11月第1週の電気自動車(EV)の主要材料であるグラファイト(黒鉛)価格は、一部で上昇が続いている。金属価格サイトのAsian Metalによると、土状黒鉛の価格は11月3日に高値2700元/mtだった。同日までの1週間の上昇率は1.5%。中国当局が10月20日に「グラファイトの一部製品について12月1日から輸出を許可制にする」と発表してからの2週間では、5.9%上昇したことになる。
ただ、ほかの形状では値動きはさえない。バッテリー材料として多く用いられる鱗片状黒鉛の国際価格は11月3日に高値640$/mtと、規制発表前の10月19日(650$/mt)から小幅に下落した。球状黒鉛の価格も1万3200元/mtと、規制発表前(1万3300元/mt)からやや下げた。
黒鉛価格は足元では多くの形状で前年に比べ3~20%程度安い水準にある。中国の規制発表を受け、関係者の間では「11月に黒鉛の先回り買いが増えそうだ」(ロイター通信)との予測があったが、現時点では一部を除いて供給ひっ迫を懸念した買いは大きく増えていないようだ。
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(IR Universe Kure)