建値は126万円。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
133.70 → 131.47(円)
出典 MIRU
【国内指標】
◆自動車生産台数
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比-1.3%の66万1012台
輸出は前年同月比-5.8%の33万4092台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+10.8%の22万9497台
自動車生産台数
自動車販売台数推移
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,貸家及び分譲住宅は増加したが,持家が減少したため,全体で前年同月比1.7%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比0.5%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 67,249 戸。
・前年同月比 1.7%減, 3か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,328千㎡。
・前年同月比 6.6%減, 4か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 846千戸。
・前月比 0.5%増, 先月の減少から再びの増加。
◆貿易関連指標
2022年12月の日本からの銅スクラップ輸出量は2万7,967トンだった。前年同月比4.4%減少し、2か月ぶりにマイナスに戻した。前月は、5か月ぶりに3万トンを超えたが、再び戻している。それでも、2022年1年間、3万トン手前で毎月安定した量で推移していた。
日本からの銅スクラップ輸出は、輸出量全体の4分の3近くを中国向けだった。これは、前年の6割弱から大きく割合を拡大させている。また、輸出量2位のマレーシア向けの輸出量は、全体の12.7%を占めた。ただ、こちらは、2年前の32.1%、前年の23.7%と年々割合を縮小させている。
【輸出】
電気銅 +12.2%の5万372t
スクラップ -4.4%の2万7967t
輸出推移
【輸入】
電気銅 -95.7%の28t
スクラップ +2.5%の1万665t
輸入推移
■前月の国内指標
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量の速報値は5万6,170トン、4か月ぶりに6万トンを割った。また前年同月比10.2%減少し、12か月連続のマイナスとなった。2019年20年以来の長期減速となった。
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
前年比-3.9%の5万5582t
うち 国内-3.1% 輸出が -39.8%
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると12月の自動車生産台数は前年比-1.3%の66万1012台
輸出は前年同月比-5.8%の33万4092台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると1月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+10.8%の22万9497台
内 乗用車 +11.2%
貨物 +8%
バス +16.7%
【住宅着工戸数】
12月の新設住宅着工は,貸家及び分譲住宅は増加したが,持家が減少したため,全体で前年同月比1.7%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比0.5%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 67,249 戸。
・前年同月比 1.7%減, 3か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,328千㎡。
・前年同月比 6.6%減, 4か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 846千戸。
・前月比 0.5%増, 先月の減少から再びの増加。
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量の速報値は5万6,170トン、4か月ぶりに6万トンを割った。また前年同月比10.2%減少し、12か月連続のマイナスとなった。2019年20年以来の長期減速となった。
12月の伸銅品は、14品目中10品目において前年同月実績を下回った。
伸銅品を取り巻く需要概況は、マイナス面に大きな変化がなく、スマートフォン、IT関連、家電関係向けが減速したままである。特に中国国内の需要回復の兆しが見えてこない。また、ここに来て設備投資の先送りなどから、半導体製造装置向けなどの需要が減速してきた。
プラス面では、自動車関連の部品在庫の消化が進んでおり、ここからの需要増加を期待している。また部品の滞りが減り、建設など大型物件の再開が進んでいる。関連する伸銅品の需要が見えてきた。
銅条
同比4ヶ月連続マイナス。12月の数量としては8番目に多い量で悪くない。アジアを中心にデジタル家電やスマートフォン、IT、民生用向けの需要が悪化継続中。車載向けの需要は引き続き好調である。端子コネクタの在庫消化も進んでいる。中国は、旧正月に入ったが、ここまで需要回復が鈍い。正月明けの中国国内生産の再開時に、需要が回復することを期待している。
黄銅棒
同比12ヶ月連続マイナス。ガス機器、バルブの部品在庫調整が続くが、大型物件再開が今後のプラス要因として期待されている
【電線】
前年比-0.9%の5万3300t
うち 国内-11.9% 輸出が +263.8%
銅
【輸出】
電気銅 +12.2%の5万372t
スクラップ -4.4%の2万7967t
【輸入】
電気銅 -95.7%の28t
スクラップ +2.5%の1万665t
【見通し】
【自動車】
12月の自動車生産が-1.3%。1月国内販売台数が前年比+10.8%
生産が下げ止まりつつあり、それに伴い販売が回復の兆しあり今後に期待
【伸銅品生産】
12月伸銅品生産量の速報値は5万6,170トン、4か月ぶりに6万トンを割った。また前年同月比10.2%減少し、12か月連続のマイナスとなった。2019年20年以来の長期減速となった。
自動車関連の部品在庫の消化が進んでおり、ここからの需要増加を期待している。また部品の滞りが減り、建設など大型物件の再開が進んでいる。関連する伸銅品の需要が見えてきた。
【電線】
前年比-0.9%の5万3300t
うち 国内-11.9% 輸出が +263.8%
輸出が大幅増 今後に期待!
【銅輸出入】
2022年12月の日本からの銅スクラップ輸出量は2万7,967トンだった。前年同月比4.4%減少し、2か月ぶりにマイナスに戻した。前月は、5か月ぶりに3万トンを超えたが、再び戻している。それでも、2022年1年間、3万トン手前で毎月安定した量で推移していた。
日本からの銅スクラップ輸出は、輸出量全体の4分の3近くを中国向けだった。これは、前年の6割弱から大きく割合を拡大させている。また、輸出量2位のマレーシア向けの輸出量は、全体の12.7%を占めた。ただ、こちらは、2年前の32.1%、前年の23.7%と年々割合を縮小させている。
【スクラップ景況予想】
流通【一次問屋】在庫は今月銅建値が114万から一時127万と上昇したこと。
米FRB利上げによる下落警戒感や年末要因から2月は在庫薄
需要面に関して世界的なコロナ規制の緩和に伴う需要、生産の大幅回復に伴い重要は急増するものと思われる。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1、米の金融政策
2、 米中関係の動向
1、に関しては
米の金融政策に関しては年末からFRBの利上げ緩和観測が台頭し直近の利上げも0.25だったが1月の米雇用統計は雇用者数が市場予想を大きく上回って伸びた。失業率も半世紀ぶりの水準に低下し、FRBが「ハト派」に転換するとの期待が薄れた為今後も引き締めが続くのではないか
2、に関して
米国上空を浮遊していた気球問題で中国側が自国のモノと認めたことや米国側もブリンケン氏の訪中を取りやめでなく延期としたことから 双方 衝突は望んでないとの認識
ただ気球解析の結果 軍事偵察であれば 悪化は避けられない
これらを踏まえた2月の銅価格は 8000-9500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は130円~135円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては109万-132万円程度と予測している。
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