帝人フロンティア タイで高強力リサイクルポリエステル長繊維を増産
工業繊維向けの需要増に対応
帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:平田 恭成)は、9月8日、タイヤコードや ゴム製品補強材、シートベルトなどに使用される工業繊維向けの高強力リサイクルポリエステル 長繊維の需要増に対応するため、ポリエステル繊維の製造・販売を展開するグループ会社の テイジン・ポリエステル(タイランド)(Teijin Polyester(Thailand)Limited、本社:タイ・ バンコク、社長:浅田 和重、以下「TPL」)における、同繊維の生産能力増強を決定したと発表した。
1.背景、概要
(1)2023 年に欧州 ELV 規則案(*)が発表されるなど、資源循環に向けた強い要求を背景に、 工業繊維用途でのリサイクルポリエステル長繊維の需要が高まっている。また、自動車など 工業製品の安全性向上のため、高強力や難燃性などより機能性の高い産業資材向けポリエステル長繊維のニーズも拡大している。
(*)欧州委員会が廃自動車(End-of-Life Vehicles:ELV)の廃棄物削減とリサイクル促進のために運用してきた従来の「ELV 指令」と、自動車の再使用、再利用、再生について定めた「3R 型式認証指令」を統合、格上げして規則 としたもの。
(2)帝人フロンティアは、これらのニーズに対応する原糸をTPLで生産しているが、 原糸生産の前工程設備の制約により、同じ設備で生産する工業繊維向けリサイクル ポリエステル長繊維および産業資材向け機能性ポリエステル長繊維の増産が困難な状況だった。
(3)今回、工業繊維用途における高強力リサイクルポリエステル長繊維の需要増に対応すると ともに、機能性ポリエステル長繊維の用途展開を拡大するため、前工程設備を改良し、 これらの原糸を増産することを決定した。
(4)増産に関する概要は以下のとおり。
■ 増産開始時期:2025 年 11 月を予定
■ 生 産 品:工業繊維向け高強力リサイクルポリエステル
長繊維、その他
■ 生 産 量:620t/年(2025 年度予定)
TPLの外観
2.今後の展開
(1)これら高強力リサイクルポリエステル長繊維および、産業資材向け機能性ポリエステル 長繊維は、原糸やそれらを使用した製品として、帝人フロンティアグループ向けをはじめ、 国内・海外に幅広く販売していく。
(2)将来的には、新開発の工業繊維向け機能性リサイクルポリエステル長繊維などの生産にも 同設備を活用していく。
(IR universe rr)
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