第11回バッテリーサミットの成功 – 蓄電池の未来に向けた国際的な技術と政策の交流の場
2月18日IRユニバース社主催の第11回バッテリーサミットが盛大に開催されました。
会場には約200名の参加者が集まり、主催者である棚町社長の挨拶に始まり、午後を通して13件の発表が行われました。
今回のサミットには、日本企業をはじめ、ブラジル、中国、豪州(インドネシア)、コンゴ、インド、そして欧米 各国から多くの企業が参加し、WEB講演を含む13件の発表が行われました。
講演は英語と日本語で行われ、参加者は多岐にわたる分野の最新情報を得ることができました。
発表内容は、原料(鉱物)、リチウムイオン電池製造設備、最新のバッテリー技術、リサイクル、政策動向に関するもので、最先端の内容が幅広く報告されました。
参加者からも多くの質問が寄せられ、活発な議論が繰り広げられました。
また、講演会後の交流会では、講演者と参加者が直接交流する場が設けられ、非常に有意義な時間が共有されました。
今回のサミットで特筆すべきトピックは以下の通りです:
1.ニオブの電池分野への応用: 世界シェアの7割を握るニオブのトップメーカーCBMM社から、ニオブの電池分野への応用(正極材、負極材)について詳細な発表がありました。
次に、CBMMと協業する東芝から次世代負極材料であるニオブチタン酸化物(NTO)の共同開発試作品が紹介され、参加者から高い関心を集めました。
2.資源に関する発表: コンゴ(DRC)のCTCPM社からは、銅をはじめとする同国の豊富な金属資源についての詳細な発表がありました。豪州のNickel Industries社からは、インドネシアでのニッケルの合弁事業の詳細な説明が行われました。
特に、コンゴ(DRC)からの担当者と直接交流できたことは参加者にとって貴重な機会でした。
3.リチウムイオン電池のリサイクル: 第10回サミットでは日本の状況に関する発表が行われましたが、今回は海外のリサイクル関連メーカーであるインドのEvergreen Recyclekaro社、韓国のSungEel HiTech社から事業者としてのリサイクル状況、中国のSMM社からは中国でのLFPリサイクルの詳細が発表されました。リサイクルが進んでいる海外の状況を詳しく聞くことができ、参加者は世界のリサイクルの状況に関して理解を深めました。
4.日本の蓄電池政策: 日本の蓄電池政策展開に携わる西村議員(元経産大臣)と三宅議員(バッテリー議連事務局長)が登壇、蓄電池政策に関する考えを両議員から直接伺い、交流する貴重な機会となりました。参加者は、蓄電池産業の発展に向けた具体的なビジョンを共有することができました。
このような国際的な規模で開催されたバッテリーサミットは、日本及び世界の蓄電池産業の発展に大きく貢献することでしょう。 今後もこのサミットがグローバルに開催され、さらなる技術革新と政策の発展が進むことを願います。
(JFE Chemical Nagayama)
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