リチウム価格が急伸している。ベンチマークとなる炭酸リチウム価格は12月24日に仲値RMB10万6500/mtと、2024年6月以来およそ1年半ぶりにRMB10万の大台に乗せた。中国の主要生産地の地方当局がすでに期限の切れている27件の採掘権を取り消す計画と伝わり、供給が細るとの焦りが広がっている。
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■1日で8%値上がり、1年半ぶり高値
過去3か月間の炭酸リチウム価格の推移(99.5%、China)(RMB/mt)

炭酸リチウムの12月24日仲値は前日(RMB9万9000)からは7.8%も値上がりした。高値ではRMB10万7500を付けた。
ことの発端は、江西省宜春市自然資源局が12月12日、ホームページ上で、「リチウムなどの採掘許可27件について、2026年1月22日までの協議期間を経て取り消す」と発表したことだった。

プレスリリース:关于拟公告注销27个采矿权的公示 | 宜春市自然资源局网站
許可はいずれも2024年までに失効済みで、今後の供給には影響しないはずだが、中国市場には供給懸念への焦りが広がった。まず広州の先物取引所で17日に価格が上昇し、ベンチマーク価格にも波及している。
■「前科持ち」当局に警戒感
ろうばいの背景には追加の採掘権停止への恐れがあるとみられる。というのも、宜春市には「前科」があるためだ。同市は8月に車載電池世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)傘下を含む一部のリチウム鉱山を一時操業停止にしていた。
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今回の取り消し対象には、電気モーターの江西特種電機が運営する鉱山も含まれる。これは中国のリチウム鉱山の中でも大型の部類で、市場では当局がリチウム採掘の引き締め姿勢を強めるのではないかとの警戒が広がっている。
(IR Universe Kure)