新着情報

2025/09/08   対日アルミプレミア...
2025/09/08   アルミUBC自治体...
2025/09/08   海外企業の6月期決...
2025/09/08   アルティリウムとJ...
2025/09/08   2025年7月 ア...
2025/09/08   中国レアアース輸出...
2025/09/08   米国の研究者らがL...
2025/09/08   英国コンソーシアム...
2025/09/08   太平洋セメント子会...
2025/09/08   パナソニックとJX...
2025/09/08    元鉄鋼マンのつぶ...
2025/09/08   鉄鋼輸出入実績 ①...
2025/09/08   使用済みプラスチッ...
2025/09/08   シリカ輸入Repo...
2025/09/08   カドミウム輸出Re...
2025/09/08   酸化スズ輸入Rep...
2025/09/08   スズ地金輸出入Re...
2025/09/08   中国リチウム電池リ...
2025/09/08   レアメタル千夜一夜...
2025/09/08   TOAシブル 廃棄...

パナソニックとJX金属、銅スクラップの再資源化と再利用スキーム運用開始へ着手

9月8日、パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社(以下、パナソニック)とJX金属株式会社(以下、JX金属)は、使用済み家電から回収した銅スクラップを再資源化し、パナソニックグループの製品に再び活用する循環スキームを共創し、2025年9月から運用を開始すると発表した。


昨今、日本政府は「循環経済(サーキュラーエコノミー)」を推進しており(※1)、本スキームも製造業と資源循環産業の協働を通じて、国内資源の回収、再生材の活用を推進し、脱炭素化に貢献する新たな価値創出モデルとして位置づけられる。


パナソニックグループでは、家電リサイクル法の下、長年にわたって使用済み家電の回収、資源のリサイクルに取り組んでいる。その一環として、家電リサイクル法における使用済み家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)から回収した銅スクラップについては、従来より製錬業者等に売却することで、銅箔や銅線、銅管など各種銅製部品の原料となる電気銅への再資源化を行っていたが、再生電気銅の自社製品への再活用の量は正確には把握できていない状況であった。そこで、パナソニックは、JX金属が新たに採用した銅製錬プロセスにおける原料から製品までの物量管理の仕組み(※2)を活用し、供給した銅スクラップ相当分の電気銅を確実かつ正確に製品へ使用することを目指す。


この電気銅は、「スクラップのみを原料としている」と見なすことができ、鉱石の採掘等にかかる多量の燃料や電力などが不要なため、従来に比べ地球温暖化ガスの排出量が大幅に削減された電気銅と考えることができる。JX金属の試算によると、電気銅1t当たりでは、約2~3tの温室効果ガスの排出削減効果が期待できる。これにより、パナソニックグループは従来よりもカーボンフットプリント(CFP)が大幅に低減された電気銅を安定的に調達し、銅製部品として製品に使用することができるようになる。

 

今後、パナソニックは家電リサイクルを中心に銅スクラップの回収体制の強化、JX金属はリサイクル技術と管理体制の高度化を通じて、電気銅リサイクル比率の向上を推進し、両社は資源循環を共創するパートナーとして、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していくとの事だ。

 

【本スキームの概要】
パナソニック傘下のパナソニックETソリューションズ(以下、PETS)が、全国の家電リサイクル工場において使用済み家電から取り出された銅スクラップを回収。回収したものをJX金属へ供給し、JX金属が電気銅として再生します。JX金属はパナソニック由来の銅スクラップに含有されていた銅量を適切に管理し、ISO 22095の規定などに基づいた第三者による検証済みの管理体制(※2)のもと、処理時のロス分も考慮したマスバランス方式(※3)により「パナソニックから供給されたスクラップ由来である」と見なせる100%リサイクルの電気銅(PCL100/mb(※4))を生産します。この低CFPの電気銅は、パナソニックグループで購入し、加工された上で、再びパナソニックグループのモノづくりに使用されます。

 

画像2.png

 

 

※1 経済産業省「成長志向型の資源自律経済戦略」(概要)
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230331010/20230331010-1.pdf
環境省「第五次循環型社会形成推進基本計画」(概要)
https://www.env.go.jp/content/000242562.pdf

 

※2:マスバランス方式の運用の前提となるリサイクル原料とリサイクル原料から製造した電気銅の物量管理を信頼性高く実施する加工流通過程の管理(Chain of Custody)の体制。
JX金属プレスリリース(2024年7月3日付)(https://www.jx-nmm.com/newsrelease/2024/20240703_01.html)参照。
なお、2025年9月初旬時点で、規格化の作業が続けられているISO 13662 への迅速な対応も予定。
ISO 22095とは、「加工流通過程の管理(Chain of Custody)」に関する一般的な用語とモデルを定めた国際標準規格。
ISO 13662とは、「加工流通過程の管理(Chain of custody)において、マスバランス法を適用するための必要事項とガイドライン」を定めた国際標準規格。


※3:マスバランス方式とは、特性の異なる原料を混合して製品を製造する場合において、ある特性を持つ原料の投入量に応じて、製品の一部にその特性を割り当てる手法。


※4:JX金属において生産するマスバランス方式を活用した100%リサイクル電気銅。
JX金属プレスリリース(2024年1月31日付)(https://www.jx-nmm.com/newsrelease/2023/20240131_01.html)参照。

 

<報道機関からのお問合せ先> 
パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社 
経営企画センター 経営政策部 広報課:las-pr@gg.jp.panasonic.com
JX金属株式会社 コーポレートコミュニケーション部:電話番号 03-6433-6056


(IRuniverse Ryuji Ichimura)

 

 

関連記事

関連記事をもっと見る