JX金属は16日、持ち分法適用会社パンパシフィック・カッパー(PPC)を通じて保有するペルーの銅鉱床の権益を全てスイス資源大手のグレンコアに譲渡したと発表した。2009~2011年に実施したフィジビリティスタディー(事業化調査)後、採算性見合いなどで開発フェーズへの移行を見合わせていた。同社は半導体向けなど先端材料分野にシフトを進めており、今回売却を決めた。売却額は非開示で、26年3月期の連結業績への影響は軽微という。
今回売却したのはJX金属が47.8%出資するパンパシフィック・カッパー(PPC)が100%保有していたケチュア銅鉱床の権益。PPCには三井金属が32.2%、丸紅が20.0%出資している。
ケチュア銅鉱床は07年にPPCが権益を三井金属から4000万ドル(約61億円)で取得した。07年時点の計画では、12年までに4億5000万ドルをかけて調査や生産設備建設を進め、12年に操業、28年まで16年間、操業を続ける予定だった。
(IRuniverse G・Mochizuki)