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日置電機(6866) 23/12期総会動画、有報メモ ややポジティブ継続

23/12期13.9%増収12.5%営利増で連続最高益、24/12も7.3%増収9.4%営利増予想

株価(3/25)7000円 時価総額982億円   発行済株14024千株

PER24/12期DO予14X  PBR(2.6X) 配当(24/12予)200円 配当利回り2.8%

 

要約

・23/12期は電子測定器のエネルギー分野伸長し17.2%増収23.0%営利増と連続最高益更新

・24/12期もエネルギー計測好調で7.3%増収、9.4%営利増と最高益更新続く

・中期経営計画として25/12期に売上高460億円、営業利益107億円目指す

 

23/12期は電子測定器のエネルギー分野伸長し17.2%増収23.0%営利増と連続最高益更新

 

 23/12期は売上高391.54億円(会社計画比2.54億円増額、13.9%増)、営業利益79.55億円(同0.15億円増額、12.5%増)、経常利益2.36億円(同1.56億円増額、13.0%増)、税引利益63.29億円(同2.49億円増額、18.7%増)とほぼ計画通りに着地、3期連続最高収益更新となった。また受注は375.11億円(2.2%増)、受注残は55.6億円(20.0%減)と、部材不足の影響緩和で受注残高の消化が進み、適正な水準に戻った。

 

 四半期推移では23/12Q4が売上高95.90億円(同期比1.1%増)、営業利益16.62億円(21.0%減)、受注88.42億円(同12.3%増)となっており、材料高などの影響で営業利益が2四半期連続して同期比減益となっている。


 製品別売上では主力の電子測定器が213.74億円(計画比10.04億円増額、20.4%増)と大きく伸長した。内訳は国内が63.22億円(30.7%増)、海外が150.52億円(16.6%増)に。同分野はバッテリー、デバイス、エネルギーに分類されるが、バッテリーは中国のバッテリー需要の鈍化で中国以外での投資が継続されたものの、計画に対し未達、ほぼ横ばいの状況。一方で牽引したのがエネルギー分野で再エネやEV等の設備投資が活況で、これらの市場向けに大電流対応の機能測定向けに大きく伸長した。記録装置は売上高54.26億円(同1.04億円未達、7.4%増)と、バッテリーの高電圧化でセル単位での電圧や湿度の推移の把握が重要となりデータロガーの需要が増加した。現場測定器は売上高76.60億円(同3.60億円増額、15.2%増)と再エネ増で電源の分散化から保守メンテナンスの重要性が高まったこと、EVの修理時に安全確認のための現場測定器の需要が高まったなどが寄与した。自動試験機器は売上高28.82億円(同9.88億円未達、10.6%減)と半導体市場の不調、生産リードタイムの長期化で売上が未達となり、受注残高が増加した。

 

 地域別売上では国内が143.68億円(同4.48億円増額、15.9%増)。電子デバイス向けが不振もパワーアナライザがEV、再エネ向けに伸長した。海外は売上高247.86億円(同1.94億円未達、12.8%増)に。内訳では中国が105.45億円(同6.35億円未達、1.7%増)に止まりバッテリー関連が停滞した影響が大きい。一方、南北アメリカが33.74億円(1.25億円増額、28.9%増、欧州も26.99億円(同3.89億円増額、41.2%増)と上期がバッテリー、下期は再エネ向けが伸長し、全体で大きな伸びに。韓国も37.80億円(同5.58億円増額、23.6%増)、電動化関連で伸長した。

 

 製品別受注では主力の電子測定器が194.20億円(0.2%減)と、バッテリー向けの不振の影響を受けて横ばい、その他は何れも増加に。

 

 利益面では売上増に伴う総利益増27.9億円、為替差益4.54億円の増益要因に対し、固定費増23.59億円(研究開発費増6.65億円増、37.46億円、人件費5.06億円増の46.80億円、その他支払手数料、複利厚生等)などの減益要因で、全体として営業利益率は0.3ポイント悪化している。

 

 

24/12期もエネルギー計測好調で13.2%増収、12.3%営利増と最高益更新続く

 

 24/12期会社予想は売上高420億円(7.3%増)、営利87億円(9.4%増)、経常利益88億円(6.8%増)予想と、引き続きエネルギー分野の好調維持、バッテリーもEV以外の伸びで堅調に推移し、4期連続最高収益更新予想となっている。

 

 部門別では2030年の新しい社会システムを構成する重要市場に開発資源を集中する長期ビジョンに沿って中計計画を変更しないとした。具体的に主力の電子測定器は、売上高223.20億円(4.4%増)を見込む。分野別ではEV用バッテリー関連が不透明も、定置型、2輪用などが拡大見通しで今期は増収に転ずる見通し。またエネルギー関連は引続き再エネ関連、定置型インバータ、EV向け高電圧測定などが好調持続見通しに。自動試験機は半導体、電子部品向けの回復見通しで伸び率が高まる見通しに。地域別では中国向けが108.50億円(2.9%増)と伸び率鈍化継続予想も、米国は脱炭素関連で42.30億円(25.3%増)、欧州は販路拡大もEV向け見直し等で26.40億円(2.2%減)予想に。また注力するインドや、インドネシアは拠点をおいて拡大見通しなど、中国以外でのグローバル展開の進展で輸出比率70%に向けて拡大を目指すとした。国内は151.70億円(5.6%増)を目指すが、1月より販売体制を日本と中国で大きく変更、エリ制からマーケット軸に再編している。

 

 なお、半期では上下同額予想で、結果として24/12H1が3.3%増収、4.3%営利減、24/12H2が11.6%増収、27.5%営利増予想となるが、通常は下期のウエイトが多少高いのが通常で、下期に新製品の拡大が見込まれること、4月から日本国内での価格改定なども進めることから、下期に多少の増額修正が見込まれる。

 

 利益面では部材調達などの遅延が解消しつつあり、4月の値上げ効果も下期にはプラス寄与、加えて新製品効果も見込まれ、会社計画を上回る利益が見込まれる。

 

 

中期経営計画として25/12期に売上高460億円、営業利益107億円目指す

 

 同社は中計の数値目標として25/12期に売上高460億円、営業利益107億円達成を掲げている。現状、23/12期は計画を上回り、24/12期についても新製品効果などが加わり、計画の上振れが期待される。

 

 中計での成長の中身はやはり電子測定器のエネルギー、バッテリー部門に有り、新製品を相次いで投入している。具体的にはエネルギーの有効利用のために熱エネルギーマネージメントの必要性が増しており、エネルギー変換を動じに計測し統合して解析する測定技術を開発、2023年末に新製品群を相次いで投入、この効果は2024年下期から本格的に収益寄与が見込まれる。また自然エネルギーの安定供給に対し、水素関連の新たな計測技術の提供を始める。このため、25/12期については新製品効果、海外拠点の拡充効果、生産拠点の能力増強、加えて業界に先駆けデータのクラウド化、課金システム構築なども進め、ソリューションビジネスの拡大も行う等などから、中計計画の達成も十分視野に入り、増額での着地が期待される。

 

 

 株価は4/17の23/12Q1決算の発表微日の翌日4/18の9870高値のあと、好材料出尽くし感、またその後のEV車導入の変調などもあり、徐々に下落し2023年末には5990円と一瞬6000円大台割れとなったあっと反発、23/12期決算がほぼ計画線、24/12期予想も中計予想となり緩やかに上昇してきた。現在会社24/12期予想EPS486.24円に対しPER14.4倍はプライム電機平均PER23.0倍に対し割安感があり、今後も電池、新エネルギー関連株として最高益更新が見込めるものの、とりあえず24/12H1を減益見通しとしていることから、本格的な業績織込みは下期になるとみられるため、ややポジティブ継続としたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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