関連記事→
【貿易統計/日本】 2026年1月のフェロクロム輸出入推移統計
為替相場推移 TTS 3か月
(低炭素フェロクロム輸入分析)
■数量では、
1月単月は1,548トンと、前月1,543トンから横ばい(前月比100%)となった。一方で前年同月比では84%にとどまり、前年水準はなお下回る。
主要輸入元別では、
カザフスタンは660トンと前月300トンから大幅増加(前月比220%)、前年同月比でも236%と急回復し、再び主力供給源としての存在感を強めている。
ロシアは10トンと前月70トンから減少(前月比14%)、前年同月比でも33%と低水準にとどまり、不安定な供給が続く。
トルコは80トンと前月460トンから大幅減(前月比17%)、前年同月比も13%と急減し、前月のスポット的増加の反動が顕著。
中国は30トンと前月20トンから増加(前月比150%)したが、依然として低水準(前年同月比83%)。
ドイツは90トンと前月200トンから減少(前月比45%)、前年同月比75%とやや弱含み。
「その他」は678トンと前月493トンから増加(前月比138%)、前年同月比86%と底堅く、引き続き全体を下支えする構成。
総じてみれば、1月はカザフスタンの回復と「その他」の増加で全体数量は維持された一方、トルコの急減やロシアの不安定さが目立つ。供給構造は依然として分散化が進みつつも、主力国の変動に左右されやすい不安定な状態が続いている。
(表―1、グラフ―1)


■国別数量構成比では、12月→1月で、
カザフスタンは19%→43%へ大きく上昇し、再び主力供給国としての比重を回復した。
ロシアは5%→1%へ低下し、存在感は再び限定的。
トルコは30%→5%へ急低下し、前月の突出したシェアから大きく後退。
中国は1%→2%とわずかに上昇も、依然として低水準。
ドイツは13%→6%へ低下し、やや比重を落とした。
「その他」は32%→44%へ上昇し、最大シェアを占める構成となった。
総じて1月は、前月のトルコ主導の分散構成から、カザフスタンと「その他」を軸とする構成へ再びシフトし、供給の主軸が戻る一方で、引き続き分散的な調達構造が維持されている点が特徴である。
(グラフ―2)。

■金額では、1月単月は8億64百万円と、前月8億58百万円からほぼ横ばい(前月比101%)となった。一方で前年同月比では88%にとどまり、前年水準にはなお届いていない。
国別にみると、
カザフスタンは3億48百万円と前月1億32百万円から大幅増(前月比264%)、前年同月比でも227%と急回復し、再び主力の地位を回復。
トルコは43百万円と前月2億50百万円から大幅減(前月比17%)、前年同月比でも13%と急減し、前月の突出した伸びの反動が顕著。
ロシアは7百万円と前月38百万円から減少(前月比17%)、前年同月比46%と低水準。
中国は16百万円と前月8百万円から増加(前月比205%)も、規模としては限定的(前年同月比91%)。
ドイツは60百万円と前月1億14百万円から減少(前月比52%)、前年同月比84%とやや弱含み。
「その他」は3億90百万円と前月3億16百万円から増加(前月比123%)、前年同月比99%とほぼ横ばいで推移し、引き続き最大シェアを維持。
総じて1月は、前月のトルコ主導からカザフスタンおよび「その他」中心の構成へと再転換。金額面でも供給の軸は戻りつつあるが、依然として国別の振れが大きく、不安定な構造が続いている。
(表―2、グラフ―3)


■輸入CIF単価(キロ当たり)は、
全体平均で12月556円から1月558円へと小幅上昇し、横ばい圏ながら高止まりの推移となった。
国別にみると、
・カザフスタン:439円 → 528円と大幅上昇。供給回復とともに単価も切り上がり。
・ロシア:549円 → 672円と急騰し、主要国の中でも最も高い水準へ上昇。
・トルコ:543円 → 541円と小幅低下も、引き続き高水準を維持。
・中国:387円 → 530円と大幅上昇し、低位圏から一気に持ち直し。
・ドイツ:570円 → 663円と上昇し、高単価圏を維持。
総じて1月は、主要供給国の多くで単価が上昇し、とくにロシア・ドイツ・カザフスタンといった高単価国の押し上げが全体平均を支えた構図。円建てでは強含みが続いているが、為替要因を踏まえればドルベースでも底堅さが意識される局面といえる。
(グラフ―4)。

低炭素フェロクロム(C0.06% Cr65% USD/LB)1年
主要税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
(高炭素フェロクロム輸入分析)
■数量では、
1月単月は2万7,676トンと、前月6万1,136トンから大幅減少した。前月比45%、前年同月比77%で、前月の急増局面から反動減が鮮明となっている。
主要輸入元別では、
• カザフスタン:1万8,305トン。前月比71%と減少したが、なお最大の供給源を維持。前年同月比でも89%と比較的底堅い。
• インド:2,555トン。前月比47%、前年同月比59%と減少し、12月の急増から反落。
• 南アフリカ:6,095トン。前月比24%と大幅減、前年同月比でも76%にとどまり、前月の大口入荷の反動が最も大きく表れた。
• その他:721トン。前月比17%、前年同月比22%と低水準。
全体として、1月は前月に集中した大口入荷の反動で数量が大きく縮小したが、カザフスタンが引き続き供給の主軸を担う構図は不変。南ア・インドの振れ幅が大きく、月次の入荷動向にはなお強い変動性がみられる。
(表―1、グラフ―1)


■国別数量構成比では、12月→1月で再び大きな変化が見られた。
カザフスタンは42%から66%へと急上昇し、再び供給の主軸としての地位を回復した。
一方、南アは42%から22%へ大幅に低下し、前月の急伸分をほぼ吐き出す形となった。
インドは9%で横ばい圏にとどまり、構成への影響は限定的。
「その他」は7%から3%へ低下し、補完的役割も縮小した。
結果として、主要2国(カザフスタン+南ア)の合計シェアは12月の84%から1月は88%へ上昇。内訳としては南アからカザフスタンへのシェア回帰が鮮明であり、供給構造は再びカザフスタン主導型へと振れ戻した格好である。
(グラフ―2)。

■金額では、1月単月は79億14百万円と、前月142億31百万円から大幅減少した。前月比56%、前年同月比84%で、前月の急増局面から反動減が鮮明となっている。
国別にみると、
カザフスタンは59億6百万円と前月74億88百万円から減少(前月比79%)したが、なお最大の供給源を維持。前年同月比では96%と、ほぼ前年並みの水準。
南アは12億22百万円と前月49億8百万円から大幅減(前月比25%)、前年同月比でも80%にとどまり、前月の大口入荷の反動が大きく表れた。
インドは6億22百万円と前月13億9百万円から減少(前月比48%)、前年同月比62%と弱含み。
「その他」は1億64百万円で前月5億27百万円から減少(前月比31%)、前年同月比でも21%と低水準。
総じて1月は、前月に集中した大口入荷の反動で金額が大きく縮小した。供給の主軸は引き続きカザフスタンだが、南ア・インド・その他もそろって減少しており、12月の急拡大局面から一服した月と整理できる。
(表―2、グラフ―3)


■輸入CIF単価は、全体平均で前月キロ233円から286円へ上昇し、前月の低下から一転して大幅反発となった。
国別単価を見ると、
インドは240円→244円へ上昇、
カザフスタンは292円→323円と大幅上昇し、高値圏を一段と切り上げた。
南アも190円→200円へ上昇している。
すなわち主要3国はいずれも単価ベースで上昇しており、価格面でも明確な強含みが確認される。
一方で数量構成比は、12月の
インド9%・カザフスタン42%・南ア42%から、
1月は
インド9%・カザフスタン66%・南ア22%へ変化。
高単価のカザフスタン比率が42%から66%へ急上昇し、相対的に単価の低い南アが42%から22%へ低下した。このシェアの再配分が、全体平均単価を233円から286円へ押し上げた主因といえる。
したがって1月は、市況上昇に加え、調達先の重心が再びカザフスタンへ回帰したことによる“ミックス改善”が重なった、二重の上昇要因による単価上昇局面と整理できる。
(グラフ―4)。

高炭素フェロクロム(C6~8% Cr60~63% Si3% max $/LB)3カ月
国内ステンレス304系冷延薄板(2B/2mm)1年
主要税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
主要国別税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
■今後の展望(高炭素フェロクロム輸入)
短期は横ばい~やや強含み。ステンレス需要の回復期待が下支えとなる一方、南アの供給回復や中国の増産が上値を抑える構図。
→ レンジ内推移(ミックス要因含め変動大)が基本シナリオ。
中期的には需要は緩やかに拡大。ただし、供給不安(電力・資源)と調達先分散が引き続き重要となる。
(IRUNIVERSE S. Aoyama)