2025年10月のコバルト市況は上昇している。ベンチマークとなるLGコバルトは10月23日に仲値$22.25/LBと、2022年11月以来ほぼ3年ぶりの高値を付けた。生産国であるコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)が9月に発表した輸出割り当てが慎重な内容と受け止められ、先行きの供給不安から値上がりが続いている。
■急ピッチの値上がりにとまどい、取引は薄
過去3か月間のLGコバルト (Co99.3%)($/LB)価格の推移
LGコバルトは10月16日に仲値$20.5/LBを付け、節目の$20に乗せていた。市場ではコンゴの割り当て発表直後に「年内の$20回復までは難しいかもしれない」(Project Blue プリンシパルアナリストのイン・ルー氏)との声もあっただけに、想定以上の速さで上昇が進んでいる。
足元では、急な値上がりに戸惑う関係者も少なくないようだ。上海有色網(SMMは10月23日の週刊レポートで、「取引先企業は(先を見越したまとめ買いから)都度調達に転じており、取引量自体は薄い」と指摘した。
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■LME4万ドル超え、HGと硫酸コバルトは2022年以来の高値
過去3か月間のLMEコバルト価格の推移($/ton)
他のコバルトもおよそ3年ぶりの高値に上昇している。国際価格のLMEコバルトは10月23日に高値$4万8165/tonを付けた。2023年1月以来の高値水準となる。
過去3か月間のHGコバルト (Co99.8%)($/LB) 価格の推移
過去3か月間の硫酸コバルト価格の推移(20.5%min China)(RMB/Mt)
航空機向けなどハイグレードのHGコバルトと電池向けの硫酸コバルトは2022年以来の高値。HGコバルトは10月23日に仲値$23/LBだった。硫酸コバルトは同日に仲値RMB8万4800/Mtを付けた。いずれも前週に節目を回復し、その後も勢いが続いている。
■Topics
10月22日
カナダ電池材料のエレクトラ・バッテリー・マテリアルズ(Electra Battery Materials Corporation)は10月22日、自社ホームページ上で、「硫酸コバルト精製所建設に向けた資金調達が完了した」と発表した。
同社は約2億5000万ドルを投じて年産6500トン規模の硫酸リチウム工場を建設する予定だったが、工費の超過などにより2023年以降計画を延期していた。実現すれば、バッテリーグレードのコバルト工場はアメリカ大陸初となる。
プレスリリース:
Electra Battery Materials | Latest News
10月21日
英投資会社のアッピア・キャピタル・アドバイザリーは10月21日、自社ホームページ上で、「世界銀行(WB)傘下の国際金融公社(IFC)と共同で、アフリカや南米といった新興市場に特化した10億ドル規模の重要鉱物・金属・鉱業ファンドを立ち上げる」と発表した。投資先の第一弾となるのは、アッピアが間接的に所有するブラジル・バイーア州のサンタ・リタ・ニッケル・銅・コバルト鉱山。
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(IR Universe Kure)