2月の銅の概況及び3月の見通 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 8500-9500ドル ↓
建値 125万-151万円 ↓
為替 145~155円 (1か月間TTM) 円高
■国際概況
2月1日からのメキシコ・カナダへのトランプ関税賦課に対する警戒感や国による対米報復関税を受けて非鉄貴金属の需要不安などの悪材料もあったが中国からの小口の輸入品(800ドル未満)に関する関税の免除措置を当面維持すると発表 したことや、9日発表の1月の中国消費者物価指数(CPI)が市場予想や前回値を上回り、景気減速への警戒感が緩和したこと受け上昇
月末日 スタート価格から466ドルUPの9415.5ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
155.43 → 150.67(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると1月の自動車生産台数は前年比+18.2%の64万8550台
輸出は前年同月比+3.2%の28万9623台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると2月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+15.9%の26万2755台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
1月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比4.6%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.2%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 56,134戸。
・前年同月比 4.6%減, 9か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 4,273千㎡。
・前年同月比 4.9%減, 9か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 774千戸。
・前月比 1.2%減, 先月の増加から再びの減少
出典 国土交通省統計
【伸銅品生産】
2025年1月の伸銅品生産動向速報値を公表した。1月伸銅品生産量速報値は5万1,160トン、前年同月比1.0%増加した。3か月ぶりプラスに転じた。それでもまだ前年の低調からの回復感が乏しい。
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
【電線】
前年比-2.3%の46900t
うち 国内-2.7% 輸出が +29.9%
出典 日本電線工業会
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 -17.3%の4万8052t
スクラップ -35.9%の2万5993t 未入電
輸出推移
【輸入】
電気銅 -83.4%の99t
スクラップ +61.5%の1万3244t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると1月の自動車生産台数は前年比+18.2%の64万8550台
輸出は前年同月比+3.2%の28万9623台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると2月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+15.9%の26万2755台
【住宅着工戸数】
1月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比4.6%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.2%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 56,134戸。
・前年同月比 4.6%減, 9か月連続の減少
○新設住宅着工床面積は 4,273千㎡。
・前年同月比 4.9%減, 9か月連続の減少
○季節調整済年率換算値では 774千戸。
・前月比 1.2%減, 先月の増加から再びの減少
【伸銅品生産】
2025年1月の伸銅品生産動向速報値を公表した。1月伸銅品生産量速報値は5万1,160トン、前年同月比1.0%増加した。3か月ぶりプラスに転じた。それでもまだ前年の低調からの回復感が乏しい。
14品目中9品目が前年同月実績を上回った。
伸銅品の各用途別の需要概況は、このまま回復につながるコメントが少なく、あまり良い状況にない様子である。自動車は、前年の不正問題などによる国内減産から、やっと回復してきた。しかし、海外の自動車販売が伸びず、全体的にパッとしない。民生用の電子機器や部品も回復が見えない。住宅着工も伸びず、人手不足から大型案件の建設も伸びない。
明るい話題は、ルームエアコンは在庫問題が解消し、好転していることと、スマートフォンやAI関連の需要がある。ただ、それも伸銅品の極一部の品目に限られている。
銅条
同比3ヶ月ぶりプラス。ただ、低調だった前年同月からの反発増で、数値自体依然として低調である。生成AIを中心に半導体の好調が話題となっているが、銅条の需要が回復しない。銅条が使われるリードフレームを搭載した半導体製品が回復しないためである。自動車向けは、海外の販売不振がマイナス要因となっている。
黄銅棒
同比6ヶ月ぶりプラス。人手不足から新規住宅着工件数が伸びない。設備機器も低調に推移している。
【電線】
前年比-2.3%の46900t
うち 国内-2.7% 輸出が +29.9%
【輸出】
電気銅 -17.3%の4万8052t
スクラップ -35.9%の2万5993t 未入電
【輸入】
電気銅 -83.4%の99t
スクラップ +61.5%の1万3244t
【見通し】
【自動車】
1月の自動車生産が+18.2%。2月国内販売台数が前年比+15.9%
販売、生産共に増加。
トランプ関税による自動車販売の影響はあるがまだ先か?。
【伸銅品生産】
2025年1月の伸銅品生産動向速報値を公表した。1月伸銅品生産量速報値は5万1,160トン、前年同月比1.0%増加した。3か月ぶりプラスに転じた。それでもまだ前年の低調からの回復感が乏しい。
あまり良い状況にない様子である。自動車は、前年の不正問題などによる国内減産から、やっと回復してきた。しかし、海外の自動車販売が伸びず、全体的にパッとしない住宅着工も伸びず、人手不足から大型案件の建設も伸びない。
【電線】
前年比-2.3%の46900t
うち 国内-2.7% 輸出が +29.9%
輸出が回復 今後に注視。
【スクラップ景況予想】
銅建値が144万から149万へ上昇するも再び144まで下落。
伸銅品生産減 発生減から在庫薄
長期在庫分は相場の急落により売らず買えずの膠着状態
メーカーは材料難ではあるが値段が合わず買えず状態。
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
●米とトランプ大統領の関税政策
3月4日午前0時1分をもって、メキシコ、カナダへ25% 中国10%の追加関税が賦課された 他国への関税も予告しており今月は混乱から相場は下落傾向
●3月のFOMC
今月開催予定のFOMC通常であれば据え置きから利上げのインフレ対策モードであるがトランプ米大統領が利下げを言及しており据え置きから利下げ予測。
これらを踏まえた今月の銅価格は 8500-9500ドル(セツル)との予想。
ドル円値は145円~155円(TTM)台を予測。
銅建値に関しては125万-151万円程度と予測。
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