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原油、減産で急伸 どこまで上がる? インフレ再び? アナリストの見方

 4月3日のニューヨーク市場で原油先物相場は大幅反発し、終値で1バレル=80.42ドルと3月6日以来ほぼ1ヶ月ぶりに80ドル台に乗せた。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国で作る「OPECプラス」が4月2日に減産を発表したことが引き金となった。上昇トレンドは続くのか、一時的なのか、また世界的景気への影響はどのようなものか、さまざまな見方が出ている。

 

■NY原油、1日で6%上昇

過去3か月間のNY原油価格

 

 NY原油価格の2日終値は75.67ドルだったことから、3日は1日で6.3%も上昇したことになる。3月の原油相場は弱含み、中旬には一時60ドル台まで落ちていた。直近安値からの上昇率は20%に達する。

 急伸の背景には、「減産規模が比較的大きい」(中国ネットメディアの生意社の4日報道)との受け止めがある。大口のサウジアラビアの減産規模は5月から2023年にかけて日産50万バレル程度と発表された。ロイター通信がこれをもとに試算したところ、他国も合わせて合計115万バレル程度になるようだ。

 金融アナリストの川上敦氏が4日にIR universe の取材に答えたところでは、減産自体は「サウジアラビアの財政均衛原油価格が66ドル程度まで落ちていたとみられ、原油価格つり上げのための減産は提案されてもおかしくなかった」という。しかし、減産規模は「100万を超えると大きい」(生意社)との見方が多く、驚きにつながった。

 

■インフレ再燃か落ち着きか

 原油相場の先行きについては見方が分かれる。生意社は「減産が決まった以上、価格が一段高となるのは致し方ない」との見方を伝えた。ただ、中長期で見ると原油相場は2022年3月に終値で123ドル台に乗せた後は落ち着いており、1年前の水準まで戻すかどうかには懐疑的な声も多い。

 

過去3年間のNY原油価格(終値、US$/Barre)

 

 川上氏は、「2023年から2024年は米欧含め世界全体は景気減速予想が主流」と話す。川上氏は4月2日に開いたオンラインセミナーでも「2023年の原油需給は基本的に余剰」と指摘。「天然資源株の動向を見ても、資源に期待が集まっている状況ではない」と話した。

 また、日本総研も3月下旬の公開レポートで、「各国の金融引き締めにより景気減速が意識されやすい」とした。足元ではクレディ・スイス問題などの金融不安も根強い。日本総研は中国需要の回復などは原油相場の押上要因になるとして、原油価格について「当面は80ドル前後で推移しそうだ」と予想していた。

 

■原油高=インフレとも限らない

 さらに、原油高がインフレに直結するとも限らない。川上氏は、「原油価格が2022年のように120ドル超まで上昇するなら別だが、90ドルを上限とするなら、物価上昇率は横ばい程度に収れんする。インフレ率が10%台をキープするようなシナリオの可能性は現時点では低いと考えている」と話した。

 

 

(IRuniverse Kure)

 

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