日本ものづくりワールド2023が開催 今年は航空部門ブース少なく
22日、東京ビックサイトで「日本ものづくりワールド2023」が開催された。期間は6月21日~6月23日。
毎年恒例となっているこの展示会は、大小さまざまな加工業や製造業の出展が見られるものである。
かつて大規模を誇った「航空ブース」が縮小…
この展示会は、以前私が参加したここ数年で見ると、日本企業の航空機製造への参入が相次ぎ、多くの加工、製造業が出展する際に「航空」という文字が躍ったように記憶している。
しかし、今年は、出展ブースの航空産業のブースが少なく、多くは「加工」や「医療」などのブースが多くを占めた。
IRUNIVERSEの記事でも書いたことがあるが、製造機械メーカーも、コロナショック下のここ数年と、コロナショック明けの現在の航空機メーカーの状況から、いわゆる「脱航空機製造」という動きも見られた。
その背景には、やはり、直近の「航空バブル」とも言えた、2015年と比べると、現在は航空需要が回復しているとはいえ、2015年レベルにはほど遠いという。
次の注目産業は「宇宙」か?
変わって、最近のこの展示会であまり見られなかったものが見られた。「クロニクス株式会社」のブースで展示されていた、多くの海外メーカーの半導体である。
同社は、海外から半導体輸入を目的とした商社で、フランスやイスラエル製の半導体を展示していたが、これらの半導体は「人工衛星」などに使われるものだという。
これらの半導体は、一般用途の半導体に比べると、宇宙空間で使われることを想定しているため、いわゆる「放射線に強い」仕様になっているという。
ブース担当者は
「このような商品は、国内のロケットメーカーなどに販売している。ロケットメーカーなどの、ロケットを飛ばすための関連企業は、日本国内でも徐々にだが、増えてきている。」と話す。
今年4月。国産日の丸ジェットとして、2015年に初飛行(試験飛行)を遂げた、「スペースジェット」(旧MRJ)の開発を続けていた、三菱航空機が、社名変更で「MSJ資産管理株式会社」となった。三菱航空機のHPは閉鎖され、航空ファンと日本の製造業に大きな期待を寄せた一大事業は、事実上の実現されぬままの「撤退」となったと騒がれている。
大きなインパクトとなったが、現在でも、航空機メーカーに部品供給をしている日本企業が多いのも事実である。
日本の企業が再び国産の航空機製造に着手する日が来るまで、今なお航空機メーカーに部品供給を続けている企業が、また国産航空機の開発に携われるかが注目される。
(IRUNIVERSE Hatayama)
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