11月の銅の概況及び12月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 8000-8500ドル →
建値 120万-132万円 →
為替 145~150円 (1か月間TTM) レンジ内
■国際概況
前半 中国10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.5と9月の50.2から低下し、景況拡大・悪化の分かれ目となる50を予想外に下回るなどのマイナス材料もあったが米国のインフレ鈍化の兆候を示す経済指標の発表が相次いだことで、米連邦準備理事会(FRB)による追加の利上げ観測が後退したことを好感
11月15日時点で8081ドル(セツル)と月初価格より43ドルUPの締め。
後半は全面安、米ミシガン大消費者信頼感指数の確定値、米週間新規失業保険申請件数が強気な内容だったことなどのマイナス材料もあったがFRBの利上げ観測が大きく後退したことを好感しUP
月末日 後半スタート価格から215ドルUPの8384ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
152.47 → 148.07(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると10月の自動車生産台数は前年比+19%の77万9814台
輸出は前年同月比+25%の38万2897台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると11月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+19%の25万5054台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
10月の新設住宅着工は,持家,貸家及び分譲住宅が減少しため,全体で前年同月比6.3%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.0%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 71,769 戸。
・前年同月比 6.3%減, 5か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,451千㎡。
・前年同月比 9.6%減, 9か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 808千戸。
・前月比 1.0%増, 先月の減少から再びの増加
出典 国土交通省統計
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 -13.3%の4万8927t
スクラップ +25.9%の3万2007t
輸出推移
【輸入】
電気銅 +20.9%の857t
スクラップ -63.4%の7949t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■前月の国内指標
【伸銅品生産】
10月伸銅品生産量速報値は5万5,580トン、前年同月比12.5%減少した。22か月連続マイナスとなった。
14品目中5品目が前年同月実績を上回った。5品目プラスは、1月以来である。プラス品目数の推移だけ見ても、伸銅品の低調もそろそろ底を脱してきている様子である。
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
前年比+3%の55200t うち 国内+3% 輸出が +3.4%
出典 日本電線工業会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると10月の自動車生産台数は前年比+19%の77万9814台
輸出は前年同月比+25%の38万2897台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると11月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+19%の25万5054台
【住宅着工戸数】
10月の新設住宅着工は,持家,貸家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比6.3%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.0%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 71,769 戸。
・前年同月比 6.3%減, 5か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,451千㎡。
・前年同月比 9.6%減, 9か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 808千戸。
・前月比 1.0%増, 先月の減少から再びの増加
【伸銅品生産】
10月伸銅品生産量速報値は5万5,580トン、前年同月比12.5%減少した。22か月連続マイナスとなった。
14品目中5品目が前年同月実績を上回った。5品目プラスは、1月以来である。プラス品目数の推移だけ見ても、伸銅品の低調もそろそろ底を脱してきている様子である。
伸銅品の各用途別の需要概況は、自動車関係の回復が着実に増えている。ただ、車種やグレード,装備によって自動車向けでも回復に差が見られるとのこと。国内の自動車メーカも、販売台数の回復スピードから見て、小型乗用車よりも普通乗用車の生産に力を入れているこがわかる。
銅条
同比14ヶ月連続マイナス。半導体は、車載向けが安定している。また米国や韓国メーカのスマートフォン向けの需要がある。ただ、中国メーカのスマートフォンの需要がまだ回復してこない。端子コネクタは、自動車メーカのティア1、ティア2の在庫が消化してきた。それに伴い、コネクタ向けの伸銅品の生産も回復してきた。銅条の用途のうち、自動車向けが生産量全体の2割程度で、生産量の半分程度を占めるデジタル家電や白物家電向けが足を引っ張っている。
黄銅棒
同比22ヶ月連続マイナス。ガス、給湯機器が繁忙期による需要増加が見えてきた。LPGバルブは、繁忙期の需要が見えてこない。自動車向けも在庫の消化待ちとなっている。
【電線】
前年比+3%の55200t
うち 国内+3% 輸出が +3.4%
【輸出】
電気銅 -13.3%の4万8927t
スクラップ +25.9%の3万2007t
【輸入】
電気銅 +20.9%の857t
スクラップ -63.4%の7949t
【見通し】
【自動車】
10月の自動車生産が+19%。11月国内販売台数が前年比+19%
10か月連続 生産,販売 共に回復の兆しあり今後に期待
【伸銅品生産】
10月伸銅品生産量速報値は5万5,580トン、前年同月比12.5%減少した。22か月連続マイナスとなった。
14品目中5品目が前年同月実績を上回った。5品目プラスは、1月以来である。プラス品目数の推移だけ見ても、伸銅品の低調もそろそろ底を脱してきている様子である。
伸銅品の各用途別の需要概況は、自動車関係の回復が着実に増えている。ただ、車種やグレード,装備によって自動車向けでも回復に差が見られるとのこと。国内の自動車メーカも、販売台数の回復スピードから見て、小型乗用車よりも普通乗用車の生産に力を入れているこがわかる。
【電線】
前年比+3%の55200t
うち 国内+3% 輸出が +3.4%
3か月ぶりのプラス 今後に期待。
【スクラップ景況予想】
流通【一次問屋】今月銅建値が127万から一時130万知上昇傾向だった
ただ在庫は今月も伸銅品生産減 発生減から在庫薄
今月も変わらず需要面に関しては自動車生産販売の回復から一定の需要は出るが民生用途も中国を中心に需要の回復が遅れている一方中国への輸出は増えており国内需給は引き締まっている。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
- 米FRBの金融政策
FRBの利上げ局面は終了したとの観測が強まっている。インフレ鈍化を映す統計が目立つほか、11月末のパウエルFRB議長の発言も市場の想定ほど金融引き締めに積極的な内容ではなかったことから むしろ来年は利下げ期待が台頭。
- 中国の景気対策
経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団に対する清算の申し立てについての審理を開き、判断を来年1月29日に延期した。恒大が示した新たな債務再編案についての検討や協議に時間を要するとしたことから年内は持ちこたえるのではないか
これらを踏まえた今月の銅価格は 8000-8500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は145円~150円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては120万-132万円程度と予測している
関連記事
- 2025/05/02 銅板輸出Report #67 トランプ関税発動前の駆け込みか 米国向け輸出増加
- 2025/05/02 銅条輸出Report#55 2025年に入って輸出急回復 本物かどうか
- 2025/05/02 銅鉱石輸入Report#36 2025年年初ペルーとパプアニューギニアからの輸入量増加
- 2025/05/02 精製銅輸出Report #69 2025年3月輸出量7万トン超え インド向け一転増加
- 2025/05/02 2025年4月LME銅相場&国内銅建値の推移 序盤の相互関税と報復による急落を取り戻せず、4カ月ぶり大幅反落
- 2025/05/01 米中貿易摩擦緩和期待でLME鉛相場堅調、スタート鉛建値は9円引き上げ342円に
- 2025/04/30 第5回CEシンポジウム in NAGOYA講演詳報1 ――中部経産局、栗田、ケミカルリサイクル
- 2025/04/30 ICSGが最新予測を発表 2025~2026年、銅市場は引き続き供給過剰の見通し
- 2025/04/28 【貿易統計/日本】 2025年3月の電気銅輸出入推移一覧表
- 2025/04/28 【貿易統計/日本】 2025年3月の銅スクラップ輸出入推移一覧表