韓国・SW Chemicalsが日本向け合成ダイヤモンドの拡販を推進―代理店・蝶理と協力

韓国・群山市に拠点を置くSW Chemicals社は、Lee Seung Whan (Ph.D, CEO)代表が韓国核融合エネルギー研究員を経て、Lee代表によって2019年に創業された。これまで120億ウォン規模の投資を受け、ナノダイヤモンドの量産化と多結晶ダイヤモンドの量産化に成功した会社である。
火薬を取り扱う会社にもかかわらず、韓国関連法律規制が多く、安全問題などで敷地確保もなかなか容易でなかった。また、ナノダイヤモンド合成するための装置価格もかなり高額であるため、初期の事業推進にかなり苦労をした。
それにもかかわらず韓国で新素材技術への参入が、市場創出の機会であるという確信をもとに、生産性を高めることに力を注いだ。40億ウォン規模の投資を維持し、約60億ウォン相当の政府技術開発事業に参加しながら、韓国国内で初めて爆轟法でナノダイヤモンド及び多結晶ダイヤモンドの量産化に成功した。同社の強みは、独自開発したチャンバーの中で爆薬原料から高品質の製品まで量産化することにある。
最近、合成ダイヤモンドは中国とロシアが主要生産国として挙げられるが、いずれも政府の管理下にあるため、日本の顧客にとっては中長期的な供給が不安定な状態である。一方、SW Chemicalsは高品質の製品を生産し、品質面での差別化に加え、安定的な供給のメリットも活用し、戦略的に市場にチャレンジしている。
また、合成ダイヤモンド分野で、戦略的に市場確保をするため、韓国全羅北道南原市の一般産業団地33,000㎥の敷地に合計106億ウォン余りを投資(雇用33人)し、独自の生産ラインを新たに構築した。ナノダイヤモンドと多結晶ダイヤモンドの生産施設を自動化システム導入及び装置増設を通じて生産能力を2倍に増強し、多様な需要に備えている。日本では代理店契約を結んだ蝶理を通じて市場開拓に取り組んでいる。
爆轟法で生産したダイヤモンドは、優れた物理・化学的特性を持つ次世代素材として、注目されており、新素材として半導体・電子製品領域などでの拡大が可能である。
また、爆轟法で生産したダイヤモンドクラスターは多数の官能基が存在するため、その活用範囲は非常に広く、接触した物質に対して酸化還元反応を起こす性質を持っている。そのため、コーティング材料、複合材料、電子製品および半導体関連材料、エネルギー材料など、幅広い分野への活用が期待されている。
爆轟法で生産したナノダイヤモンドと多結晶ダイヤモンドは、半導体関連のダイヤモンド工具や潤滑油、電解めっき添加剤、放熱フィラー向けが主なターゲットとなる。日本市場では、SiCウェーハの研磨・工具用途で、多くの顧客と技術的な協議が進んでいる。また、ナノダイヤモンドを含め、光学レンズ研磨用としても積極的に営業活動を行っている。2025年の日本事業展開により、蝶理とナノダイヤモンド・多結晶ダイヤモンド製品を採用している企業との連携をさらに深めるとともに、サンプルの提供や展示会への出展などを通じて、ダイヤモンド製品の広告を加速している。
(IRuniverse)
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