Loading...

東邦チタニウム:決算説明会を開催、チタン需要見通しトーンダウン

2025/11/13 21:18
文字サイズ
東邦チタニウム:決算説明会を開催、チタン需要見通しトーンダウン

11月13日13時半、東邦チタニウムは7日に発表した26/3期2Q決算を受けて説明会を開催した。説明会資料はこちら。

 

関連記事

 ⇒「東邦チタニウム:26/3期2Q決算発表。業績見通しを修正

 

<25年度上期概要>

〇各セグメント概要(資料4ページ)

●金属チタン

 航空機エンジンのMRO(ンテナンス・リペア・オーバーホール)向けは堅調に推移しているものの、ボーイング社における諸トラブルに起因したサプライチェーン増の在庫調整が継続している。一般産業向けは、中国メーカーによる過剰生産の影響を受け、販売量が減となった。半導体向け高純度チタンは堅調に推移した。原料鉱石需要には大きな変化が見られず、価格は安定。

●触媒事業

 北米顧客を中心に在庫調整が進み、市場全体は回復となった。一方、中国のポリオレフィン生産能力過剰による輸出増加、周辺諸国の同社一部顧客の生産量の回復遅れに影響している状況は継続している。

●化学品

 中国経済停滞の影響が底を打ち、MLCC需要は緩やかに回復傾向となった。前年同期は在庫バランス改善のため大幅な生産調整を実施したが、現在は稼働率が約60%まで回復。ただし、在庫バランス改善の取り組みは引き続き継続する。

 

〇上期実績(銅5ページ)

 売上高は410億円、前年同期比27.4億円の減収、営業利益は13.2億円、同13.0億円の減益、経常利益は11.8億円、同5.2億円の減益、当期利益は7.0億円、対前年4.3億円の減益となった。平均為替レートは1ドル146円、対前年では円高。配当は9円。売上高の減収は、主にチタンセグメントによるもの。

 

〇セグメント別

 金属チタンは売上高271.4億円、57.0億円の減収、触媒が59.5億円、11.8億円の増収。化学品は79.5億円、17.8億円の増収、合計で27.4億円の減収。

 営業利益は、金属チタンが16.1億円、同17.5億円の減益、触媒が13.7億円、同3.8億円の増益、化学品は▲4.9億円の赤字、銅3.3億円の増益。全社費用は、▲11.7億円、同2.6億円の増。合計して13.2億円、同13.0億円の減益となった。

 

〇営業利益増減要因(同7ページ)

 金属チタン事業は、原料・電力、修繕費等固定費に加え、在庫影響で同プラス、販売量、価格、為替で同マイナス。触売事業は、販売量、価格で同プラス、為替、在庫影響で同マイナス。化学品事業は、販売量、価格、原料等コストで同プラス、在庫影響でマイナスとなった。

 

 バランスシートとキャッシュフローは資料の8ページ参照。

 

<25年度業績予想>

〇各セグメントの環境(同10ページ)

●金属チタン:航空機向けの需要は、サプライチェーンの在庫調整局面が当初予想より長引いている。ただ、今後の需要の成長は確実と見られているが、本格回復は27年以降かとの見方も出ている。一般産業用途向け、これは引き続き厳しい環境が継続。一方、半導体向け高純度チタの需要は引き続き堅調。

 26年のLTA(長期契約)輸出価格は、原料価格低下により数%下落となる見込み。

●触媒:引き続き緩やかな需要回復を想定。また、北米地域での拡販を計画。設備の稼働率は、販売量の増加に合わせてほぼフル生産の体制に移行していく。

●化学品:MLCC向けニッケル粉需要は引き続き回復傾向、ペースは当初想定より緩やか。在庫バランス改善の取り組みを継続しつつ、設備稼働率を約70%に回復させていく。建設中の新工場は、今年度中に試運転稼働を開始。需要の伸びに対応し、26年度から戦力化する予定。

 

〇業績見通し 前回vs今回(同11ページ)

 通期の売上高は813億円、前回予想110億円の減収、営業利益は40億円、同の▲3億円、経常利益は36億円、同+3億円、当期利益は19億円、同▲5億円。平均為替レートは1ドル148円。前回予想は140円。配当は18円のまま、変更無し。売上高の減収は。金属チタン事業、化学品事業が主因。

 

〇セグメント見通し(同12ページ)

 売上高は、金属チタンは通期で530億円。前回予想比▲87億円。触媒は、119億円、同▲3億円。化学品は、164億円、同20億円の減収。

 営業利益は、金属チタン、36億円、同▲4億円。触媒27億円、同+5億円。化学品は0、同▲4億円、全社費用は▲23億円で、どう変化無し。

 

〇営業利益増減要因 前回vs今回(同13ページ)

 前回予想営業利益43億円に対し、今回の見通しは40億円。金属チタン事業は、原料、電力、固定費、為替、在庫影響でプラス、販売量、価格がマイナス、触売事業は主に為替でプラス、化学品事業は、販売量、価格でマイナス、原料等コスト、在庫影響でプラス。なお、為替の感応度は、1ドル±1円で、営業利益はおおむね±1億円(下期)。円安の場合はプラスの影響。

 

〇販売数量推移(同14ページ)

 23年度を100。チタンは主にサプライチェーンの在庫調整長期化の影響が続いている。本格回復は27年度以降となる見通し。THC触媒の販売量は販売の伸びが継続。ニッケル粉は23年度から主要顧客の在庫調整により低迷していたが、徐々に回復傾向にある。

 

〇配当の考えかた(同15ページ)

 業績予想は修正したが、配当予想は現時点で変更なし。24年度期末配当より基本方針を変更し、現在は連結配当30から35%、または純資産額の2%以上としている。

 

〇中計との比較(同16ページ)

 中期経営計画との比較。25年度は3ヵ年中計の最終年度。3ヵ年累計の見通しは、売上高2,487億円、中計の達成率は80%。セグメント別の達成率は、金属チタンが90%、触媒が79%、化学品が58%。新規事業は、WEBTiを計画していたが、収益を上げるにはもう少し時間がかかる見込み。営業利益の見通しは168億円、中計の達成率は61%。セグメント別では、チタンが119%、触媒が70%。

 化学品は赤字に終わる。中計策定時、これは22年だが、大きく変化した事業環境は下記の通り。

 ボーイング社の品質トラブル、ストライキによるサプライチェーンの在庫調整、中国経済の低迷長期化、同じく中国の過剰な生産能力増強による輸出増、欧州経済低迷による水素需要の立ち上がり遅れなどが挙げられる。残り半年だが、少しでも達成率を上げるようさらに努力していく。

 

<今後の見通し>

〇ポイント

●航空機向け需要動向について。

 A320neo新造機の制約となっていたLEAPエンジン供給不足は、ニッケル合金サプライヤーの能力増強により解消され、前年を上回るペースで納入されており、26年以降もさらなる納入機数の増加が計画される見込み。

 FAA(アメリカ連邦航空局)がB737max生産レート月38機から42機へ引き上げを許可。今後も、ボーイングは生産を半年ごとに月5機ずつ増加させる計画。大型のB787は、すでに生産レートを月5機から7機に引き上げている。また、25年9月末、これはボストンで開催されたITAチタン国際会議で各社からコメントを得ている。航空機旅客需要増を背景に、心造機の需要ゾーン、これはボーイング、エアバスともに共通。エアバスは生産デートアップの計画を提示。チタン需要見通しについて、26年は在庫調整により需要減となるが、27年には大幅回復という見通しをコメントした。航空機向けチタン需要見通しは、25年から29年の5年間に年率7.1%増加を予測、これはCharles Edwardsのコメント。エンジン向けチタン需要は、25年から30年までで26%増加、これはATIのコメント。これらにより、チタン需要については、立ち上がりまでまだ時間を要しているものの、今後の需要は増加していくと考えている。

 

〇設備投資の状況

 各事業とも、今後のマーケットの立ち上がりに向けての備えは今期中にほぼ完了予定。

 チタン事業は、若松工場のスポンジチタン既存設備改造による増強工事、これはほぼ完了。触媒は、新規ライセンサー認定が取得できる見込みとなり、需要低迷のため低稼働が続いていた茅ケ崎新工場がフル生産体制に入る。化学品は、ニッケル粉工場の建設工事がおおよそ完了し、製品サンプル評価のための試運転準備に着手。新素材事業は、水素製造装置向けWEBTiの初の量産工場を建設しており、これも予定通り進捗。

 チタンはまだ時間を要するものの、今後の航空機需要の伸びは確実と見ている。また、触媒化学品は、すでに需要が回復してきており、マーケットをしっかりフォローしていく。

 

 

(IRuniverse 井上 康 )

関連記事

新着記事

ランキング