LME Weekly 2024年2月5-9日 中国デフレを受けた需要不安と米早期利下げ期待後退でおおむね低迷
(為替概況)米金利引き下げ観測後退で後半円安急進行
前週のパウエルFRB議長の会見以降の一連のイベントを通過して、市場は早期の米利下げ期待を後退させている。日本株高も円安ドライブに。
―東京外為
2月9日(金)
東京TTS
1ドル=150.53円
前週末
2月2日
東京TTS
1ドル=147.49円(0.36円高)
に対し3円04銭円安ドル高で終了
(カッパー)中国デフレ懸念と米早期金利引き下げ観測後退で下落続く
中国の国家統計局が8日発表した先月の消費者物価指数は、去年の同じ月と比べて0.8%下落、中国の消費者物価指数がマイナスになるのは4か月連続。これにより中国デフレ懸念が強まり、需要先見通しが不透明に。6日にそれまでの下落に対しての修正で反発した局面を除き、下落の一途をたどった。末日9日、昨年11月13日以来のLOW8,127.0ドルまで降下。3Mは3日続落、前日比24.5ドル安の、8,169.0ドルが終値。現物終値は、前日比19.98ドル安の8,065.04ドル。3M前週末終値8,482.0ドルドルに対して313.0ドル(3.7%)続落。現先プレミアムも110ドル前後水準で推移、依然市場参加者の先行き安値観測を示唆している。
LMEカッパー相場推移(セツル、USD/T)1カ月
LMEの軟調を受けて、国内建値6日1,300円→1,280円に、9日1,280→1,260円と再度20円引き下げ改定
LMEカッパーVS国内建値推移 1カ月
(アルミ) 銅に連れ中国需要不安と米早期金利引き下げ観測後退で軟調に
中国需要不安と米早期金利引き下げ観測の後退を受けて小幅続落。
最終日9日、3Мは小幅に3日続落、前日比5.5ドル安の2,216.0ドルが終値。現物終値は、前日比5.62ドル安の2,186.33ドル。前週末3M終値2,233.5ドルにたいし、17.5ドル(0.8%)小幅続落で終了。
LMEアルミVSカッパー(現物セツル USD/T)1カ月
NSPは6日前週からのLME現物続落を受けて395円→392円と引き下げ改定したが、LME現物上昇に連動して、9日398円まで上昇。
LMEアルミ(現物セツル USD/T)VS NSP(JPY/Kg)推移 1カ月
(ニッケル)ドル高、中国デフレ懸念で続落 3M16,000ドル割れ
9日3Mは続落、前日比86ドル安の15,921ドルが終値。現物終値は、前日比86.00ドル安の15,667.50ドル。3M前週末終値16,235ドルにたいして314ドル(1.9%)の続落となった。
LMEニッケルVSカッパー(現物セツル、USD/T)1カ月
(鉛・亜鉛・錫) 鉛・亜鉛は銅につれて大幅続落、錫は大幅反発
―鉛3Mは前週末2,145.0ドルに対し9日113.0ドル(5.3%)安、2,032.0ドルと大幅続落。
国内建値はLME低落のなか円安底上げで引下げ先送り、後半8日ようやく387円→381円の7円引き下げ改定。
LME鉛VSカッパー価格推移(現物セツル,USD/T) 1カ月
LME鉛(USD/T)VS国内建値(JPY/Kg)推移 1カ月
―亜鉛3Mは4日続落、前週末2,451.0ドルに対し9日2,300.5ドル114.5ドル(4.7%)の大幅続落。LME在庫は月初より3万トンほど急増(シンガポール)。トラフィギュラが賃料シェア狙いで搬入との報も(ロイター)。
国内建値はLME大幅続落を受け、6日433円→418円、9日418円→403円と合わせ30円の大幅引き下げ。
LME亜鉛VSカッパー価格推移(現物セツル、USD/T)1カ月
LME亜鉛(現物セツル、USD/T)VS国内建値(JPY/KG)推移1カ月
―錫は前週の続落から4日続伸。3M前週末終値25,550ドルに対し、9日26,367ドル,817ドル(3.2%)大幅反発で終了。
LME錫VSカッパー推移(現物セツル、USD/T)1カ月
(Topics)
2月6日
米金利引き下げ観測後退でLME銅相場続落、国内銅建値20円引き下げ1,280円に 亜鉛もdown | MIRU (iru-miru.com)
2月9日
中国デフレ悪化懸念でLME銅相場続落、国内銅建値20円引き下げ1,260円に 亜鉛も15円down | MIRU (iru-miru.com)
(マクロ経済・重要イベント)
米国
2月13日 消費者物価指数 2024年1月(労働省)
2月15日 新規失業保険申請件数(労働省)
製造業景況指数 2024年2月(ニューヨーク連銀)
製造業景況指数 2024年2月(フィラデルフィア連銀)
2月16日 生産者物価指数 2024年1月(労働省)
消費者信頼感指数 2024年2月速報値(ミシガン大)
米国
2月6日 非製造業景況指数 2024年1月(ISM)月は53.4、前月比2.9ポイント上昇-1年ぶりの大幅上昇仕入れ価格が7.3ポイント上昇の64.0、2012年以来の大きな上昇
2月8日 3日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は9000件減の21万8000件と、予想以上に減少した。
中国
2月8日 中国消費者物価指数 2024年1月(国家統計局) 中国国家統計局が8日発表した2024年1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.8%下落した。
4カ月連続の低下で、下落率は09年9月以来14年4カ月ぶりの大きさとなった。
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)
関連記事
- 2025/01/13 鉄鋼・非鉄関連会社の決算発表予日定一覧 :アップデート(30社/48社)
- 2025/01/12 アジアのステンレス価格について:2024年11月
- 2025/01/11 MARKET TALK現地1月10日 全面高、強気米雇用統計も金・銀堅調で買い優勢
- 2025/01/10 2025年のLME銅・アルミ相場の行方――本間隆行氏に聞く
- 2025/01/10 三協立山:25/5期2Q決算説明会を開催
- 2025/01/10 SUSscrap MarketWatch 2025#1 下げの寒冷前線発達中
- 2025/01/10 三井金属: 機能材料事業説明会を開催した模様
- 2025/01/10 米追加利下げ期待などでLME銅続伸、国内建値20円引き上げの1470円に
- 2025/01/10 MARKET TALK現地1月9日 Cu Al Niは軒並み上昇 英仏株高や金・銀堅調を受け
- 2025/01/09 2024年11月 SUSスクラップ輸出入統計分析 輸出数量は減少も2カ月連続2万トン台維持、単価は2カ月連続上昇