はんだ国内生販在Report#16 2023年後半 販売量昨年並みで推移
日本のはんだ販売は、昨年から2023年前半にかけて販売量が減少していた。しかし、年後半に入ると少し復調し、昨年並みの輸入量にまで戻してきた。ただ、販売量が回復してくると、販売平均単価も再上昇し、昨年の最高値に少しずつ近づいてきた。
【1】はんだ販売概況
経済産業省の生産動態統計データによると、2023年9月のはんだ国内販売量は1,223トンだった。2か月ぶりに1,200トンを超えたが、それでも前年同月比1.0%減少し、2か月続けてのマイナスとなった。それでも昨年から販売量が減少し続けていて、昨年末から2023年年初に一時1,100トンを下回っていたが、ここに来て少し復調してきた。
2023年1-9月の同累計販売量は1万724トン、前年比7.3%減少した。それでも販売量が回復してきたため、前月の同比よりマイナス幅は3ポイント低下した。この10年で、これまで最も少ない販売量だったのが2014年だが、2023年はその年を下回って推移している。
2023年9月のはんだの販売平均単価は、キロあたり7,174円、前月より296円高だった。13か月ぶりに7千円を超えた。昨年4月の直近10年の最高値をピークに昨年末から2023年年初に6千円まで大きく下げていた。そこから再上昇して戻してきた。
【2】はんだPSI
9月の日本国内のはんだの生産量は、1,188トン、2か月続けて1,200トンを下回った。前年同月比2.9%減少し、3か月ぶりにマイナスに転じた。
在庫量が益々減少している。9月の同在庫量は839トン、前月より24トン減少した。直近10年で最も在庫量が少なかった2023年5月に次ぐ少ない在庫量となっている。
【3】はんだ輸入
財務省の貿易統計によると、2023年9月の日本からのはんだの輸入量は、169トンだった。2023年に入ってまだ1度も200トンを超えていないが、前月は200トン近くまで増やしていた。ただ、今回9月は再び減らし、前年同月比32.2%減少し、2か月ぶりにマイナスに転じた。昨年一時400トン近くまで輸入量が増えたが、昨年を除くと2020年以降、100トン台で比較的安定した輸入量で推移している。
2023年は、輸入量が比較的多い輸入先、例えばドイツや韓国、中国などからの輸入量が昨年と比べて増加している。ただ、例外も多く、輸入量が多い米国や台湾、ベトナム、タイからは昨年よりも減少している。
日本のはんだの輸入は、2019年に中国から非常に大量な輸入をしていたが、中国からの輸入量は、2020年後半以降、比較的安定した輸入量で推移している。
※記事内のグラフ・図表は、MIRU.comにて作成
(K.AKIYAMA)
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