㈱クラウンG秋展・日本発石灰石を主原料とする新素材LIMEXのインパクト
さいたま市のスーパーアリーナで9月12日に㈱クラウングループが開催したオータムフェアーへ生活周辺の製品メーカーが、新商品を展示し生活周辺に及ぶSDGの波を見た。キーワードは震災対応商品、避難生活に必要な商品、先端的な文具用品、SDGsを意識した生活周辺用機器などを70社が展示して会場は熱気に包まれた。
セミナー会場では、①花王は災害時に備える清潔情報で、災害時の準備と避難生活中の清潔な環境を維持するアイデア商品なども説明し、災害多発時代の生活支援の新商品を提案した。②㈱TBM(TBM Co., Ltd)は、石灰石を使って紙やプラスチックの代替となる日本独自の素材を開発し、これにより新たな機能を有する製品が開発されている。新たな機能で最大の機能はプラスチックの使用量やCO2などの温室効果ガスの排出量の削減ができる環境性能で、既に各種の分野で新素材LIMEXが使用されている。
これまで国内のプラスチックのリサイクルでは、日本のプラスチック排出量の約6割が“サーマルリサイクル”と言う焼却し熱回収を主張する、リサイクルが行われてきた。 LIMEXは主原料を石灰石とすることで、一般的なプラスチックに比べてプラスチックの使用量を約33%削減でき、原材料調達から処分までのライフサイクル全体でCO2排出抑制が見込める。
更に大きな効果の一つが経済性である。日本で唯一自給自足が可能であると言われている鉱物資源である石灰石を使用する事で、原料コストを抑え、価格競争力のある製品化も可能となる。
既にLIMEX素材は、ヨドバシカメラが買い物袋、アイリスオーヤマが建築資材、三菱鉛筆がボールペン、他に飲料カップや、弁当箱などにも実用化されている。TBM社は、宮城県の白石工場と多賀城工場と自社製造拠点とOEMパートナーとの連携で国内外でLIMEX素材・LIMEX製品の量産体制を構築している。
世の中でリサイクル企業により再生紙が提案された際に、コピー用紙や名刺の分野で市民権を得たが、LIMEXも名刺やマラソン時の飲料コップ、カレンダー、うちわなどで環境素材としてのアピールが始まっている。
9月8日付ニューヨークタイムズによると、”CalRecycle”(The California Department of Resource Recycling and Resources)が使い捨てカップや生活容器の新生産者責任でカリフォルニア州内で使用後の製品の60%リサイクルが義務付けられる法律の検討がなされている。法律案では2032年までに新たな生産者責任法が制定されると、この法律が米国全州まで広がる可能性があるとしている。
(IRuniverse/Katagiri)
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