DOWAと古河機械金属、加ジブラルタル銅鉱山の権益売却 小名浜精練への委託終了で
DOWAホールディングスと古河機械金属は3月25日、それぞれの自社ホームページ上で、「保有していたカナダ・ジブラルタル銅鉱山の運営会社の権益を同国金属大手のタセコ・マインズ(TASEKO MINES LIMITED)に売却する」と発表した。
■それぞれ25%を保有
プレスリリース(DOWA): CARIBOO COPPER CORP.の株式譲渡について | ニュースリリース | IR・株式情報 | DOWAホールディングス
プレスリリース(古河機械金属): 240325_cariboo.pdf (furukawakk.co.jp)
(DOWAのホームページより)
DOWAは子会社のDOWAメタルマインを通じ、古河機械金属とともにそれぞれ25%ずつをジブラルタル鉱山の運営会社カリブーカッパー(CARIBOO COPPER CORP、CCC)に出資し、残る50%をタセコがもともと保有していた。売却理由として、両社はともに2023 年 3 月末の福島県・小名浜製錬との委託製錬契約の終了を挙げた。銅の生産規模の縮小に伴い、銅鉱山への出資を見直したとしている。
関連記事:DOWA HD:小名浜製錬との委託製錬契約終了し、同社株を三菱マテリアルに譲渡 | MIRU (iru-miru.com)
古河機械金属は売却に伴い、2024 年 3 月期の通期業績で関連会社投融資整理損として、連結で約 21 億円、個別で約 16 億円の特別損失の計上を見込む一方 、投資有価証券売却益を特別利益に 計上する予定とした。DOWAは業績への影響は発表していない。
■買収総額は1億1700万ドル-タセコ
プレスリリース(タセコ、英語): Taseko Mines | News
タセコ側の発表では、今回の買収総額は1億1700万ドル。支払期間は10年間で、最初の500万ドルを支払った後、支払い金額はロンドン金属取引所(LME)相場に連動して毎年、比例配分される。2026年3月から始まる年度をスタート地点として支払いが継続され、最終年に残高を支払う。今回の売却により、タセコのCCCの持ち株比率は100%、ジブラルタル銅鉱山全体の権益保有分は25%となる。タセコは別会社を通してジブラルタル銅鉱山の権益75%を保有していたため、同鉱山の権益はタセコが100%を握ることになる。
ジブラルタル銅鉱山はカナダのブリティッシュ・コロンビア州北東部にある鉱山で、2023年の銅生産量は23万WMT。1970年代から生産を開始したが収支が合わずに一時閉山し、タセコが再開した経緯がある。DOWAと古河機械金属は、2010年に出資し、小名浜精錬向けの銅と亜鉛の原材料供給源の1つと位置付けていた。
(IR Universe Kure)
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