エンプラス(6961)24/3Q3WEB決算会メモ ニュートラルからややネガティブ
24/3期光通信レンズ伸長も半導体不振で6.5%減収38.8%営利減予想はさらに減額懸念
株価11140円(2/2) 時価総額1084億円 発行済株9732千株
PER(24/3DO予:27.5X)PBR(1.99X) 配当60.00円 配当利回り:0.5%
要約
・24/3Q3は21.7%減収65.4%営業減益と光通信向けレンズ堅調も半導体部門の低迷響く
・24/3期はQ3累計進捗率悪く、半導体回復遅れ6.5%減収38.8%営利減予想は再減額懸念
・25/3期はデータセンタ向け拡大が半導体、光通信デバイス需要を押し上げ下期収益回復へ
24/3Q3は21.7%減収65.4%営業減益と光通信向けレンズ堅調も半導体部門の低迷響く
ライフサイエンスは売上高5.93億円(同24.2%減)、営業損失2.12億円(同1.19億円良化)と売上減もコストカットで赤字縮小に。
24/3期はQ3累計進捗率悪く、半導体回復遅れ6.5%減収38.8%営利減予想は再減額懸念
24/3期会社予想に変更はなく、売上高395億円(6.5%減)、営業利益54億円(38.8%減)、経常利益60億円(31.7%減)、税引利益42億円(9.1%減)予想とした。逆算するとQ4は売上高115.46億円(同期比15.8%増、Q3比31.9%増)、営利18.48億円(同5.2%増、同96.8%増)予想と急回復予想となる。
部門別にも変更しておらず、半導体事業が売上高208億円(同25.3%減)、車載用途は堅調も、サーバー、モバイル用途が下期も回復せず回復は来期にずれると判断した。エナジーセービング事業は売上高130億円(同8.1%増)と自動車生産の回復で売上増、円安もあり堅調予想。ライフサイエンスは売上高28億円(同9.4%減)と、引き続き在庫調整が長引き減額、デバイス供給に軸足を置く形で損益分岐点を引き下げるとした。
一方、デジタルコミュニケーション事業は売上高62億円(同64%増)。部門別でLED用拡散レンズは低迷続き、ほぼ光通信用デバイスで47億円(2.1倍)程度を見込む。AI用途は高付加価値でシェアも高く、特定ユーザー向けが大きく伸びているが、増産体制も引き続き実行中で売上拡大に対応できるとしている。
現状、Q3累計進捗率が売上で71%、営利は66%にとどまる。セグメント別でもエナジーサービング事業の74%以外、いずれも進捗率が悪い。半導体についてはサーバー用、モバイル用の回復が弱く、特に期待しているサーバー向けが思いのほか低調で、Q3からQ4にかけても売上増が見込みにくい。また高成長している光レンズもサプライ面でQ4がQ3比で小さな伸びにとどまる懸念がある。利益面でも半導体向けの低迷継続、ライフサイエンスも赤字継続見通し、デジタルコミュニケーションもMIX良化は一巡見通しとなると思われ、全体として収益の再減額が懸念される。
25/3期はデータセンタ向け拡大が半導体、光通信デバイス需要を押し上げ下期収益回復へ

エナジーセービング事業はEV向けエンプラギアの拡大で収益性の改善が多少進もう。ライフサイエンスはソリューション事業を見直し営業黒字を目指すも、具体案が不明瞭で黒字転換は26/3期以降にずれ込もう。
全体として25/3期は半導体事業の下期の回復、デジタルコミュニケーションの拡大から、収益の回復が期待されるも23/3期水準までの利益回復は難しい見通し。但し26/3期には主力事業の拡大で15/3期の営業利益107.8億円が射程に入ろう。
株価は生成AI向けに光通信デバイスの伸長が見込め、AMD向けもAIサーバー向けGPUの拡大が評価され、7/28のQ1決算発表後、生成AIの話題で5080円から株価が暴騰、1/22には15040円(PER31.6倍)まで駆け上り、その後値を下げ、今回のQ3発表で光通信向けが伸び悩んだこともあり2/1には10000円大台割れと急落、株価が乱高下している。現状、会社予想EPS475.91円に対しPER23.4倍はプライム電機平均PER20.7倍比で若干割高、同業の山一電機21.6倍と同レベル、ヨコオ44.7倍、日本マイクロニクス47.3倍と比較しては割安感がある。但し業績的には再減額懸念があり、25/3期は下期に収益回復がずれるとみられ、23/3期利益に届かないとみられるため、ニュートラルからややネガティブに変更したい。
(H.Mirai)
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