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JX金属、リサイクル原料の増処理に向けて設備投資を決定

2025/09/26 16:23 FREE
JX金属、リサイクル原料の増処理に向けて設備投資を決定

JX金属株式会社(社長:林 陽一)は9月26日、金属・リサイクル事業におけるリサイクル原料の増処理に向けた前処理プロセスの設備投資を実施することを決定した事を発表した。

1.理由
同社は、近年の精鉱製錬における収益性低下に対し、製錬事業の強靭化を加速するため、精鉱製錬の生産規模の適正化の検討を含め、高収益なリサイクル製錬への事業構造の転換を企図している。この一環として、グリーンハイブリッド製錬(※)計画の推進により、銅精鉱の比率を減らしリサイクル原料の比率を高める原料ポートフォリオの見直しを進めている。
一方、金属価格の上昇や資源循環への関心の高まりを背景に、各国でリサイクル原料の囲い込みが進んでおり、安定的な原料確保が課題となっている。この先もリサイクル原料の増処理を進めるためには、低品位E-waste 等の前処理を要するリサイクル原料の増集荷が必要となることが見込まれることから、同社ではキルン炉をはじめとする前処理プロセスの強化が急務と判断し、今回の設備投資を決定した。
同社グループが推進するグリーンハイブリッド製錬は、リサイクル原料処理において高い技術優位性を有しており、化石燃料の使用量が少なく、投資規模も比較的コンパクトという特長がある。今回の設備投資により、金属・リサイクル事業の収益性向上とともに、再生可能エネルギーの普及や電動化の拡大を支える銅資源の循環促進にも貢献できると考えている。

また、主にリサイクル原料から回収される貴金属、レアメタルについては、半導体材料事業、情報通信材料事業などの当社フォーカス事業で具体的な需要があり、回収量の増加はこれら事業のサプライチェーン強化につながる。これらの金属資源の一部は、産出国からの供給リスクが高まっていることから各国によって「重要鉱物」と位置付けられており、安定的な確保は社会的にも意義の大きい取り組みであると考えている。引き続き、当社は、金属・リサイクル事業の収益性・成長性向上を目指し、製錬事業の強靭化に取り組んでいくとの事だ。
※鉱石中の硫黄分の酸化熱を用いて溶解を行う環境負荷の少ない製錬法。余剰熱を活用したリサイクル原料の処理を行う。

2.設備投資の概要
(1)内容
前処理を要するリサイクル原料が今後増加することが見込まれることから、 JX金属製錬㈱ 佐賀関製錬所(大分県大分市)において、キルン炉等の前処理設備の能力を増強する。
(2)投資額 約 70 億円
(3)処理能力 2025 年比約5割増
(4)稼働開始 2027 年度(予定)

3.今後の見通し
2026 年3月期連結業績への影響は軽微である。

 

(IRuniverse Ryuji Ichimura)

 

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