ニオブ市場近況 2023年9月:変わらずの好調維持の気配
今回の記事では9月中旬週におけるニオブ市場の値動きを追いかけていく事とする。
中国市場においては、以前もタンタルのレポートで記載した事もある通りニオブに関しては負け知らずの展開が続いているといっていい。
中国における酸化ニオブ(99.5%min EXW)においてはRMBB332-337/kg(USD46.3-47.0/kg)となっており、こちらは先月から値下げの傾向が全く見えない値動きだ。
フェロニオブに関しては60%min EXW ChinaがRMB270,000-275,000/t(USD35.1-35.8/kg)とこちらも段階的な上昇を続けており、Brazilian ferroniobium 66% EXW China(ブラジル産のフェロニオブ)に関してはRMB229,000-239,000/t(USD31.9-33.3/kg)で需給が安定している状態だ。
五酸化ニオブ(Nb2o5 99.5% $/kg)3ヶ月の値動き
フェロニオブ(Nb66%, Si3% max $/kg)3ヶ月の値動き
一方で海外市場に目を向けてみれば、ヨーロッパ産フェロニオブ(66%min)に僅かな価格上昇の傾向が見られている。
ヨーロッパ産フェロニオブ(66%min)はUSD46.0-47.0/kgという値動きでとどまっており、前回のタンタルレポートの際の値段がUSD45.5‑46.5/kgであった事を鑑みると徐々にであるが値が上がっている状況だ。
とはいえサプライヤーも市場の安定感を嗅ぎ取ったのか、即座に降ろすべきではないと判断し値動きが控え目になっているという見方も出ているl
全体的なニオブの市場動向については中国国内における加熱がまだまだ止まらないという状況になりつつある。
(IRUniverse Ryuji Ichimura)
関連記事
- 2024/03/11 タンタル市場近況 2024年3月:上昇基調も実需いまひとつで失速近い?RMIとITSCIの主導権争い
- 2024/01/19 ニオブ市場近況 2024#1 鉄鋼向け安定、電池向け増
- 2024/01/12 TIC(タンタル・ニオブ国際研究センター)第65回総会は2024年9月東京で開催
- 2024/01/08 国城鉱業公司はリチウム、ニオブ、タンタル、ベリリウム、スズを含む年間100万トンの採掘許可を取得した
- 2023/12/15 【年末企画・バナジウム】 2023年の回顧と2024年見通し 中国次第だが低迷続く
- 2023/12/07 ニオブ市場近況 2023年12月:市場冷え込みを知らせる黄色信号
- 2023/11/06 ニオブ市場近況 2023年11月:好調は在庫払底のアラートか
- 2023/10/27 ニオブ市場近況 2023年10月:好調は在庫払底のアラートか
- 2023/09/16 中国の重要鉱物37種にも含まれているタンタル、ニオブ その資源特性
- 2023/09/15 第64回 TIC総会 リオデジャネイロで開催 コロンバイトの上昇