BASFとフラウンホーファーIPMS 半導体製造研究協力で10周年、化学物質他で効率評価
◾️マイクロチップ相互接続用の改良材料に関する共同研究
◾️インフラおよび専門知識の共同利用により、製造規模に対応した化学物質とプロセスの効率的な評価が可能に
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)とフラウンホーファーIPMS(本社:ドイツ ドレスデン)は、提携から10周年を迎えた。これまで両社は「BASF Plating-Lab (BASFメッキラボ)」の一環として、半導体製造とチップ統合の分野における革新的でカ スタマイズされたソリューションの開発に取り組んできた。フラウンホーファーIPMS のナノ電子技術センター(CNT)におけるパイロットテストでは、半導体集積における材料と技術の効率性と費用対効果を高めるための戦略が策定され、実施されている。
BASFの電子材料ビジネスユニットのシニア・バイスプレジデントであるDr. ローター・ラウ ピヒラーは次のように述べている。「この提携を通して、私たちは市場で拡大する課題に対処し、相互接続とパッケージング の分野における新技術を実現しています。」
業界標準に沿ったプロセス評価
マイクロチップの製造と統合には、数多くの電気化学的プロセスが必要で、個々の回路を接続し、チップ内で導体経路のネットワークを形成するためには、さまざまな層の金属または金属合金をウェハーに塗布する必要がある。全体的な統合のあらゆる段階や、その後のさまざまな用途に対応するためには、化学品や作業工程を顧客の 個々の工程に適合させる必要がある。BASFとの協力関係の一環として近年、電解メッキ蒸着プロセス用の新しい化学品の評価が行われている。
同時に、それに対応する製品テストと実証試験も、ウェハーレベルで実施されている。BASFは、フラウンホーファーIPMSのクリーンルームに最先端のプロセスツールを設置し、フラウンホーファーの経験豊富な科学者たちがこれを使用している。このように、両社は業界のプロセスで使われているものと同じツールを使用しており、 顧客は適格性確認にかかるコストを大幅に削減することができる。その結果、開発時間とコストを節約し、より効率的なプロセスを確立することができる。そのため、革新的なソリューションを開発し、生産条件下で直接評価することが可能になる。
業界パートナーへの直接適用の可能性
この 10 年間で、両社は 12,000 回以上のプロセス実行を完了。フラウンホーファ ーIPMS の次世代コンピューティングビジネスユニット責任者、Dr.ベンジャミン・リリエンタ ール=ウーリッヒ氏は、「開発されたケミカルパッケージや製品は、私たちのお客様の工 業プロセスで直接使用することができます。」と述べている。例えば、デュアルダマシン技術による小型回路の配線構造の製造にも使われている。これらの製品は、インターポーザ、チップレット、再配線構造(ピラー、RDL、TSV)用 3D パッケージの製造においても重要であり、ウェハー対ウェハーのハイブリッド接合で金属層を形成することもある。
2014 年 6 月、BASF とフラウンホーファーIPMS は、CNT に開設されたスクリーニングファブの一環として協力関係を確立した。フラウンホーファーIPMS は、このために直径300mm のクリーンルームインフラを BASF に提供。顧客及びパートナーは、研究所のあるシリコンサクソニーのネットワークの技術を利用するからことができる。これにより、フラウンホーファーIZM-ASSID のドレスデン支所など、他の地 元施設の関与や、フラウンホーファーIPMS のグローバルな産業パートナー(ボッシュ、インフィニオン、グローバルファウンドリーズ)専用の直接プロセス開発が可能になる。
新たに設立された研究センターCEASAX(「Center for Advanced CMOS and Heterointegration Saxony」)では、特にマイクロシステムのヘテロインテグレーションに関して、用途に沿ったソリューションにさらに緊密に取り組むことが可能になる。
(IR universe rr)
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