2025年11月4日~11月9日のバッテリー業界では、トヨタの福岡工場の建設計画の再延期が大きな話題だった。電気自動車(EV)の販売低迷を受け、日本勢は車載電池の生産に慎重だ。対照的に中国電池のゴーションはスロバキアの工場を完工し、姿勢の違いが鮮明化した。太陽電池はバスや災害用テントなど日常生活での活用に向けた実験が活発だった。
IR Universeは2026年3月17-18日、東京・浅草で「第13回Battery Summit」を開催する。
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<国内>
●新横浜で太陽電池使用の災害用テントを展示 蓄電池のベイサンなど
蓄電池システムのベイサン(本社:横浜市)は11月5日、自社ホームページ上で、「太陽電池のペクセル・テクノロジーズ(本社:川崎市)および災害用テントのアキレス(本社:東京・新宿)と共同で、11月8日、9日の新横浜パフォーマンスで、ペロブスカイト太陽電池と災害用エアーテントとを組み合わせた可搬型発電・蓄電システムを展示する」と発表した。

(出所:ベイサン発表資料)
プレスリリース: ペロブスカイト太陽電池の実証実験を新横浜駅で実施します。 | ブログ | BAYSUN
●トヨタ、福岡の電池工場計画を再延期 EV不振で
トヨタ自動車が、福岡県苅田町で進める電気自動車(EV)向け電池工場の建設計画を見直す方針であることがわかった。福岡県の服部誠太郎知事が11月7日、報道陣に対して、前日にトヨタの佐藤恒治社長から計画見直しを通告されたと明かした。読売新聞などの一般紙が11月8日までに伝えた。
世界的なEV販売の鈍化が背景にあるとみられる。トヨタは当初、2028年の生産開始を視野にこの電池工場の建設計画を進めていたが、3月に福岡県との立地協定締結を秋ごろに延期すると県側に伝えていた。
●東北大、廃電池からのリチウム分離で新技術
東北大学は11月5日、日本経済新聞などを通じ、「使用済みLIB浸出液からリチウムを高選択的に回収する新しい分離プロセスを確立した」とするプレスリリースを発表した。エネルギー効率が高く、薬品使用量を大幅に削減できる膜分離技術に着目し、材料を分離する。
新たな金属回収法

(出所:東北大発表資料)
プレスリリース:01_202511051348.pdf
●三浦工業と東京ガス、固体酸化物形燃料電池システムが受賞


ボイラー機器の三浦工業(本社:東京・港」)は11月5日、「東京ガス(本社:東京・港)と共同開発した固体酸化物形燃料電池システムが、一般社団法人日本ガス協会主催の「2025年度 日本ガス協会ガス技術部門 技術賞」を受賞した」と発表した。
プレスリリース:発電効率63%の高効率燃料電池システム「FC-6M」が日本ガス協会ガス技術部門技術賞を受賞|新着情報|三浦工業
●旭化成、独電池メーカーに技術供与


旭化成は11月4日、「ドイツ電池メーカーのEASバッテリーズ(EAS Batteries、本社:独テューリンゲン州)との間で、旭化成が開発した超イオン伝導性電解液技術に関するライセンス契約を締結した」と発表した。
EASは新たに開発したリン酸鉄(LFP)を正極に用いた円筒型の超高出力リチウムイオン電池に、旭化成の技術を使う。製品は2026年3月に発売予定。
プレスリリース: 旭化成、EAS Batteries社と超イオン伝導性電解液技術のライセンス契約を締結 | 2025年度 | ニュース | 旭化成株式会社
●神奈中バスにカルコパイライト太陽電池の搭載実験 豊田通商など
豊田通商は11月4日、自社ホームページ上で、「神奈川中央交通およびスタートアップのPXP(相模原市)と共同で、路線パスでのカルコパイライト太陽電池の使用について実験を始めた」と発表した。平塚市などで運行する神奈中バス5台に太陽電池を搭載する。実験期間は11月1日から2026年3月26日まで。
バスに太陽電池を搭載

プレスリリース:次世代型太陽電池を活用した燃費改善実証実験を開始~神奈川中央交通の路線バスにカルコパイライト太陽電池を搭載~ | 豊田通商株式会社
<海外>
●中国ゴーション、スロバキア首相が視察 10月末に工場完工

中国電池大手の合肥国軒高科動力能源(ゴーション・ハイテク、Gotion)は11月7日、自社ホームページ上で、「訪中したスロバキアのロバート・フィゾ首相が同社を視察した」と発表した。
同社は10月末、SNS上で、「スロバキア工場が10月28日に完工した」と発表していた。初期生産能力は年産20ギガワット時(GWh)で、2027年に出荷予定。製品はすべてEU向けに供給する。ゴーションにはドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が約3割出資する。米国でも工場の建設を計画したが、環境問題などへの懸念から反対があり断念していた。
プレスリリース:斯洛伐克总理菲佐到访国轩高科-合肥国轩高科动力能源有限公司
●中国シノペックと韓国LG化学、ナトリウムイオン電池の材料開発で協業へ
中国国有石油大手の中国石油化工(シノペック)と韓国LGグループ傘下のLG化学が、ナトリウムイオン電池向け材料を共同開発することで合意した。中国ネットニュースの澎湃新聞(The paper)が11月4日に伝えた。
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(IR Universe Kure)