インドネシアのニッケル・インダストリーズ、パナやテスラを誘致か 外電報道
インドネシアのニッケル生産企業であるニッケル・インダストリーズが、外資の出資を募っている模様だ。インド電子メディアのthe Times of Indiaなどの外電が11月28日、同社の経営陣が「パナソニックやテスラを含む世界的大手が同社の工場を訪問している」と明かしたと伝えた。インドネシアのニッケルの生産が一段と増える可能性がある。
■外資引き入れで一段の生産増へ
ジャスティン・ワーナー最高経営責任者(CEO)の話として伝わった。訪問企業には、パナソニックとテスラのほかスウェーデンの電池大手であるノースボルトなどの名も挙がり、これらの企業が既に同社の工場を訪問したか、または訪問する計画を持っていると明かしたという。
ニッケル・インダストリーズは、オーストラリア株式市場に上場するニッケル生産大手。インドネシア地元建機のユナイテッド・トラクターの傘下企業が発行済み株式の20%、中国の青山集団傘下のデセント・インベストメントが15%強をそれぞれ保有している。報道によると、同社は経営安定のため外資による持ち株比率を20%に引き上げたい構えだが、青山系が持ち株を希薄化させる動向を見せているため、他の外資を引き入れたいようだ。
ニッケル・インダストリーズが10月末に発表した7-9月期の生産状況では、主力高炉のニッケル生産量は約3万3000トンと同社の四半期実績として過去最高を記録した。今後は新たな高圧酸浸出(HPAL)プラントを2025年後半までに完成する予定で、混合水酸化物沈殿物(MHP)やニッケルマット、正極材などの生産を増やす計画だ。
■ニッケル価格は供給過剰で低迷
足元では、インドネシア産ニッケルの増加を背景にニッケル価格が低迷している。11月28日の国際価格は1万6455ドル/tonと、約2年7か月ぶりの安値水準にある。市場では「ニッケル価格は1万4000ドルまで下落する」との予想も聞かれる。ニッケル・インダストリーズの動向によっては、2024年以降にニッケル供給量が一段と増えることになりそうだ。
過去3年間のニッケル価格の推移($/ton)
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(IR Universe Kure)
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