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急増する金属窃盗、対策は「カメラよりブザー」 エアコン室外機やガードレールも被害

 金属価格の高騰を背景に金属窃盗事件が急増している。もともと太陽光発電所からの銅ケーブルなどが目立っていたが、2024年に入り非鉄金属全般が値上がりするにつれ、ケーブルだけでなくエアコン室外機やガードレールなどにまで被害が広がってきた。窃盗を防止するのはもちろん、買い手側のスクラップ業者も巻き込まれないように注意が必要だ。

 

■蛇口や道路の側溝蓋も

 

 

関連記事:金属窃盗事件 2023年は1.5倍超に――海外でも深刻な波紋広がる | MIRU (iru-miru.com)

関連記事:太陽光発電所からの銅ケーブル盗難対策で注目されるアルミケーブル | MIRU (iru-miru.com)

 

 金属窃盗事件は従来、金属相場が値上がりすれば該当金属が盗まれるという形で増えるもの。ただ、2024年に入り対象となる金属が拡大し、被害の範疇も広がっている。福岡県では5月下旬に公民館のエアコン室外機11台が盗まれたと伝わった。同様の被害は茨城県でも発生し、8月にオープンを控えたデイサービス施設でエアコン室外機が盗まれたという。

 また、3月には千葉県で金属製ガードレールが盗まれる事件が多発。茨城県では水田に水を送る給水管の蛇口(バルブ)が900個以上盗まれ、群馬県では道路の側溝にかぶせる鉄製の蓋が80枚盗まれたという。

 

■音声ブザーで「自動通報します」が効果的

 被害の拡大を受け、5月の展示会でもセキュリティ対策が打ち出されるなど、業界の危機感も強まっている。

 

関連記事:展示会で見えた 増え続ける銅線泥棒に対するセキュリティ対策 | MIRU (iru-miru.com)

 

 ただ、防止策については、親子2代で事業を営む警備会社トップによれば「車を使った夜間の盗難であることをまず認識する」ことが肝要だ。その上で、「監視カメラは、夜間は映像が映りにくく、特にマスクやサングラスなどしていれば犯人の特定まで結びつきづらい。犯人側もそれを知っているのでそれほど恐れない。それよりもセンサーで人の気配を察知したら大きな音が鳴るブザーが良いだろう」とのことだ。

 さらに、「単純なブザーよりも音声であればなお効果的。例えば『3分以内に立ち退かなければ警察に自動通報します』というような警告音性ならベストだ」とも話した。

 

■千葉県警は買取業者規制を検討

 窃盗多発の理由は、もちろん部品が高く売れることだ。例えばエアコンなら、銅相場の上昇に伴い銅管付きのエアコンラジエター価格も過去最高値圏に上昇している。

 

過去10年間のエアコンラジエター価格の推移(銅管付き)(JPY/kg)

 

 新品価格の高騰は中古品にも反映されるだろうし、室外機は中の部品まで金属の塊で、解体して業者に持ち込めば高く売れるとの認識も広がっている。アルミや錫などの廃品も同様だ。

 こうして盗まれた品はもちろん買い取り業者に持ち込まれることになる。この点は警察も手をこまねいているわけではなく、例えばNHKによれば、千葉県警は1月、買い取り業者の営業を許可制にし、取引相手の本人確認を厳格化することなどを盛り込んだ条例の策定を目指すと明かした。具体的には金属類の買い取りをする業者の営業を許可制にしたうえで、買い取りの際に取引相手の本人確認を行うことや、取引記録を保存しておくことなどを義務づける方向で調整しているという。

 

千葉県警の資料:金属類の盗難事件が多発しています | 金属類の盗難対策 | 千葉県警察 (pref.chiba.jp)

 

  盗難急増を受け、今後は警察の業者への目も厳しくなることが予想される。条例の適用がない地域でも、スクラップ業者側は疑いのある取引は警察に通報するなど、巻き込まれないような自衛策を徹底することが望まれる。また、従業員による廃品商品の盗難なども起きており、業界全体で気を引き締める必要がありそうだ。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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