中国、資源製品の値下がり顕著 6月の卸売物価、下落率は7年半ぶり大きさ
中国国家統計局が7月10日に発表した2023年6月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比5.4%低下と、低下率は2015年12月以来、およそ7年半ぶりの大きさだった。中でもエネルギーや金属といった資源関連の製品値下がりが顕著で、景気停滞による資源製品の需要不足が深刻化している様子がうかがえる。
6月のPPIを詳しく見ると、生産物のうち、採掘業の出荷価格は前年同月比16.2%低下した。業種別では、石炭の採掘業が19.3%、原油・天然ガス業が25.6%それぞれ値下がりしたのをはじめ、金属関連の採掘業も鉄鋼が13.9%低下。非鉄金属は2.8%、金属外鉱物は1.0%値上がりしたものの、上昇率はわずかにとどまった。加工業では、石油・石炭・燃料加工が20.1%、鉄製錬が16.0%の製品値下がり。採掘では価格上昇を保った非鉄金属も7.2%、金属製品が4.3%の低下だった。金属外鉱物の加工品出荷価格は6.4%低下した。
中国の6月の業種別PPI
注:数字は左から、前月比、前年同月比、1-6月累計の前年同期比伸び率。単位はすべて%
(出典: 中国国家統計局)
中国では製造業の不振が続く。国家統計局が6月30日に発表した製造業景況感指数(PMI)は49.0と、3ヶ月連続で好不況の境目となる50を下回った。6月下旬発表の1~5月の主要工業企業利益も前年同期比18.8%の減少だった。足元ではレアアース企業の業績悪化なども伝わる。
PPIと同時に発表の中国の6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.0%の上昇で、デフレの恐れも強まっている。中国当局は7月13日に6月の貿易統計、17日に2023年4~6月期の実質国内総生産(GDP)と6月の主要経済指標を発表する予定。
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(IR Universe Kure)
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