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「放っておけない」で実現した食品ロスへの挑戦 「クラダシ」代表取締役社長 関藤竜也氏講演

 2024年5月17日、東京木場で、企業家倶楽部第五回定例会が行われた。今回で「ベンチャーパーク」が開催されて1周年ということもあり、会場には起業家を含め、起業家を目指す高校生などの姿も多くみられた定例会となった。

 

 

 

 今回の定例会では「EY・アントプレナー・オブザイヤー・2021」など多くの賞に輝いた㈱クラダシ代表取締役社長、関藤竜也氏が講演を行った。

 

 関藤氏が社長を務めるクラダシは、主に様々な理由で廃棄されてしまう食品類を、廃棄する前に、必要としている消費者へ届けるためのECサイトを運営する企業である。

 

 関藤氏は、商社勤務時代に中国へ駐在した経験などをもとに、2014年に「クラダシ」を設立し、「もったいないを価値に」というスローガンを掲げている。

 

世界有数の食品ロス大国ニッポンを商機に

 

 関藤氏は、まず日本における食品ロスの実態を説明した。

 

 世界での食品ロスの数量は、食品生産が44億トンに対し、廃棄量が13億トン。実に1/3が食品ロスという世界での数字の中で、日本の食品ロスの数量は、世界第6位。アジアワースト1位というのが日本の現状だという。

 

 日本における食品ロスの数量は年間で523万トン。この数字は、日本人一人当たり毎日おにぎりを1つ捨てているという計算になるという。しかし、日本は食料の6割を輸入し、また別の視点でみると、現在日本の貧困は、7人に1人の子供が貧困、日本の食料自給率が37%と、食品ロスの多い国に反比例して、食にありつけていない子供の率が高くなっていることを指摘。

 

 このように日本で食品廃棄の量が多い原因の一つとして、食品流通過程において、製造者、販売者、消費者が製造日から賞味期限を均等に分け合ういわゆる、「1/3ルール」と、「四季」に基づくイベント販売等の影響が絡んでいると話す。

 

 その関藤氏がクラダシ設立のきっかけは、1995年の阪神大震災と商社勤務時代にあるという。阪神大震災時、大学生だった関藤氏は震災の被害をテレビで見るなり、「放っておけず」リュックに支援物資を持ち、現地へ行ったが、目の前の惨状に対し「一人では何もできない」ということを実感したという。

 

 また、1998~2000年にかけて、商社勤務時代に「世界の工場」と呼ばれた中国へ駐在していた時に目の当たりにした、「残すほど注文をする」という文化による大量廃棄に対し危機感と「放っておけない」という気持ちだったという。

 

 このように国内外で行われる大量廃棄に対し「放っておけない」という気持ちから、世の中がフードロス問題に対し声を上げる中の2014年に「クラダシ」を設立。

 

 現在はパートナー企業1700社、会員数53万人を超えるECサイト運営会社までに成長している。

 この事業をもとに、売上金の数パーセントを災害など根の義援金に充てるサービスや、昨今長期化が続くウクライナ戦争で、食糧難となっているウクライナへの食糧支援なども行っている。

 

 関藤氏は

「これは事業も同じだが、今回の支援も、政治を批判する前にやる気がある企業が率先してやる。フードロス問題も同じように思える。」と話した。

 

 現在ではECサイトだけではなく実店舗も出店したクラダシ。

 

 関藤氏の目指す、「日本で最もフードロスを削減している会社」の実現も近いように思える。

 

 

(IRUNIVERSE Hatayama)

 

 

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