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イワキ(6237)  24/3Q3決算メモ 増額修正でポジティブ継続

24/3期利益を大幅増額し16.2%増収、営利2.2倍予想、25/3期も連続最高益期待

株価2415円(2/16)   時価総額543億円   発行済株22490千株

PER(24/3DO予12.7X)PBR(1.64X) 配当(24/3予)56円  配当利回り:2.4%

 

要約 

・24/3Q3は中国2社の連結効果もあり20.7%増収、営利2.4倍も2社影響除いても大幅増益

・24/3期16.2%増収、営利2.2倍予想と主力製品好調で利益大幅増額し連続最高益更新

・改定中計で25/3期営利48.25億円予想は24/3期前倒し上振れ達成、25/3期も収益拡大に

 

24/3Q3は中国2社の連結効果もあり20.7%増収、営利2.4倍も2社影響除いても大幅増益

 

 半導体、医療機器向けに強味を持つケミカルポンプ専業・総合メーカー。24/3Q3決算が2/14に発表され、同日説明資料が開示された。24/3Q3は売上高112.48億円(同期比20.7%増)、営利17.20億円(同2.4倍)、経常利益18.55億円(同49.7%増)、税引利益14.29億円(同37.8%増)と好調を持続した。なお前Q4よりイワキ香港G(医療機器市場中心)、イワキ上海G(半導体・液晶中心)の新規連結効果が売上で19.14億円あるが、これを除くと0.2%増収と伸び率が鈍化している。また営業利益では6.63億円の効果があり、連結前営業利益では10.57億円(同期比50.1%増)と、実質的には微増収大幅増益となっている。なお経常利益では持分利益が1.46億円(同期比0.75億円減少、33.9%減)、為替差損は連結組み入れから0.34億円(同期比0.21億円増、2.6倍)となっており、営業外収支が縮小したため経常利益の伸び率が49.7%増に止まっている。税引利益では段階取得による差益がなくなり伸び率が低くなっている。

 

 

 市場別では、水処理が24.41億円(1.5%減)と、国内で上下水処理向けが好調も海外は米国向けが一服して伸び悩む。半導体・液晶向けは20.07億円(9.7%増)と、空気駆動用ポンプ15.27億円(17.6%増)が大きく寄与、特に中国向けが伸びの中心を占める。医療機器向けは23.34億円(2.1倍)と内外ともにコロナ影響からの回復が寄与、中心となる回転容積ポンプが倍増、またイワキ香港の取り込み効果もおおきく大幅増。市場は国内が2/3、海外市場が1/3で中国が大半を占めるが、海外向けはまだ小さいとの認識。

 

 

 製品別では量産品の主力のマグネットポンプが35.65億円(20.9%増)、定量ポンプ17.23億円(9.1%増)と好調に推移、また半導体向けの空気駆動ポンプが15.27億円(17.6%増)、内外医療向けで好調の回転容積ポンプが億円(2.1倍)と伸長した。地域別では国内が51.85億円(2.5%増)と、水処理、医療機器市場、化学も高付加価値製品が堅調に推移した。海外は60.63億円(42.5%増)となり、海外比率がアップし53.9%まで向上しQ2比0.1ポイント上がり2四半期過去最高更新となった。アジアは4.80億円(39.3%減)と韓国での出荷調整、台湾での半導体・液晶、表面処理装置市場の低迷が響く。なお中国は18.80億円(同期比18.57億円増、81.7倍)と前期はコロナ影響、今期は2社連結効果が大きく、大きな差が出た。また米国は18.32億円(1.9%増)と水処理向けの拡大が一服。欧州は13.94億円(17.5%増)と2次電池材料製造向けなど好調、円安効果もあり2ケタ増に。

 

 

 地域別では国内が51.85億円(2.5%増)と、水処理、医療機器市場、化学も高付加価値製品が堅調に推移した。海外は60.63億円(42.5%増)となり、海外比率がアップし53.9%まで向上しQ2比0.1ポイント上がり2四半期過去最高更新となった。アジアは4.80億円(39.3%減)と韓国での出荷調整、台湾での半導体・液晶、表面処理装置市場の低迷が響く。なお中国は18.80億円(同期比18.57億円増、81.7倍)と前期はコロナ影響、今期は2社連結効果が大きく、大きな差が出た。また米国は18.32億円(1.9%増)と水処理向けの拡大が一服。欧州は13.94億円(17.5%増)と2次電池材料製造向けなど好調、円安効果もあり2ケタ増となった。

 

 利益面では総利益率が一番高位にあるマグネットポンプ、次ぎに収益性の高い定量ポンプが伸び、増収効果とMIX良化、売上原価の抑制が計画を上回り、さらに円安効果から、売上総利益率が9.6ポイント向上し44.0%まで高まった。なお増額幅が大きくなったのは中国関連の2社が想定よりも収益性が高かったことも大幅営利増の要因となっている。

 

24/3期16.2%増収、営利2.2倍予想と主力製品好調で利益大幅増額し連続最高益更新

 

 主力製品の販売好調を受け24/3期会社予想を増額、売上高438.55億円(期初計画比3.25億円減額、16.2%増)、営利50.63億円(同11.43億円増額、2.4倍)、経常利益58.11億円(同15.09億円増額、55.2%増)、税引利益39.04億円(同7.89億円増額、8.2%減)予想とした。

 

 部門別、製品別予想も売上見通し若干の減額のため、変更の開示はしておらず、売上面では全製品、全市場の増加を見込む。地域別でも国内200億円(3%増)、輸出は新規連結2社(イワキ香港、イワキ上海が前期はQ4のみ、今期はフル寄与)の寄与もあり210億円(15%増)と内外とも増収を見込む。市場別では半導体・液晶向けが18.3%増と、半導体設備投資不振の中で好調を維持しているウェット洗浄プロセスや薬液供給装置で好調が持続しており、CMPプロセスは減退も空気駆動ベローズポンプの伸びが続く見通し。水処理分野は105.43億円(14.4%増)予想と、北米向けにコントロールユニットなどの拡大が続く見通しも、米国が一服状況で多少未達も。一方、医療機器向けは69.33億円(25.0%増)となっており市場全体が復調、既にQ3で進捗率89%に達し好調を持続し増額が見込まれる。また新エネルギー向けを11.28億円(33.1%増)と見込むがQ3進捗率79%増とリチウムイオン電池製造向けなどでマグネットポンプ、回転容積ポンプなどが拡大見通しで、多少の増額が期待される。化学向けも2次電池製造材料向けの拡大で44.55億円(21.1%増)を見込み計画通りに推移しよう。

 

 

 全体として修正予想の差し引きで24/3Q4が売上高101.91億円(同期比0.1%減、Q3比9.4%減)、営利10.57億円(同90.8%増、同38.5%減)、経常利益6.86億円(同40.3%増、同63.0%)予想となる。前Q4から2社連結が始まっており、売上の伸び率鈍化は理解されるが、新規連結分を除くとQ4では同期比10%減収予想となり、現在の環境面ではQ3が0.2%微増収に止まったものの、2ケタ減収は考えにくい。このため、売上について期初会社予想を上回ると見られる。また利益については高付加価値製品の伸びが高く、Q3比較でQ4に大幅な利益率低下は考えにくく、全体として修正会社予想を上回る収益が見込まれる。

 

改定中計で25/3期営利48.25億円予想は24/3期前倒し上振れ達成、25/3期も収益拡大に

 

 同社は25/3期に再改定中計において、売上高465.08億円、営業利益42.91億円、経常利益52.15億円予想を目標とした。売上面では24/3期予想に対し、水処理・医療機器市場向けが堅調に推移し、24/3期予想比5.3%増収予想とした。また国内を3%増、海外7.2%増予想とし、海外比率が高まるとしている。但し、4/3期既に利益では改定中計予想を上回る。利益面で収益性の高い製品群が順調な伸びを示しているためで、25/3期についても利益の上振れが見込まれる。 

 

 売上面では半導体関連について同社は洗浄に関連する比率が高いなどで半導体全体が不振でも伸びが高く、24年以降、巨額の国内半導体設備投資が実行されるなど、同分野の伸びが加速見通しで半導体関連の増額があり得る。また中国の半導体設備投資も引続き活発に推移すると見られ、上海子会社連結効果も更に拡大が見込まれる。このため全体として25/3期収益も大幅な増額予想が見込まれる。なお新製品では定量ポンプで0.01ccを1分間かけて定量吐出できる超低速運転が可能で超微量制御可能なポンプを投入、微量な化学分析、液クロ分析などに利用できる超精密ポンプとして先端産業向けに拡大が見込める。同製品は磁気浮上型マグネットポンプに続き第2弾となる製品で、ケミカルポンプで高付加価値製品拡大から収益性向上も期待される。

 

 株価は2/14の増額修正を受けて2/15に年初来高値2547円と更新したが、今期修正会社予想EPS177.14円に対しPER13.4倍はプライム機械平均PER19.1倍に対し割安であり、さらに増額修正期待もあり、25/3期も最高益更新が続く見通しで引続きポジティブ継続としたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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