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2025年の中古車輸出(1):過去最多をさらに更新 Arata AbeのELV RECYCLE Report vol.95

2026/02/04 09:17
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2025年の中古車輸出(1):過去最多をさらに更新 Arata AbeのELV RECYCLE Report vol.95

 2026年1月29日、日本の財務省貿易統計の2025年12月分の確報値が発表された。これを用いて算出された2025年の中古車輸出台数(バス、乗用車、貨物車)は171万4279台(確報値)となった。1年ほど前、この連載記事において(vol.89)、2024年の中古車輸出台数が過去最多を更新したことを述べた。2024年(157.3万台)に続いて2年連続で過去最多を更新したということになる。

 

 貿易統計が発表される前の段階で過去最多を更新することは十分に予想された。11月までの11か月分の合計で156万台にもなっていたからである。また、既に1月15日の時点で輸出抹消登録台数が発表されており、前年(160.5万台)を上回る164万台であることが確認できた。

 

 しかし、さすがに170万台を超える実績には目を疑った。その数がこれまで見たことのないものだったからである。しかも、これまで貿易統計上の中古車輸出台数よりも輸出抹消登録台数のほうが多い傾向があったこともあり、筆者の集計が間違っているのではないかとも思った。念のため、統計品目表で改めて品目を整理し、集計し直したところ、やはり同じ数値(171万4279台)になった。

 

 よく知られているように、貿易統計では少額貨物(輸出申告書における 1 品目の価格が20万円以下の貨物)が計上されない。そのため、貿易統計上の数値は過少になる。そのような中、なぜ貿易統計上の中古車輸出台数が輸出抹消登録台数を上回ったかである。考えられるのが、軽自動車である。輸出抹消登録台数には少額貨物が含まれるものの、軽自動車が含まれないため、軽自動車の輸出届出台数を別途集計し、輸出抹消登録台数と足し合わせる必要がある。

 

 図1は、これを踏まえて輸出抹消登録台数と軽自動車輸出届出台数の合計の推移を示したものである。併せて貿易統計上の中古車輸出台数の推移も示している。これにより、2025年の軽自動車輸出届出台数は16万台であり、輸出抹消登録台数と軽自動車輸出届出台数の合計は180.1万台になった。180万台という数値にも驚くが、いずれにしろ貿易統計のほうが過少という構造は確認できる。

 

 なお、輸出抹消登録台数は、輸出後の手続きにより計上されるものであり、多少のタイムラグがあると言われている。そのため、年末に駆け込みなどで輸出がされた場合、輸出抹消登録台数では翌年に計上されることがある。それが貿易統計と輸出抹消登録台数の差を生む場合も考えられる。

 

図 1 日本の中古車輸出台数の推移

出典:財務省貿易統計、日本自動車販売協会連合会、軽自動車検査協会公表データより作成

 

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阿部新(Arata Abe)

山口大学 国際総合科学部・教授

2006年一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。

同大学研究補助員を経て、2008年より山口大学教育学部・准教授

2020年より同大学国際総合科学部・教授

              

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