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エヌ・ピー・シー(6255) 24/8Q1決算メモ ニュートラルからポジティブに変更

24/8Q1は19.1%減収も部品増で営利黒転、24/8期11.4%増収62.2%営利増は増額期待

株価666円(1/16)   時価総額147億円       発行済株22052千株

PER(24/8期DO予:11.9X)PBR(1.79X)配当(24/8予)7円  配当利回り:1.1%

 

要約

・24/8Q1は19.1%減収も部品増で黒転、受注13.7%減も大型受注獲得し受注残7.4%増に

・24/8期11.4%増収62.2%営利増予想に変更無く、部品好調で増額期待

・中計を増額見直し26/8期に売上高120億円、営利19億円目指す

 

 

24/8Q1は19.1%減収も部品増で黒転、受注13.7%減も大型受注獲得し受注残7.4%増に

 

 薄膜系パネルや特殊用途の結晶系パネルなどオーダーメードの太陽電池後工程製造装置を主に事業展開。真空ラミネータやセル自動配線装置、セル出力テスタ、モジュールテスタなどを手掛け、特に真空ラミネータは70%近いシェア有する。PV装置関連は米国ファーストソーラ(FS)向けが大半を占める。

 

 

 1/11に24/8Q1決算が開示され、売上高6.46億円(19.1%減)、全社共通費控除前営業利益1.84億円(3.2倍)、営業利益0.41億円(1.22億円改善し黒字転換)、経常利益0.40億円(1.25億円改善し黒字転換)、税引利益0.30億円(1.11億円改善し黒字転換)、受注高58.57億円(13.7%減)、受注残154.86億円(7.4%増)となった。売上減ながら利益黒転は高収益の部品事業が好調だったためで、減収ながら売上総利益率が21.9ポイント向上し39.8%まで高まった。

 

 セグメント別では装置関連事業が売上高5.53億円(24.5%減)、営業利益1.77億円(3.2倍)、受注57.73億円(14.3%減)、受注残151.73億円(8.9%増)となった。売上面では元々Q1にFS向け大型売上の計画がなく大幅減を想定していた。しかしPVで一部改造案件での前倒しや部品販売の好調があり、社内計画をやや上振れたとのこと。利益面では期初Q1で営業赤字を想定していたが、短納期の部品販売がFS社の事業の好調からFS工場の稼働率が高まり、消耗品や予備部品の注文が計画を上回り、大幅な利益改善に。ちなみにQ1の生産高は23.58億円(97.5%増)、高水準状況となっている。なお地域別売上では日本が0.16億円(83.8%減)と、自動化装置売上がなく大幅減。日本向けを除く海外は5.37億円(16.4%減)となった。内訳はFSインド向けが大きく2.61億円、FSマレーシア0.20億円(45.5%減)、FSベトナム0.50億円(19.3%増)、FS米国向け等米国2.06億円(63.3%減)など。受注面では23/8Q1でインドFS向け大型受注があり受注減となっているが、受注金額はFS米国の9番目のルイジアナ新工場向け装置の大型受注があり、それ以外でも国内向けでFA装置の主要顧客(新光電気工業などと見られる)の新工場向け装置受注が寄与し、高水準を確保している。今回の受注は25/8期に売上計上される予定で、受注残高が過去最高水準に積み上がっている。

 

 環境関連事業は売上高0.93億円(63.0%増)、営業利益0.07億円(0.4億円改善、3.1倍)となった。日本向けが0.93億円(2.1倍)とPV検査サービス、PVリユースなど計画通りとのこと。

 

 

24/8期11.4%増収62.2%営利増予想に変更無く、部品好調で増額期待

 

 24/8期会社予想に変更はなく、売上高103.84億円(11.4%増)、営業利益15.84億円(62.2%増)、経常利益15.8億円(64.5%増)、税引利益10.81億円(8.9%増)予想を据え置いた。

 

 

 事業別では装置関連事業が売上高98.65億円(13.5%増)予想。Q2にFSオハイオ工場増設分の装置、Q3ではFSのR&Dセンター向け装置、Q4にアラバマ新工場向け装置の売上を予定、特にQ4の案件規模が大きく下期偏重となる見通し。またFA装置についてはプリント配線基板搬送移送装置、ラミネータなどの用途が多いと見られるが、枚様式真空貼合装置などで電子部品会社に研究所、製品開発など向けに出荷しており、特に次世代ペロブスカイト、有機薄膜PV,化合物(テルル化カドニウム)薄膜系パネル向け等で売上拡大が始まっている。FA装置は全体で売上規模が23/8期に初めて10億円を超え、安定的な収益を稼いでいる模様。事業別での営利利益予想開示はないが、総利益予想があり、総利益率が20.0%から24.9%に4.9ポイント改善し、24.59億円(3.0倍)を見込む。23/8期はFS向け装置の採算が原材料高や運送費等の高騰影響も有り厳しい状況に置かれていたが、24/8期売上分については受注段階で適正な利益水準を確保しており、利益の増加が高まる見通しとしている。環境関連事業は売上高5.19億円(17.7%)、総利益1.56億円(20.4%減)予想。パネル解体で大きな売上がなく減収影響、加えて一部鶏糞リサイクルなど新事業開発などのコストがかかると見られる。

 

 現状、装置関連では部品売上が計画を上回り、Q1での総利益率が大きく上方乖離しており、Q2以降もFSの業績が計画を上回って推移しているなどもあり、上期から収益の上方修正が期待される。

 

中計を増額見直し26/8期に売上高120億円、営利19億円目指す

 

 同社は新中計予想として26/8期に売上高120億円、営利19億円達成を目指すとし、前回中計予想を上回る中計を発表した。背景としてはFS向け事業が中期的にも拡大すること、またFS向けに両面パネル装置や、シリコンタンデム開発装置などを受注、次世代パネルでも需要拡大が見込め、装置関連事業が順調に拡大するとした。利益面でもFSが既存設備でフル生産が続いており、部品・改造のための売上が高水準ですることも利益面での増額要因に。なおFS以外ではペロブスカイト型太陽電池などで商談があるとのことで、FS以外での売上増も期待される。またFS社がペロブスカイトのベンチャー企業を買収、FS向けの開発用装置受注も期待される。

 

 環境関連はパネル解体事業が海外においてリユース規制強化などで今後も拡大が見込めるほか、国内はPVパネルの普及拡大で緩やかに拡大する見通し。PVパネルの重量の70%がガラスであり、ガラスをリサイクルできるかが鍵となる。PVパネルは世界共通規格がなく、ガラス成分やパネルサイズが統一されていない。さらに製造時に消泡のためにアンチモンを利用するため日本ではPV由来のガラスリサイクルが進んでいない。しかし欧州ではアンチモン含有ガラスも一定基準で再利用する検討が進んでいる。またガラスリサイクルにおいては金属などの異物混入があると再生ガラスの品質が大きく低下するために異物混入に対し厳しい基準が有る。仮にPVパネルと金属を含電池セルが封止されたままで粉砕し選別する場合は選別後の検査が必要でコスト高と時間がかかる。同社のホットナイフ法ではガラスを粉砕せずに金属と分離でき、リサイクルの観点から評価が高まっている。現在、欧州の大手板ガラスメーカーでは同社ホットナイフ分離法で回収したガラスをリサイクルガラスとして使用できるかの検証が進んでおり、今後、有価物として同ガラスを買い取るスキームができれば欧州での大きなビジネスに繋がる可能性がある。

 

 

 太陽光太陽光発電所の検査サービスは法改正により使用前自己確認が新たに義務化されたことで、従来のメガソーラー向けに加え、企業の脱炭素推進や電気代の削減を目指す取り組みの中で、PPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)による太陽光発電の導入に伴う需要が見込める。

 

 

 太陽光全体を通じ、FSの中長期的な需要見通しが定まっており、しかもFS社の受注残高が23/10/31現在で過去最高の81.8GWに達し、商談中の案件が65.9GWと旺盛な需要が継続しているとのこと。しかもインフレ抑制法により原材料が米国製である場合に補助金が増額されることなども有り、PVメーカーの米国での設備投資が活発化、特に垂直統合型のFSに有利な状況となっているとのことで、今後新たな増産計画もあり得る。24/8期、新中計についてFSの好調から高収益の部品売上が計画を上回り会社計画を上回る収益拡大が見込まれる。このため今回の中期計画に対し、前倒しでの収益拡大も期待される。

 

 株価は23/8期上振れ着地、26/8期中計の発表を受けて11/29には869円と21年7月の975円以来の高値となったが長続きせず下落、今回Q1発表でも予想変更がなく反応薄で推移している。現状、24/8期会社予想EPS50.27円に対しPER15.3倍はグロース機械平均に該当がないため、機械スタンダード平均13.5倍と比較して若干割高となっている。新たに中計計画が示されFSの成長次第という点は否めないが、FS新製品向けに向けに同社の製品が採用され、また次世代PVでは真空貼合装置など新たな製品群も拡大期待がある。更にPVリサイクルではホットナイフ分離法の市場拡大期待がある。新中計も上振れ期待が出てきた局面で、ニュートラルからポジティブに評価を引き上げたい。

 

 

 

(H.Mirai)             

 

 

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