2024年1月の銅地金需給バランス 8万4,000トンの供給超過――ICSG
ICSG(国際銅研究会)がまとめた2024年1月の銅需給(速報)によると、銅地金生産量は前年同月比約5%増の237万4,000トン、消費量は同6%増の229万トンとなり、需給バランスは8万4,000トンの供給超過だった。生産増に寄与したのは中国、DRC(コンゴ民主共和国)で、中国は消費面でもその伸びをけん引する形となっている。
銅鉱石の1月の生産量は前年同月比約2.5%増の182万2,000トンだった。昨年第1四半期にグラスバーグ鉱山、バツ・ヒジャウ鉱山で運用上の制約を受けていたインドネシアが同27%増となったとみられるほか、カモア鉱山の拡張や他の鉱山の生産能力増で銅約9%増となったDRC、そしてチリや米国における生産回復が貢献したと分析している。
出典:ICSG
一方、ペルーは同1%の減少、コブレ・パナマ鉱山の生産が昨年11月に中止されたパナマはゼロ、そして2023年3月に一時中止していた嘉玛鉱山の生産がまだ回復途上の中国が同5%の落ち込みだったという。
銅地金の1月の生産量は全体で同約5%増の237万4,000トンで、鉱石由来が4.5%増加、スクラップ由来が9%増だった。他の地域の伸びが0.4%増にとどまる中、生産能力の増強を進める中国とDRCがその伸びを支えたという。中国とDRCの両国で世界の銅地金生産の約52%を占めるという。特に中国は9%増となったスクラップ由来の生産増に寄与したという。
出典:ICSG
一方、1月の銅地金消費量は前年同月比約6%増の229万トンだった。EU、日本、米国の需要が低迷するなか、中国がおよそ12%の伸びを見せ、それをけん引したと分析している。この結果、1月の銅地金需給バランスは約8万4,000トンの供給超過となった。
2024年2月末時点での主要金属取引所(LME、COMEX、SHFE)の銅在庫は合計で32万8,873トン。2023年12月末比54%増となっている。内訳はSHFEが486%増、COMEXが52%増、LMEが27%減。
(IRuniverse G・Mochizuki)
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