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メタルドゥ創立記念日(8/3)に藤田國廣氏の出版記念販売会を大阪で開催

 8月3日、猛暑の大阪は堂島アバンザのジュンク堂書店大阪本店のイベントスペースでメタルドゥ創業者である藤田國廣氏(77歳)の出版記念販売会が開催された。当日は限られたスペースに多くの方々が訪れて藤田氏の自伝的ともいえる「メタルドゥの軌跡」出版を祝した。来られたなかには氏の大先輩の姿もみられた。記者会見、藤田氏らの挨拶、祝辞のあと、サイン会も行われた。

 

 

 

→ メタルドゥ創業者 藤田國廣氏 出版記念イベントを8月3日に開催

 

 8月3日は奇しくもメタルドゥの前身である大阪商事の創立記念日でもあった。記者会見ならびに挨拶でも藤田氏が語っていたのは、レアメタルリサイクルというビジネスを通しての人との縁、めぐりあいを大事にしてきたということで氏のお人柄がしのばれる作品となっている。

この本はMIRUで2016年から連載していたコラムがベースになっている。それを元毎日新聞の富永氏が構成、編集し、かもがわ出版からリリースされた。

この本では国内でのビジネス、つながりが中心となっているがぜひ海外編も出してもらいたいもの。また、英文版も出してもらいたい、とは筆者からのリクエスト。

 

(左から若宮氏、藤田氏、山頬氏)

 

 当日は藤田氏の出身地である三重県の新聞社も来訪し、藤田氏に三重県への思いについても尋ねていた。氏と同じ高校だったという方やメタルドゥの元監査役の方々なども祝典に参加。まさに氏の人柄がしのばれる、良い意味で親戚の集まりあるいは同窓会的なひたすら和やかな雰囲気であったことも印象的だった。

 

今回、本の帯文を記した京都大学化学研究所の若宮教授は挨拶で

「冒頭の金属との出会いから引き込まれるように読みました。本書は現在では産業のビタミンとまで言われるレアメタルのリサイクル業界の黎明期を知る貴重な資料であります。そして同時に藤田氏が実業家として経験した豊富なエピソードも数多く紹介されており、非常に読み応えのある良書に仕上がっています。

率直にたくさんの方に読んで頂きたいと思います。レアメタルのリサイクルは人類に共通

する喫緊の課題への非常に重要なソリューションのひとつです。人生を賭してひとつの事業を成し遂げた同氏を同じ高校の後輩として誇りに思います。藤田氏が謙虚に人と付き合ってきたことが成功の秘訣ではないでしょうか?お人柄が行間ににじみ出ています」とのことで若宮教授は藤田氏の高校の後輩。同郷人である。大学では現在、ペロブスカイト太陽電池や元素戦略、半導体の研究も行っているとのこと。

(若宮教授から花束を渡される藤田氏)

 

 

2013年に藤田氏から社長業を託されている現メタルドゥ社長の山頬氏は

「私が大阪商事に入社したときから35年になります。この本でああいうこともあった、こういうこともあった、と昔を懐かしむと同時に、さらに社員一丸となって会社を発展させていかなければならないと身の引き締まる思いです。藤田が65歳で社長を退いた年に自分も近づいてきている。私もそろそろ次の社長候補にバトンを渡すことを考えている」と挨拶した。

 

 

主役の藤田氏は

「よく言われるように、年をとると、最近のことは失念するが、昔のことはよく覚えている」と言い会場を笑わせたあと

「IRUNIVERSEのウェブサイトで2年間、連載していくなかで、また今回、本を出版するにあたり、およそ60年前からの色々なことを思いだしていました。本に書けないことも多くありましたが、私の人生においてレアメタルリサイクルビジネスを通して、どのような出会いがあったかを率直に綴ってきました。当初は書籍にするつもりはなかったのですが、昨年(2023年)、知人からの提案で出版を奨められ、決断しました。

時代の変化、世界の変化、社会の変化のなかでレアメタルがどう活用され、そのリサイクルがいかに重要であり続けたかを、また、節目、節目でどう人とかかわっていくべきか、を書き出していき、できるかぎり多くの方々に伝えたかった」と藤田氏。

こうした「実務的」なレアメタルリサイクルの歴史本というものはほとんどない。筆者の認識では、以前に藤田氏の大先輩である富士興産創業者の小川金治郎氏(故人)が出版したものがあるが、やはり現場現物現実を体験した方々の話は面白い。

→ 富士興産会長小川金治郎氏著「これが私の人生~金ちゃんの穿入蛇行90年」は、まれに見る歴史書①

 

なお、この本の印税は、公益財団法人きずな育英基金に寄付されるとのこと。きずな育英基金は、一人親の子供や経済的な理由で勉強が続けられない子供を支援する団体。

具体的には、学習塾にかかる一定額の費用の給付や、スポーツ・音楽等での遠征費・用具費・月謝等の給付を、高校卒業まで継続して行っている。

 

きずな育英基金の山田代表理事は

「やはりこの本は英訳し、世界中に広く販売していくのが良い。そうすると印税も多く入りますから(笑)。この本には隅々まで藤田さんのお人柄が現れている。業界の人だけでなく経営者の方にも読んでもらいたいですね」と祝辞を述べた。」

 

 

 

(著書にサインする藤田氏と大阪金属の小川軍治氏(右))

 

 

(IRUNIVERSE YUJI TANAMACHI)

 

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