2026年1月5日~1月12日のバッテリー業界には、中国の対日禁輸措置への不安がのしかかった。対象が明示されない中、電池材料となるレアアース磁石などの輸出が止まっているとの情報が浮上した。一方、米国で開催された世界最大級のテクノロジー見本市である「CES2026」では、全固体電池や紙電池など電池も最新技術が披露された。
IR Universeは2026年3月17-18日、東京・浅草で「第13回Battery Summit」を開催する。
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<国内>
●中国禁輸、レアアース磁石の輸出が停滞か
中国は1月6日、軍民両用品の対日輸出を禁止した。これを受け、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は1月8日、中国がレアアースおよびレアアース磁石の日本企業向け輸出を制限し始めたと伝えた。中国側は民生用品は対象にならないとしたが、実際には電池材料であるレアアース磁石も審査が滞っているとみられる。、対象製品が明示されていないため、国有企業をはじめ企業側が自主的に日本側との取引を中止するなどの動きも始まっているようだ。
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●第三者試験機関であるケミトックス、LIBのワンストップサービス開始

電池などの第三者試験機関であるケミトックス(本社:東京・大田)は1月8日、新たに「リチウムイオン電池(LiB)試作・評価ワンストップサービス」の提供を始めたと発表した。
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●住友金属鉱山、正極材の研究開発棟が完成
住友金属鉱山の電池研究所(愛媛県新居浜市)で新棟が完成した。日本経済新聞が1月8日に伝えた。車載用電池向け正極材を研究開発する。
●TDK、第4世代シリコン負極電池を9月までに発売か
TDKの斎藤昇社長はロイターとのインタビューで、第4世代となる次世代シリコン負極電池を2026年度上期(4―9月期)中に市場に投入する意向を明らかにした。ロイター通信が1月6日に伝えた。
スマートフォン(スマホ)への人工知能(AI)搭載などで高付加価値な電池の需要が増加していることに対応する。シリコン負極電池は従来よりも容量が大きいという。斎藤社長は「開発・生産・供給をし続けていくことが一番大事」と指摘し、第4世代以降も、よりエネルギー密度の高いバッテリーの開発を継続していく方針を示したと伝わった。
<海外>
●「CES 2026」が米国で開催 6-9日

世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」が1月6日-1月9日、米ネバダ州ラスベガスで開催された。全固体電池をはじめ電池関連の新技術も多く発表され、注目を集めた。
●米メーカーのEV不振鮮明化 GMとフォード
米自動車メーカーが相次いでEV事業の不振を発表した。ゼネラル・モーターズ(GM)は1月8日、EVと電池の減産に伴い、60億ドルの追加費用を計上すると発表した。1月5日発表の2025年10-12月期の米国でのEV販売は43%減少していた。
プレスリリース:GM leads U.S. industry, 2025 sales up 6%
同業のフォード・モーターが1月6日に発表した同じく2025年10-12月期の米国でのEV販売は52%減だった。トランプ政権に移行後、バイデン前政権が打ち出したEV支援策が取り消され、需要が減少した。
プレスリリース:RELEASE AT 00:01 A
●中国、再利用に注力 電池向けブラックマスは輸入関税引き下げ
中国は1月4日、「グリーン消費の促進方針」を発表した。この中で、 家具、家電、自動車などの製造業者に対し、逆物流システムを確立し、部品を再利用することを奨励するとした。また、1月1日付でリチウムイオン電池のスクラップであるブラックマスの輸入関税を、2025年までの6.5%から3%に引き下げた。
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●シンガポールのフリント、「紙電池」生産へ

シンガポールの新興企業フリント(Flint)は1月2日、自社ホームページとビジネスワイヤで、「研究していた紙電池が開発段階から生産段階に入った」と発表した。
紙電池は植物のセルロースを利用して作る。様々な植物のセルロースが利用でき、フリントはシンガポール地場の植物を利用している。充電可能で無毒、可燃性や爆発性も低いのが特徴で、リチウムやニッケルなどの鉱物依存を下げる効果もある。技術は米国で開催の国際見本市「CES2026」で展示された。
紙電池

(出所:フリントのホームページ)
プレスリリース:Flint's Paper Batteries Are Here: Now in Production, Now Available
(IR Universe Kure)