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IHI 世界初、タイ石油化学プラントでCN貢献型低級オレフィン製造プラント運転開始

~石油製品の製造工程から発生するCO2を樹脂原料製造へ活用~

 IHIは、8月29日、タイ王室系企業The Siam Cement Group Public Company Ltd.傘下のSCG Chemicals Public Company Ltd.(以下、「SCGC」)が同国内で運営する石油化学プラントにおいて、低級オレフィン(※1)製造パイロットプラントの設置を完了し、既設のナフサクラッカーからの実排ガスを原料とした運転を開始したと発表した。これに伴い、Sakchai Patiparnpreechavud SCGC CEO、飯村 亜紀子NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)理事臨席のもと、プラント運転開始のセレモニーを執り行った。

 

 パイロットプラント運転開始セレモニー

左2人目 IHI常務執行役員 技術開発本部長 久保田 伸彦氏

左3人目 SCGC CEO Sakchai Patiparnpreechavud氏  左4人目 NEDO理事 飯村 亜紀子氏

 


パイロットプラント

 

 同プラントで製造される低級オレフィンは、SCGC内で稼働中のナフサクラッカー(※2)から排気ガスの供給を受け、そのガスから分離回収したCO2とSCGC内の他工程から発生する副生水素を利用し、IHIが開発したCO2変換触媒(※3)を用いて合成されるもの。ナフサクラッカーから排出されるCO2をそのまま原料として用いる世界初のパイロットプラントとなる。
 

 同プラントでは、一日当たり100kgのCO2を注入する小型スケールでの運転を2026年3月末まで行う。その後、IHIとSCGCは本運転で得られた低級オレフィンとSCGC内の既設商用プラントで製造された低級オレフィンにおける、互いの物性比較や互換性評価を行い、同プラントの商用化に向けて、オレフィンの合成条件および既設プラントとの統合条件を検討していく。



SCGCの既存設備を活用した低級オレフィン製造プロセスのイメージ
 

 同件は、IHIが2021年度に受託したNEDOの「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発/CO2を原料とした直接合成反応による低級オレフィン製造技術の研究開発」における取り組みで、化学産業分野での運転はカーボンニュートラルな製造プロセスの実現に向けた重要な一歩となる。
 

【注釈】
(※1)低級オレフィン:多くの主要基礎化学品の原料となるエチレン、プロピレンなどの総称。生活必須品である包装材、発砲スチロール、ペットボトルなどのプラスチック製品の製造に用いられる。
(※2)ナフサクラッカー:原油を蒸留させたナフサを800℃以上の高温で熱分解させ、石油化学基礎原料のエチレン、プロピレン、芳香族成分などを生産する設備。
(※3)CO2と水素を原料として低級オレフィン類などの炭化水素を合成する触媒。

 


(IR universe rr)

 

 

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