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東京エレクトロン24/3Q3説明会 Q3総利益率は過去最高

24/3期24.1%増収35.1%営利増に増額で最高益、22/3期21.5%増収37.5%営利増上伸へ

 

要約

株価33530円(2/14) 時価総額159034億円  発行済株471632千株 

PER24/3期DO予(45.8X)PBR(10.0X)配当予367円   配当利回り1.1%

 

24/3Q3は0.9%減収も8.9%総利益増、15.4%営利増と中国向けの拡大などで収益回復

24/3Q3決算が2/9に開示され同日WEB決算説明会が開催された。24/3Q3は売上高4636億円(同期比0.9%減、Q2比8.4%増)、総利益2221億円(同8.9%増、同

17.1%増)、営業利益1324億円(同15.4%増、同37.8%増)、税引利益1015億円(同18.6%増、同38.7%増)とMIX良化で利益拡大に。

 

今回から半導体製造装置単一セグメントとしたため、まず内訳はSPE新規装置が3530億円まず内訳はSPE新規装置が3530億円(同2.7%増、同11.9%増)、フィールドソリューションが1044億円(同11.1%減、同0%増)。新規アプリケーション別ではロジックファンドリ&その他向けが2294億円(同3%減、、同9%増)と、中国向けにレガシーノンメモリ向けが好調に推移、先端ロジック向けもボトム確認の状況。DRAMは1094億円(同2.1倍、24%増)とHARC(高アスペクト比コンタクトエッチング、HBM向けウエハボンディング/デボンディング装置が好調に推移、一方でNAND向け等は141億円(同74%減、同11%減)と低迷続く。フィールドソリューションは1044億円(同11%減、同0%)と稼働率低下で伸び悩む。 

      

 

 
 
 
 

次に仕向け先売上では、中国向けが2172億円(同2.1倍、同19%増)と、半導体国産化投資加速で成熟ノード製品向けが伸長、地域別構成比が46.9%まで高まった。また韓国は582億円(同23%減、同14%減)とメモリ向け不振が影響、台湾向けは463億円(同58%減、同16%増)と先端デバイス向けのボトム確認の動きに。全体を通じ、利益面ではMIX良化で売上総利益率が47.9%と過去最高を記録、同期比微減収も利益が大きく上振れた格好に。

 

 

24/3期、売上高1兆8300億円(17.2%減)営利4450億円(28.0%減)予想に増額修正

中国向けの成熟ノード半導体製造装置の活況、HBMなど先端メモリ向け等の拡大を背景に、24/3期会社予想を増額修正した。22/3期は売上高1兆8300億円(11月予想比1000億円増額、17.2%減)、営業利益4450億円(同100億円増額、28.0%減)、税引利益3400億円(同330億円増額、27.4%減)とした。アプリケーション別(構成比より推定)ではSPE新規が13776億円(850億円増額、19%減)、アプリ別構成比はDRAM3600億円(前期比52%増、680億円増額、構成比26%)、不揮発メモリ1020億円(同70%減、同10億円増額、構成比7%)、非メモリ9150億円(同18%減、同160億円増額、構成比66%)を見込む。特にDRAMにおいてはHBMや中国、非メモリでは中国成熟装置の増額が大きい。この業績上方修正の元となる2023暦年の半導体前工程製造装置(WFE)の設備投資について、11月時点の$85B~$90B想定に対し、$95Bで着地した模様である事、同社では特に中国向けが好調だったことが寄与し、Q4も同様な動きが継続するとした。なお成熟ノードの装置比率が40%程度となっているとのこと。

 利益面ではQ4に一部棚卸資産の見直し、期末の各種費用などで総利益率が若干Q3比低下見通しも調整範囲とのこと。全体を通じ、24/3期は会社修正予想並みの収益が見込まれる。

 

 

 

WFE市場予測をCY24$100B、CY25は2ケタ成長期待で収益本格拡大へ

 同社は中期目標として、27/3期に売上高3兆円以上、営業利益率35%超を掲げている。また今回、2024年のWFE市場見通しについて2022年の最高額である$100B程度を想定。中国顧客の投資継続と年後半の最先端DRAM向け投資の回復を見込む。更に2025年はAIサーバーの伸長継続(2023~2027年で平均31%成長)、PCでもコロナ時からの買い替え需要、AI対応の拡大、企業のIT投資活発化などで2ケタ成長を見込むとした。更に半導体市場は2030年の1兆ドルに向けて成長を続けるとして、25/3期~29/3期にかけてR&D1.5兆円、設備投資7000億円、人材採用1万人(毎年2000人)の成長に向けた投資を行うことを表明、中期目標の早期達成に向けて従来計画を上回る投資の実行となる。

 25/3期については25/3H1は24/3H2の状況の継続、25/3H2に大幅な収益拡大となる見通し。26/3期は過去最高益を大きく更新、27/3期中計目標達成が視野に入ろう。

 株価は生成AIの伸長で日本を代表する半導体製造装置メーカーとしてエヌビディアの株価の上昇に追従する形で上昇、2/9の増額修正を受けて2/14も上伸を続け34300円の高値更新となっている。会社24/3期修正予想EPS732円に対しPER45.8倍はエッチング装置のライバルであるアプライドマテリアルズ22.7倍、ラムリサーチ27.3倍に対し割高となっているが、HBM関連で優位な展開、また米国メーカーと比較し中国ビジネスでの拡大寄与が大きいと見られる。一方、ASMLコンセンサスPER46倍と同等、ディスコ63倍、レーザーテック74倍、アドバンテスト74倍に対しては割安となっている。現状、エヌビディアが集中的な上昇でPER410倍、ARMもPER292倍など異常な上昇となっており、これに引きずられて上昇している面が大きい。

 同社利益は25/3期について過去最高益更新までは届かないとみられ、この状況が今後も継続するとは言いがたい。エヌビディアの目標株価が800ドルとも言われ、残り10%の上昇で達成となるが、達成後は株価が下落に転ずるとみられる。日本株の代表銘柄でも有るが3万円大台超えとなり、この6ヶ月で日経平均に対し28%、過去1ヶ月で13%アウトパフォームしており、日経平均に対してこの乖離がこれ以上は開かないとみられ、当面日経平均に対しややネガティブと判断する。

 

   

 

 

*アドバンテスト(6857)、レーザーテック(7735)、ディスコ(6146)、TOWA(6315)と検査、

後工程メーカーとの比較

 

*AMAT, ラムリサーチ(LRCX)、KOKUSAI、スクリーンとの比較 

 

 

エヌビディア(NVDA)、ASML、日経平均との比較

 

                                             (百万円、%)

 

 

(H.Mirai)

 

 

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