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小型家電リサイクル×韓国・中国の家電リサイクル×メタル相場動向

2013.03.21 23:59

 3月18日、新橋のSSKセミナールームにて、新社会システム総合研究所が主催する、環境&エネルギー戦略特別セミナー「小型家電リサイクルをどうビジネスに取り組むのか」が行われた。会場では、環境省、学者、ジャーナル、それぞれの立場から小型家電リサイクルにまつわる講演が行われた。以下はその簡単な概要である。

 

小型家電リサイクル法について
講師 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 企画課リサイクル推進室 
室長補佐 鍋谷芳比呂氏

写真 鍋谷氏は小型家電リサイクル法の基本概要について説明した。 
 一年間で発生する使用済み小型家電機器は65.1万トンであり、そのうち有用金属は27.9トン。金額換算すると844億円となる。しかし廃棄物として処理している使用済み小型家電機器からは十分な資源回収がなされていない。使用済み製品のうちリサイクルが積極的におこなわれているのは大型家電、自動車、パソコン、蓄電池、コピー機等の再資源化率は7~9割。他方でそれら以外は、鉄、アルミニウムなど一部の金属を除き、埋め立て処分されているのが現状。小型家電リサイクル法は、これらのリサイクルを円滑におこなうための法律だ。
 この法律では、小型家電の再資源化事業を行うものが再資源化計画を作成して、主務大臣に提出することで、認定事業者となることができる。認定事業者となると、産業廃棄物処理業の許可が不要となり、認定事業者と、委託を受けた中間処理業者は、小型家電の回収を行うことができる。ただし、再資源化計画には、記載事項として、使用済み小型電子機器(小型家電)の引き取りから処分までの一連の工程が明らかであること(委託の委託はNG)。密閉型蓄電池等の技術的かつ経済的に可能な範囲で回収し、その処理を自ら行うか、適正処理可能な者に引き渡すこと。鉄、アルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、プラスチックを売却可能なレベルまで高度に分別し、再資源化、熱回収または安定化を自ら実施、または適正に実施し得る業者に引き渡すこと、等がある。
 法律では、市長村が市民から回収したものを認定事業者や委託業者が引き取る。金属精錬までは認定事業者の範囲。その時は、小型家電を引きとって基板などを製錬することになるのだが、自ら行うか委託するか。ということになる。中間処理業者が再委託することは禁止されている。委託された社は収集運搬の処分には産廃許可証は不要だが、処理施設は必要となる。逆に廃棄物処理業者となって、措置命令の対象となる。また、委託事業者からの再委託は禁止。全部契約をして、事業計画に記載していただく。同時に認定事業者になると市町村からの引き取りの義務が生じる。国の役割は、再資源化事業計画の認定や助言を行うこと。また、違反のときは資格の取り消しをおこなうこと。

 法律は強制ではなく任意のものであり、現在参加の意思を示しているのは33.8%で、人口カバー率では44.4%が制度参加を前向きに検討しており、各都道府県ではモデル事業がはじまっている。現在は市町村と認定事業実施希望者との調整が開始されており、4月1日の施行日から認定事業者の申請応募がはじまり、三ヶ月に動き出すというイメージでみている。と語った。

 質疑応答では、認定事業者が市町村を通さずに消費者から直接回収は可能か。例えば宅配や直接訪問しての回収は可能なのか? という質問が寄せられた。鍋谷氏は法律上では宅配等による回収は可能だが、市町村からの回収が基本で、それを補う形で認定事業者や委託業者が回収を行うべきと回答。また、宅配業者から委託されての搬送は(委託からの委託となるので)できないと答えた。


中国・韓国の都市鉱山ビジネスと、日本の小型家電リサイクルの課題
講師 東北大学 劉庭秀氏

写真 劉氏は、はじめに中国と韓国のリサイクル事業の現状について解説した。
 アジア諸国では、都市鉱山への関心は増加しており、関連政策の設備、新規プロジェクトが起こっている。中国は都市鉱山事業へ積極的に取り組んでおり、現時点では地元の国営企業が中心になって、土地取得、設備の導入をおこなっており、外国からの融資や設備投資をおこなっているが、本格稼働からはほど遠い状況で、政府からの補助金支援がいつまで続くのか、数年後に自立した運営ができるのかが大きな課題。国営企業や大手民間企業の連携だけでは、長期的な成果が得られない可能性がある。
 一方、韓国では08年に資源循環法(電気・電子製品および自動車の資源循環に関する法律)を施行し、「資源循環センター」では、いわゆる社会的弱者である身体に障害を持つ労働者や高齢者を優先雇用して、中間処理をおこない、収益は全額、ソウル市が指定する社会貢献・奉仕及び寄付団体に寄付するという、社会的企業を設立。09年12月までの使用済み小型家電の回収目標は150万台だったが、目標をはるかに上回る220万台が集まった、と解説した。
 最後に劉氏は、日本の小型家電リサイクルの実態について、山形県酒田市の実態調査を基に説明した。埋め立てゴミの中に含まれる小型家電の成分を分析すると、全体の21.29%で、「鉄」、「ガラス・ビン・せともの」を加えると70.85%がリサイクル可能なものだという分析になり、実験で排出された小型家電の素材構成重量は鉄とプラスチックが多くを占める結果となった。
 環境省データでは、中間処理段階で採算が取れるという試算だが、酒田市粗大ごみ解体調査による実態分析によると、基板等がある高品位の割合の小型家電は1%以下。「手解体→シュレッダー→売却」のルートが好ましいが、中間処理業者の実態のデータから分析するに採算確保は難しいとみており、人件費にかかわる費用がもっとも採算性に影響を及ぼすと見ており、同時に高品位の小型家電を集中的に集めることが、全体の収支バランスに貢献すると考えている。

 劉氏は、小型家電リサイクル法は誰にも義務が発生しない任意の制度のため、ガイドライン程度の実行に留まってしまうのではないかと懸念しており、リサイクルシステムの運用・確立、ビジネスとしての可能性を探るためには、市民・民間企業等の理解協力が不可欠で、分別・収集・運搬・中間処理・再資源化のルールと方法については地域性を考慮すべきだ。地域全体で制度に対するコンセンサスを得られるように、廃棄物政策は環境政策、産業政策、雇用政策等との複合的展開の一つと位置づける必要があると語った。

 質疑応答では、人件費の話題から、中国の今後についての質問が寄せられたのに対し、劉氏は、今後4~5年で、中国国内でリサイクルに回る自動車や家電が大量に出るため、日本から中国に流れているスクラップの輸出も、いずれは減少する方向になるのではないか、と回答した。


2013年のレアメタル、レアアースの動向と小型家電系スクラップ市場現況
講師 IRuniverse 株式会社 代表取締役社長 棚町裕次氏

写真 棚町氏は、ベースメタル、レアメタル、レアアース、プレシャスメタル、E-Wasteのマーケット概況について解説し、各種メタルの価値の近未来予想をおこない小型家電リサイクルとメタル相場のかかわりについて解説した。
 銅相場に関しては、中国の需要は引き続き増加するのだが、地金の輸入は減り、逆に銅地金輸出の増加がLME銅在庫を増加させるとし、今年は2年振りの供給過剰になる。

 ニッケルも順調に在庫が増えており、相場が下がっているが、今の16000ドル台がボトムではないかと分析し、仮に価格が下がりそうになれば中国でニッケル銑鉄の減産がはじまるだろう。
 アルミ新地金の供給過剰は相変わらずだが、LMEの在庫が投機対象になっているためにプレミアムだけは高いという歪な状況が続いている。しかしLMEが香港取引所主導に変われば、在庫の出荷遅滞は改善されていくものだと思われる。一方、アルミ合金は世界的な自動車需要の増加から、スクラップのタイト感は強く、国内のアルミスクラップ相場は年初から40~50円程上がっている。国内の自動車生産が1000万台維持できれば、アルミ合金需要はキープできるのではないかと分析している。
 鉛は伝統的なバッテリーの需要増に加え、世界的なバッテリースクラップ減、亜鉛は新規鉱山開発がない一方で、めっき用などの伝統的な需要が増加しており、2014年から相場上昇、錫はコンゴからの輸出規制、インドネシアの輸出コントロールの影響でLME錫で23000ドル以上で推移しており、今後LMEマーケットの主役となるのは鉛、亜鉛、錫になるだろう、と語った。

 また、プレシャスメタルの、プラチナは南アフリカの鉱山労働者の問題や大手の撤退によって供給減となり、その一方で新興国や中国では環境規制強化で、需要は増加。パラジウムは、最大の輸出国であるロシアでの備蓄強化のための輸出規制により、一定の相場をキープ、金は米のQEが続く限りはオンス1500ドル以上が続き、銀も同様で26~30ドルのレンジで続くものと思われる。

 一方、レアメタルは、タングステンが、ロシアの備蓄強化で2月中旬から上昇、タンタルも豪州のTa鉱山がいまだ閉山中で、コンゴのタンタルはコンフリクト指定されているため、鉱石が供給不足となっていることから、電子材メーカーはタンタルスクラップの買いに走っているため強含み。チタン、コバルトは弱含んでおり、レアアースは2011年の夏のピーク時から相場が大幅ダウンしており、このレアアース不況は、今年いっぱい続く見込み。と見ている。
 これらの概況を踏まえて小型家電リサイクルのメリットについて考えた時に、E-waste(廃電子電気機器)からのレアメタル回収にはコストがかかり、その割には集まらないため、ベースメタルの市場と比較した時に市場価値は大きくない。レアアースの場合は、もしも備蓄が必要であると考えるのであれば、今の相場であれば1000億円あれば2-3年分の備蓄は可能だ、と語った。

 リサイクル市場については、2000年以前のスクラップは逆有償のものが多かったが、05年以降は樹脂も含めて有価となっている。現状でいうとリユース・リサイクルの市場が発達しているので、法律が介入することで、かえってリサイクル市場を潰してしまうのではないかと懸念している。法律でルートを作っても、経済原則に合わないと意味がない。リサイクル業者の中には、認定事業者になること自体のメリットは見込めないので、委託業者としてフリーで動く方がいいと考えている。この法律が成立するかどうかは、小型家電の量をいかに確保するかどうかにかかっている。バーゼル法の改正による雑品の輸出規制も含めて、経済原則で市場を健全化するべきではないか、と語った。

(IRUNIV 千野政史)
 
 

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