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2035年の車載半導体世界需要額は25年比で185%伸長―JEITA予測

車載半導体需要額見通し(世界)(JEITA会見資料より引用)

 

 

 電子情報技術産業協会(JEITA)は19日、SDV(Software Defined Vehicle)の進展に伴う車載半導体の需要額見通しを発表した。2035年における世界の車載半導体世界需要額は1594億ドルで、SDV化により25年比で185%の伸長となる見通しとした。

 

 SDVとは、車と外部との間の双方向通信機能を使って車の制御ソフトウェアを更新し、販売後も機能を増やしたり性能を高めたりすることが可能な自動車を示すもの。具体的な対象機能としては、運転支援機能や事故防止機能、自動運転機能の精度向上が挙げられる。

 

 JEITAが、主要国政府の政策や海外先進企業の動向など公知情報の分析と、国内外先進企業へのヒアリングを通して行った調査によれば、35年における世界の新車生産台数は9790万台、そのうちSDVは6530万台でSDV比率は66.7%になる見込みだという。企業間連携による技術革新やプラットフォーム化の加速、日本をはじめとする各国政府の強い後押しへの期待を背景に、30年頃に世界中の自動車メーカーがSDVを本格導入すると予想されることから、市場も急速に拡大すると予想している。

 

 従来の自動車はエンジンやトルクコンバーターなどのハードウェアが自動車の性能に大きく影響するが、SDVは搭載されるソフトウェアによって自動車の性能が左右される。したがって、搭載される半導体も高性能化や設計の複雑化が求められることになる。国内自動車業界2位の本田技研工業も今年5月に将来的なSDVの実現に向けた次世代半導体・ソフトウェア技術の長期的な共同研究開発に関する覚書をIBMに締結。処理能力や消費電力、半導体設計の複雑化などの課題解決に向け動き出している。

 

 JEITA の調査では2035年の車載半導体世界需要額は1594億ドルのうち、SDV半導体需要額は1186億ドルとなる想定だ。ECU(電子制御ユニット)で使われるロジックICや高性能MCU/MPU(マイコン/マイクロプロセッサ)だけでなく、パワー半導体やアナログICの増加も期待されている。

 

 

会見に出席した津賀会長

 

 JEITAの津賀一宏会長(パナソニック ホールディングス会長)は19日に行われた会長会見に参加し、「ソフトウェアの重要性が高まるのはクルマに限った話ではない」と強調。仮想化技術を用いて IT インフラをソフトウェアで制御する「SDX(Software-defined X)」の時代が到来すると見解を語った。人材の高齢化などから「デジタル化が進みにくいとされていた日本のモノづくりにも変化が出始めている」という。政府の半導体事業戦略の今後の動向についても注視していきたい。

 

 なお、世界のSDV向け電子部品需要額は35年には118億ドルに成長すると JEITAは予測している。車載電子部品全体で見ても2025年比で1.5倍の市場拡大となり、そのうちSDV向けが約7割に達する見通しだ。特に抵抗器とコンデンサの成長が著しく、これらがSDV向け電子部品需要額の約8割を占めると予想している。SDVの廃棄ピーク期に備えたE-Wasteのリサイクル体制の強化も急務といえる。

 

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

 

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