2026年1月21日から23日にかけて、東京ビッグサイトにて第18回オートモーティブワールド クルマの最先端技術展が開催された。本展示会はカーボンニュートラル、電子化・電動化、自動運転、コネクティッド・カーなどといったクルマの先端テーマに関する最新技術が集結する総合展示会であり、第18回ではEV分解展示や実車展示が注目された。今回は米中最新EV分解展示企画や中国のEVメーカーXiaomiが開発したハイパフォーマンスEV「YU7」を実車展示、またこれらの企画展示を協賛する三洋貿易株式会社の展示内容について紹介する。
XIAOMI YU7実車展示
Xiaomi YU7は中国のEVメーカーであるXiaomiが2025年に中国市場で発売した初の電気自動車SUVであり、高性能とラグジュアリー性を特徴とするモデルだ。米国のTesla Model Yの競合車種として位置づけられており、発売直後から大きな注目を集めている。
Xiaomi YU7の航続距離は中国のCLTCモードで最大835kmを達成し、四輪駆動モデルでも770kmとされている。また、800Vアーキテクチャを採用した高速充電に対応しており、約12分でバッテリー残量10%から80%まで充電可能、15分で約620km相当の走行距離分を充電できるとされている。
インテリア面では従来のメーターパネルを廃し、フロントガラス下部に情報を投影する虚像投影型HUDを採用するなど、先進性と視認性を重視した設計が特徴だ。2025年6月26日に中国で正式販売が開始され、予約開始後3分で約20万台、18時間で約24万台の注文を記録するなど、記録的な受注実績を残している。
YU7の日本市場への導入については現時点では正式な発表は行われていないものの、今回のオートモーティブワールドで実車展示が行われたことから、日本の自動車業界関係者や市場動向を強く意識していることはうかがえる。今後、販売体制や法規対応、充電インフラとの整合性などを踏まえた上で日本市場への展開が検討される可能性もあり、その動向が注目される。
米中最新EV分解展示企画

第18回のオートモーティブワールドではXiaomi YU7の実車展示に加え、三洋貿易株式会社および同社が販売代理店を務めるCaresoftの協賛により米中の最新EVを対象とした分解展示企画が行われた。本企画展示は実車と分解展示を並行して見ることができる点が特長で、来場者の多くが足を運んで細部を確認する様子が見られた。
今回の分解展示は、単なる技術紹介にとどまらず、EV時代における設計思想やものづくりの変化を立体的に示す企画だったと言える。EVは走行時のCO2排出量削減という側面で語られることが多いが、実際にはバッテリーを中心とした資源制約や、廃棄および再資源化の課題が顕在化しつつある。
特にリチウム、ニッケル、コバルトといった希少資源を多く含むバッテリーについては、使用段階だけでなく、分解、回収、再利用までを前提とした設計が求められている。分解展示では、モジュール構成や固定方法、冷却構造などが可視化されており、これらが将来のリサイクル工程や資源回収効率に直結する設計要素であることが理解しやすい内容となっていた。
こうした背景から、米中最新EV分解展示企画は、単なる技術比較ではなく、サーキュラーエコノミーを前提とした次世代のものづくり像を検証する場としての意味合いを持つものと言えるだろう。
三洋貿易株式会社のEV高速充電ケーブル
本展示会でXiaomiの実車展示や米中最新EV分解展示企画を協賛した三洋貿易株式会社は、ファインケミカル、インダストリアルプロダクツ、サステナビリティ、ライフサイエンスの4分野を中心に輸出入および販売を手がける専門商社である。三洋貿易は会場内では4カ所にブースを構え、複数の製品や技術を展示していた。ここでは同社が展示したEV向けの高速充電ケーブルについて紹介する。
昨今普及が加速するEVは急速充電時に大電流が流れるため、ケーブルが発熱する。このためケーブルを大口径にするなどといった対策が取られていたが、ケーブル重量の増加や取り回しの悪さが課題となっていた。三洋貿易が展示したEV高速充電ケーブルは、絶縁材に中空構造を持たせることで空冷または液冷による冷却を可能とし、発熱問題を解決する点が特徴だ。
このケーブルは空冷および液冷の両方式に対応可能であり、冷却機構を追加したことで充電時間の短縮と軽量化を両立している。従来品と比べて約50%の軽量化が可能とされており、作業性やユーザビリティの向上が期待される。
実験データとしては162Aで充電した場合、冷却なしではケーブル表面温度が約85度まで上昇するのに対し、空冷では約59度、水冷では約15度まで抑えられるという。充電器メーカーと共同で開発が進められており、表面温度の上昇を抑えつつ軽量化を実現する点が、EVインフラの高度化における優位性となりそうだ。
(IRuniverse Midori Fushimi)