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「顔の見える再エネ発電所」1000か所突破、UPDATERが電力調達

みんな電力が電力調達している百丁場池発電所(兵庫県稲美町)

 

 

 

 再生可能エネルギー電力を供給している新電力「UPDATER」(アップデーター、東京都世田谷区)は、再エネ事業「みんな電力」で、電力調達をしている全国の「顔の見える再エネ発電所」が1000か所を突破したことを明らかにした。みんな電力は、比較的小規模な発電事業者を中心に再エネ電力を調達しているが、2016年4月から集まり始めた協力発電所数が、大台に乗った。環境への機運の高まりを背景に、さらなる再エネ電力普及を目指す。

 

 

 

 同社は、「コンセントの向こう側にいる再エネ電気生産者の見える化」を通して、電気を選択する楽しさやワクワク感を消費者側に生み出していくことを目指している。具体的には、法人顧客は、供給を受ける再エネ発電所を選べるほか、個人では、選んだ発電所に毎月の電気料金の100円分だけ支払うことができる「応援」サービスなどを展開している。発電事業者と、電力消費者との「顔の見えるつながり」重視する仕組みで、同社が業界で初めて導入した。

 

 現在、「顔の見える再エネ発電所」は岩手県や富山県などを除く42都道府県に拡大している。太陽光のほか、農地を活用したソーラーシェアリング、風力、地熱、バイオマス、水力と様々な再エネに広がってきたが、9割超は太陽光が占める。環境破壊につながる開発行為を行っていないことや、地域住民との合意形成など、同社の方針を了解した事業者から電力を調達してきたという。最近は口コミなども広がって、7月末現在で1025か所にまで増えた。

 

 そのうち、約250か所の発電所については、同社ホームページで、発電事業者の人となりや事業の思い入れなどの情報を公開してまとめて紹介。そうした情報から、個人顧客はお気に入りの再エネ発電所を見つけて、「応援」していく仕組みだ。発電事業者は、売電収入に上乗せされる形で「応援」分を受け取れるメリットがある。

 

 

小さな発電事業を積み増して、再エネ電力を供給

 

 

 一方、応援を受けた発電所側は、地元のお米やメロンといった農産品などを返礼品としたり、発電所を見学できるツアー、電気事業者との交流会などの特典を用意したりしているケースもあるという。「返礼は、あくまでも『気持ち』として、事業者に任せている」(アップデーター共創・コミュニケーション部)仕組みだ。ただ、やはり返礼品の魅力さが、発電所の人気と結ぶつくことも多いようだ。温泉地に多い地熱発電所では、温泉自体を返礼とする事業者もいるという。

 

            顔の見える再エネ発電所の一つ「柏そらぴか発電所第1号」(千葉県柏市)と関係者ら

 

 

 

 

 「顔の見える再エネ発電所」は、牛舎の上や個人宅の屋根上にパネルを載せるなど、出力100kW以下の小規模事業者が中心だという。同社に電力提供を申し出る事業者は、そもそも、交流会を催すなど消費者と関わりたい意向を持つ例も多い。ある事業者は、発電所に併設するレストランでのランチを返礼品としたが、その顧客がランチを食べに来たことがきっかけとなり、仲が深まり発電所で働くまでになったケースもあったという。

 

 アップデーター共創・コミュニケーション部は、事業の意義について「今まで、多くの人は、自分が使っている電気を誰がつくり、どこから来たのかを考えたりすることがなかったはず。電気が、どこから来たかという新しい価値を生み出したい」と語る。また、「電気を選んで応援することで、たった100円でも集まれば大きな金額になる。それによって地域を応援することもでき、社会問題の解決などにもつなげることができる」と指摘する。

 

 再エネ100%電力を供給するみんな電力では現在、約1万7000世帯、企業約1200社(約6000拠点)に提供されている。丸井グループや、マツモトキヨシグループなどが、みんな電力を利用していることが公表されている。

 

 今後、アップデーターは沖縄県を除く残りの地域でも「顔の見える再エネ発電所」を広げていきたい考えだ。

 

 

 

(IRuniverse Kogure)

 

 

 

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